あらすじ
学園祭のあの日、死んでしまった同級生の名前を教えてください――。「俺たちはそんなに薄情だっただろうか?」なぜ「ホスト」は私たちを閉じ込めたのか。担任教師・榊はどこへ行ったのか。白い雪が降り積もる校舎にチャイムが鳴ったその時、止まったはずの時計が動き出した。薄れていった記憶、その理由は。
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Posted by ブクログ
随分久しぶりに読み返した。
ほんのり覚えてるところ、忘れていたところ。
「HERO」は泣いてしまう。
昔読んだ時は
ホストが誰なのか、自殺したのが誰なのか
気になってささっと読んでしまった部分。
今読むと見え方も変わって
泣いてしまうかと思った(泣いてない)
高校生のとき、自分はこんなに大人じゃなかったし
これを高校生のときに
書き上げた辻村深月には尊敬しかない。
この夏、辻村ワールドすごろくやってみようかな…
なかなか…ボリュームあるよなぁ、、、
とおもう7月末。
Posted by ブクログ
学生だからこその心の脆さや葛藤、人間関係の危うさが繊細に描写されてて、そこから展開されるストーリー。やっぱり辻村さんの描く物語が好きなんだなぁと。"菅原"と"榊"と"ヒロ"の関係に気づいたとき感動して震えた。今思い出しても鳥肌が、、、(;-;)また絶対に読み直したいと思える1冊。
Posted by ブクログ
これ、デビュー作なんですね。最後叙述トリック?でしたが、確かにこの流れで答えを出すのにはそうなりますね。心の中に閉じ込める、本当にあるのか分からませんが、それを読ませてしまう、ストーリーテラーとはこうなんですね。
怖いけど面白い。
犯人が誰かなって考えながら読んでたけど、ある1人がそうなってたの!?そんなのあり!?ってくらい驚かされて、そこめっちゃ繋がってるじゃんって感動しました。
とにかく伏線回収が気持ちいい。
回収後に振り返ると確かに散りばめられてる。でも考えすぎるとドツボにハマる。頭柔らかくフィクションだという事を念頭に考えていけばもう少し正解導けたかな…。
Posted by ブクログ
上巻よりもサクサクと読み進めることができた。菅原の深掘りパートのエピソードは、彼の抱える過去の重さが丁寧に描かれていて、読んでいて辛かった。でもその分、キャラクターへの理解が深まり、もっと幸せになってほしいという気持ちも強くなった。
また、ヒロとみーちゃんが後々誰なのか分かった時の驚きも印象的だった。まさかそういう関係だったとは予想していなかった。物語を読み進めるうちに、登場人物たちがお互いを支え合おうとする姿に深く感情移入し、「みんな幸せになってくれー」と心から思った。青春の光と影を見事に表現した作品だった。
Posted by ブクログ
ある大雪の日に高校に登校した7人の生徒たちが、誰もいない校舎に閉じ込められ、時計が止まった冷たい空間の中で「文化祭で自殺したのは誰か」を思い出すまでを描いたミステリ。
直木賞作家、辻村深月先生のデビュー作であり、僕はこの本の文庫版が出た頃に読んですっかりファンになってしまった。下巻では、文化祭で自殺したのは誰なのか、なぜみんなそれを忘れているのか、閉鎖空間にみんなを閉じ込めた力の正体は何なのか、といった伏線が回収される。舞台が「何でもあり」な空間なせいでミステリとしてフェアとは言えないが、青春の光と影を写し取った美しい作品だと思う。
Posted by ブクログ
校舎の中の時が止まって仲の良い友人達と閉じ込められてしまう。不気味なんだけどちょっとワクワクする感じ。でも、物語が進むにつれてどんどんシリアス、なんならちょっとホラーな感じもあって面白かった。
8人の中の誰かが亡くなったと思い込んでたから自殺したのが春子だと分かった時は驚いた。
菅原だけずっと名字しか出て来ないのに違和感を感じてたけどまさか榊が若返った姿だとは思わなかった。榊はいつになったら出てくるんだ、ってずっと思ってた。
