【感想・ネタバレ】春秋の檻 獄医立花登手控え(一)のレビュー

あらすじ

江戸小伝馬町の牢獄に勤める青年医師・立花登。居候先の叔父の家で口うるさい叔母と驕慢な娘にこき使われている登は、島送りの船を待つ囚人からの頼みに耳を貸したことから、思わぬ危機に陥った――。起倒流柔術の妙技とあざやかな推理で、獄舎に持ちこまれるさまざまな事件を解く。著者の代表的時代連作集。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

冴え渡る職人技、設定の妙が光る時代小説の連作集。
獄医で柔術の達人かつ肩身の狭い居候という設定が何より。娯楽時代小説として屈指の出来だろう。
剣術に関しても藤沢周平は稀代の作家であるが、下手に人を斬る剣の話でなく柔術を主人公の得意技にしたところが何より本書の秀でたところだろう。
4巻中の第1巻、まだまだ今後の展開が楽しみ。

0
2025年10月28日

Posted by ブクログ

牢獄に務める医師という設定も奇抜ですが、医師にして起倒流柔術使いで、牢に送り込まれてくる罪人が関わる未解決事件に首を突っ込んだりと、職務逸脱ぶりも江戸時代だからありそうな感じでなかなかにおもしろい。下宿先の叔父のやんちゃな娘との関係も気になりつつ、エンターテイメントに徹した第2集に続く。

0
2017年11月06日

Posted by ブクログ

主人公の立花登は、江戸小伝馬町の牢獄に勤める青年医師。
柔術の達人でもある。

居候先の叔父夫婦の一人娘おちえは、現代風のバカ娘。

主人公とおちえの今後の展開に目が離せない。

0
2017年09月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

獄医立花登手控えシリーズ第1巻・全四部作の市井物連作短編。NHKでドラマ化され主人公立花登に中井貴一がドラマデビューし、相手役従姉妹の小牧ちえ役に、当時ミノルタカメラのテレビCMで大反響となった女子大生タレントの宮崎美子が演じている。江戸小伝馬町の牢獄に勤める青年医師・立花登。居候先の叔父の家で口うるさい叔母と驕慢な娘にこき使われている登は、島送りの船を待つ囚人からの頼みに耳を貸したことから、思わぬ危機に陥った。起倒流柔術の妙技とあざやかな推理で、獄舎に持ちこまれるさまざまな事件を解く。全巻購入分

0
2013年11月11日

Posted by ブクログ

牢医として獄に繋がれたものの生き様をみたり、一青年として将来をふと考えたり…その時代に、立花登、その人が本当にいたかのような描写にひきこまれる。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

昔、ドラマもやっていたそうなので見てみたいな。
今回の主人公は医学を志す者であり、柔の達人でもある。

江戸の医療、どんなものだったのだろう。
そして牢獄という特殊な環境を舞台にしながらも、人情や駆け引きなど、盛り沢山で面白い。
どの話も一話完結だけれど、次へ次へと読み進んでしまいました。

0
2023年10月14日

Posted by ブクログ

「獄医立花登手控えシリーズ」全四巻の最初の作品です。
医者になる夢を叶えるべく江戸に出た主人公の立花登を迎えたのは、はやらない町医者の叔父と、口うるさい叔母、驕慢な娘ちえ。叔父宅の居候として代診や小伝馬町の牢医者の仕事にこき使われる登は、一方で起倒流柔術・鴨井道場の高弟でもある。
小伝馬町の牢を起点にした様々な事件を解決する捕物要素に加え、柔道の名手としてのアクション要素、全体としては青年医師・登の成長物語であり、また従姉妹のちえとの恋愛模様も有り、色んな要素を含むエンタメ系連作短編です。
これらは『小説現代』に1979年1月号から1983年2月号まで連載され、連載中の1982年からはNHKにより中井貴一主演で全23話のテレビドラマ化されました。そもそも最初からTVドラマ化を視野に入れながら書かれた作品なのかもしれません。

どうしても山本周五郎の『赤ひげ診療譚』を並べてしまいます。どちらも江戸の町医者を描いた連作短編で、主人公が立花登で舞台が小伝馬町牢屋敷の本作と保本登が主人公で小石川養生所を舞台にした『赤ひげ診療譚』。どちらもサスペンス仕立ての連作短編という事も有り、何度かドラマ化されているのも共通点です。
しかし、時に人間の本質に迫るような『赤ひげ診療譚』と比べ、本作は(やや苦みは多いものの)ずっと娯楽色の濃い作品です。1980年前半は藤沢周平にエンタメに走った数年間でした。

0
2020年10月04日

Posted by ブクログ

この医者無敵か!?と思うくらい、柔術が強い…
やり切れない、なんでこの人がこんな目に…みたいな話が多いけれど、登場人物たちが魅力的で、軽快に読める。

0
2020年03月31日

Posted by ブクログ

立花登は、一介の獄医(アルバイト)でありながら、手練の柔術を活かし、素人には決して踏み入れないような危ない話に、どんどん絡んでいく。ちょっと不思議な設定。

0
2018年10月14日

Posted by ブクログ

主人公立花登が柔術の達人であり
獄医と言うのが中々面白い。
藤沢周平の人情や切なさがありつつ
も主人公、立花登のこれからの成長
が楽しみ。

0
2017年02月19日

Posted by ブクログ

5月からNHK BSで溝端淳平主演でドラマ化されるものの原作シリーズの1作目。82年にも中井貴一主演でやはりNHKでドラマ化されたが、それは知らない。まあさすがに藤沢周平。しっかりと読ませてくれます。溝端君似合ってそう。柔道もするのだろうか?

