あらすじ
生命科学の基礎を築いた大発見の舞台裏
ワトソン博士ノーベル賞受賞から50年を記念して新書化
DNAの二重らせん構造はどのように発見されたのか
共同発見者のフランシス・クリック、モーリス・ウィルキンスらとの出会いから、「多才な巨人」ライナス・ポーリングの猛追をかわして、二重らせん構造の発見にいたるまでの、その舞台裏をワトソン博士が赤裸々に綴った感動のドキュメント。
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Posted by ブクログ
とてもノンフィクションとは思えないノリで色々とぶっちゃけていてすごい本。これだけ主観的かつ率直に書かれていると潔いというか、むしろこのくらいでないと自伝なんて出す意味がないのかも。とはいえエピローグで登場人物全員に対してのフォローは入るし、他人だけでなく自分のことも良いこと悪いこと含め書き綴っているので、不快には感じなかった。
ワトソンとクリックといえば、生物学史でもっとも有名な人名といっても過言ではないくらいの存在だけども、実のところ実験らしい実験はほとんどしていなかったことがわかる。筆者であるワトソンは全編通して結構な頻度で遊びに出かけているし、わりとしょっちゅう女の子のことを考えていて、一見余裕でこの発見を成し遂げているように見えるけれど、DNAに目をつけた着眼点、各方面の知見を積極的に入手して、それらを25という若さで繋ぎあわせた能力は、やっぱり並外れていたんだなと感じた。科学者というと職人気質なイメージがあるけども、政治力大事。ワトソンはそっち方面の才能が突出していたんだと感じた。後年は研究所の所長に落ち着いたというのも頷ける。
それにしても、ワトソンを取り巻く環境のすごさといったらない。ノーベル賞受賞者のオンパレード。ハックスレイに鍵開けて貰ってたとか、ポーリングの息子と同じところで研究してたとか、面白すぎる。
ロザリンドは本当に不憫。彼女がいなかったらワトソン達3人の受賞はありえなかったのに。生きていたら一緒に受賞できたんだろうか。