あとはヒロとみーちゃんと菅原の関係が繋がった時鳥肌が立った。そういう事だったのかって繋がる感じがめちゃくちゃ気持ち良かった。
上下合わせて1000ページ以上あるのに読む手が止まらなくてすぐに読み終わった。
Posted by ブクログ
まず、これがデビュー作、そして高校生の頃から書いていたというのが凄い。
菅原のパートがやけに多いし掘り下げるなと思ったらなるほどね。
高校生あたりの苦悩を書かせるとさすがの辻村作品。初期からこれほどだったとは。
そして物語を収束させる力もさすが。
ヒロ君みーちゃんそう来るか。
いじめや自殺そして親子心中などという重いテーマを扱って、でも暗くなるだけではなく希望も提示してくれる。
苦悩の提示の仕方が寒さであったり閉じられた世界であったり、その様な感覚で読み手に伝えてくる。そしてそれは成功している様に感じた。
読んでいても苦しくなったもんなぁ。
長いけど読んで良かったな。
Posted by ブクログ
長かったけどちゃんと読んでよかった。これ読んどかないとすごろくの楽しさ半減しちゃうしね。 ホラー部分は普通にめっちゃ怖かったけど、子ども達は夜と遊ぶより重さはましやった。ヒロちゃんのところは辛かったなー。 でもそこから、菅原!?ヒロ!?さらにみーちゃん!?てなって辻村さんさすがすぎる。こういうの待ちで最後まで読んだとこある〜。期待裏切らず。 自殺した子は、ゆうじが校庭いる時に冷静すぎたから学級委員じゃないんちゃうかなとは思ったけど誰かはわからずだった。 学生の悩みって大変。
Posted by ブクログ
精神世界に入り込む不思議なお話でした。
途中読み進めるのが辛く怖いところもありましたが、先が気になりどんどん読めました。
菅原、榊くん、ヒロくん、とつながるところが多くて、さすが辻村深月さん、と思いました。
ご自身のペンネームの人が登場する、というのもとても新鮮でした。
榊くん、これから先も長く先生を続けてほしいです。
梨香ちゃんがまた榊くんに会えますように。
充くん、昭彦の優しさもとても沁みました。
清水さんと景子さんがどうしても混じってしまって読んで混乱していました。(人数が多い話は人を把握するのに時間がかかります)
深月ちゃんが許せますように。
Posted by ブクログ
久しぶりにデスゲーム(?)推理(?)ものを読んだ。いつも通り犯人を予想しながら読んだ。自●したのが春子なのは当てれたけど深月が閉じ込めていたのまでは当てれなかった。分裂も考えてはいたけど可能性広げすぎると根拠のある考察難しくなるから早い段階で選択肢から外していた。それと菅原=榊なのは全く予想できなかった。1番好きなのは彼で、意外と大人なところが好きだったんだけどネタバラシされてなるほどな〜といった感じ。挑戦状を突きつける系の小説だと思うけど突然出てきた設定もあるしフェアじゃないとは思った。清水と景子以外の女性陣は感情的すぎて生理的にキツイ。男連中はよく受け入れてると思う。この作品は作者の辻村深月さんが強く反映されており、彼女の色んな一面がキャラクターとなって動いているような印象を受けた。もしかするとデビュー作であることも関係しているのかも知れない。
Posted by ブクログ
星3.5です!
デビュー作にして長編作品。でも辻村深月さんの書く心情や伏線回収されていく衝撃は初期からあるものなんだと感じた。
名前探しの放課後と似た設定だけど
こちらは冷たい、ヘビー、ホラーな要素ありだった。でも登場人物が温かい。
鷹野の人柄がとても好き。あやめに負担にならないように気遣って学祭のポスターを頼むところ、リレーでわざと手を抜いたと見せかけ全力で1位にもってくところ。人として尊敬するし、あやめの言うように“本物”だ。
自殺者が分かった時は1度本を閉じたくらい衝撃でした。榊と菅原が同一人物だったのも。
さすがです。デビュー作でこれだけの大作、素晴らしい。
寒くて重くて でも温かいストーリーだった。