0
2016年04月09日

Posted by ブクログ

流石です。獄医の立花登は、江戸には、幼少期から秀才で名を馳せ、故郷の誇りを背負って医師として働く叔父を頼りにやってきた。叔父が江戸ではダメダメだったので、登が代わりを引き受ける。面白くって一晩で読破。すぐに次に行く。甘くない江戸物。登は柔術の使い手。

0
2015年05月27日

Posted by ブクログ

娑婆と牢内、二つの世界を行き来する主人公と、牢につながれた人々のそれぞれの物語を描く連作短編集。どこか幸せになりきれない話も多いけど、これでよかった、世の中こんなものなのかもしれない、と思わせる。

0
2011年09月04日

Posted by ブクログ

主人公の獄医・立花登と、その居候先の娘・おちえとの仲が次第にニヤニヤした感じになっていくところが良い。初めは心底嫌っていたくせに気付けば…。

登場人物の成長に一喜一憂できるのは長編の魅力。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

内容(「BOOK」データベースより)

江戸小伝馬町の牢獄に勤める青年医師・立花登。居候先の叔父の家で口うるさい叔母と驕慢な娘にこき使われている登は、島送りの船を待つ囚人からの頼みに耳を貸したことから、思わぬ危機に陥った―。起倒流柔術の妙技とあざやかな推理で、獄舎に持ちこまれるさまざまな事件を解く。著者の代表的時代連作集。

0
2016年07月14日

Posted by ブクログ

江戸小伝馬町の牢獄に勤める青年医師・立花登。居候先の叔父の家で口うるさい叔母と驕慢な娘にこき使われている登は、島送りの船を待つ囚人からの頼みに耳を貸したことから、思わぬ危機に陥った――。起倒流柔術の妙技とあざやかな推理で、獄舎に持ちこまれるさまざまな事件を解く。著者の代表的時代連作集。

0
2016年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

立花登は町医者である叔父の元に居候しているが、怠け者の叔父の代わりに代診だけではく獄医の仕事まで押し付けられてしまった。まだ若い登は罪人達の言葉を聞き流すことが出来ず…。「雨上がり」「善人長屋」「女牢」「返り花」「風の道」「落ち葉降る」「牢破り」の八編からなる短編集。

やわらの達人である登が格闘するシーンが熱い。でも、藤沢周平の書く獄医の話!おもしろそう!と読む前からの期待が大きすぎたのか、あまり印象に残りませんでした。読者を江戸の世界に引き込む巧さはさすがの一言。2巻以降の展開に期待します。

0
2012年08月27日

Posted by ブクログ

小説にもペース配分が必要。短編なら完全試合も狙えるが中編になると難しい。初回からのバッタバッタの三振奪取の挙句、後半完全にバテてしまった『遠い海から来たCoo』、余りにも感傷的な滑り出しの為、失速に気付かぬ裡に読み終わっていた『さらば甘き口づけ』。さて、本作であるが短編の名手 藤沢周平にしては至って平凡な出だし。世評に高い作品なのに何故?と思いつつ読み進めると、いつもとは違いゆっくりと江戸の町に引き込まれてゆく。そう言えば短編は短編でも、四巻本を成す連作集。ゆったりとした完投ペースで先ずは一巻目が終わる。

0
2012年02月11日

Posted by ブクログ

全4巻。
シリーズ物。
獄医立花登手控え(四)まである。

NHKで中井貴一がドラマデビューした作品の原作らしい。
中井貴一まだ大学生。
若い。

それなりの野心もって田舎から出てきた主人公が
牢獄の医者のバイトみたいなのやりながら
いろんな事件に関わっていく、
青春終わりめな年代の青春小説な感じ。


なんか、普通。

用心棒シリーズみたいな勢いは無く、
市井ものみたいに暗くもなく、
なんだかニュートラルな印象。

主人公も、
柔術強かったりってちょっと面白い設定なんだけど、
ヒーローじゃなくてとても普通。
それなりに野心もって上京してきたのに、
日々の暮らしで少しずつ諦観していって
これはこれでいっかみたいになってく感じとか、
凄くリアルに普通だなあと思った。

登場人物も家族とかはアクが強くて魅力的なキャラなんだけど、
忘れられてくキャラとかもいるし、
シリーズ通して1本って見ると
物足りない感じがある。


でもきっと
この普通が描きたかったんかなとも思った。


最終話は爽やかでなんかぐっときた。

0
2011年09月26日

Posted by ブクログ

獄医 立花登が牢獄を舞台とした様々な謎を解いてゆく時代小説。全四冊からなる連作。

藤沢作品の連作もこれが最後ではないかというぐらい読み進んできてしまった。残りの作品をしっかりと読んでゆこうと思う。

武家ものと市井ものの丁度中間のような作品となっているので武家、市井ものが苦手な人も読むことができる

立花登がこの先、大人になってゆく過程が楽しみな作品。

0
2011年08月31日

Posted by ブクログ

医者である叔父の家に居候する、下級藩士の次男坊であり柔術の使い手でもあり、獄医を勤める主人公という設定。囚人の悩みや相談を自身の善悪の概念と葛藤しながらも巧みに解決していく様に、単純な勧善懲悪モノという線引きを安易に許さない人情味も感じたり。

0
2009年10月04日

「歴史・時代」ランキング