あらすじ
フェイスブックの若き天才CEO、マーク・ザッカーバーグ。彼が掲げる「フェイスブックで世界をもっとオープンな場所にする!」という揺るぎないビジョンと魅力に、ハーバード大の仲間やシリコンバレーの起業家、ベンチャーキャピタル、大企業の経営者たちが次々と吸い寄せられる。プログラマーはザッカーバーグとともに徹夜でサービスをつくり、ナップスター創業者のション・パーカーは入社し、マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOやヤフーはどうにかして買収しようと、躍起になる・・・。26歳の天才CEOの成功と苦悩、そして野望を生き生きと描き出す、ベテランジャーナリストの徹底取材による至極のノンフィクション。
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Posted by ブクログ
facebook の成り立ちから破竹の勢いで成長していく過程、そしてマーク・ザッカーバーグの考えなどが見れて面白かった。前半半分は面白くてどんどん読み進めれるが、後半半分は似たような話の繰り返しで大分だれてきたので蛇足に感じた。調べた情報を全部詰め込んでいるように見えたので後半部分はもう少しコンパクトにして欲しかった。
全ページを通じて見えるザッカーバーグのお金のためにやってるんじゃないんだという姿勢、世の中をオープンにつなげるという強い信念に感銘をうけた。
その他メモ:
* 今では受け入れられている facebook の news feed 機能でさえリリース時は大反発があった。ストーカー機能だと大批判をうけた p.276
* ヤフーにも売却しかけたことがあったこと
* fb の写真投稿機能は高解像度のものを保存していない。機能も貧弱、それなのに断トツ一番の写真共有サイトになっている p.315
追記 2016.05.05:
Facebook初期の頃が非常によく分かる。スタートアップがどうすれば成功するのか、ほんの少しかもしれないが確実に参考になる部分がある。初心も思い出させてくれる。星4から5に変更。
facebook以前に色んなソーシャルネットワークがあったことの記述も面白い。sixdegreesはossもなくオラクルに巨額の使用料を払ったりインターネットが電話回線であるなどタイミングが早すぎた。フレンドスターはサービスのスケールアップが追いつかず表示するのに20秒もかかったのが敗因であったなど。
Posted by ブクログ
スタートアップのすべてがつまった本。アメリカでは、所有と経営が分離している、というのが良くわかる。投資の面では、5章のアクセル、ワシントンポストからの資金調達の攻防は、臨場感がありすぎて面白すぎる。
ザッカーバーグ自身がどんどんCEOとして成長していく姿が、下手なノンフィクションよりも面白すぎるし、FB自体も、写真機能・タイムライン・大学以外への開放と爆発的にサービスが拡大していく姿もネットビジネスの成功物語として面白すぎる。そのすべてにおいて、ザッカーバーグの強固な意志があるところがすごい。数千億の買収提案が来たら、普通売却してしまうだろう。
しかもそれが、本当に売却寸前までいっても、ギリギリで状況が変わって売ることにならなかったり、あまりにドラマチック。ザッカーバーグの意思もさることながら、ピーターシールの資金提供やショーンパーカーとの出会い、アクセルからの資金調達、ヤフーへの売却寸前で株価下落による提案価格の減額、など、偶然に偶然が重なり、そのどれ一つが欠けても、いまのFBがなかったと思うと、あまりにできすぎたストーリー。何度もあった買収提案のどこかでザッカーバーグが会社を売っていたら、当然いまのFBはなかっただろう。
タイミング的に仕方ないと思うけど、サンドバーグのあたりからは駆け足な記載で一気にドラマ性が縮小している、実際にはこのあとGSから5兆の評価での調達、上場もして、InstaやWhatsupの買収やボットの導入、HRへの進出など、さらにドラマチックな展開が続くと思うので、ぜひ、いつか続編が出されることを期待しています。
p53 「われわれは世界を変えるんだ」「フェイスブックは世界をもっとオープンな場所にできる」
p83 シリコンバレー企業の大部分(実はアメリカ企業の大部分)にとって、デラウェア州の会社法が会社設立に有利だったからだ。
p150 ぼくは、シリコンバレーでみんながやっているゲームには加わりたくなかった。VCの資金を導入する、プロの経営者を雇う、大急ぎで株式を上場するか会社を売る、というやつ
p157 バイアコムはFBを7500万ドルで買収したいと提案。ザッカーバーグがこの申し出をうければ、3,500万ドルをポケットにいれることができた。
p209 「人々を理解できるようになることは暇つぶしではない」「FBの最終目的は人々が自分の置かれた世界をよりよく理解するための手助けになることだ」
p239 「あなたはCEOのレッスンを受けなきゃダメよ。そうでないと絶対うまくいかないわ」「やっと本気でぼくにハナシをしてくれる気になったようだね」
その後数週間の間に、リードはザッカーバーグがはっきりと変わったのに気付いた。
p242 アンドリーセン「働かない人間がいたら、ためらわず更迭するのはCEOの仕事だ」「急成長中の会社が常に正しい人材だけを雇うのは不可能だ。選択を間違えることは必ずある。その場合はすぐに処置するのが最善の策だ」
p246 「今ぼくのアパートを見ただろ。金は要らないんだ。どっちにしても、これから一生かけても、FBみたいな良いアイデアは二度と思いつけないだろう」
p249 「グーグルが早まって会社を売らなかったのは頭がいい。今どれほど繁盛しているか見ろよ」
p255 「広告は常にユーザーにとって役に立つものでなければならない」「われわれはユーザにとって付加価値がないような広告で金を稼ぐべきではない」
p271 ヤフーの株価は1日で22%も下落した。攻めるは提示額を8.5億に下げ、交渉が終わることを覚悟。ザッカーバーグは期限よく数メートル先のモスコヴィッツの席にへ行き、大きくハイタッチをした。
p288 「こんなこというと心配するかもしれないが」「僕は、しごとを通じて学んでいるんだ」
p290 「2種類のアイデンティティーを持つことは、不誠実さの見本だ」「現代社会の透明性は、ひとりがふたりふたつのアイデンティティーを持つことは許さない」「オープン性の高いところまで人々をもっていくこと-それは大きな挑戦だ」「多くのことを共有するほうが世界が良くなるという考え方は、多くの人にとってかなり異質なもので、あらゆるプライバシー問題にぶつかる」
p306 「FBは世界の流れに逆らうべきではない、さもないと時代遅れになってしまう」
p311 自分のデータをどこまでFBで公開するかに注意を払うのは当然だ。私の場合は、単純な「フロントページルール」を守ることにしている。自分の大部分を見せることに抵抗はないので、PFには詳細で正確な情報を載せる。しかし、もし地元の新聞の一面に載ったらショックを受けるようなことは絶対に書かないようにしている。
P350 「150億ドルで買ってしまうというのはどうだろうか」「私がコントロールできない限り、会社を売るつもりはありません」
P358 購入した転換可能優先株式には「1倍非参加残余財産優先分配権」と呼ばれるものがあり、これはもしFBが完全買収された場合、MSは実際の現金支出分2.4億ドルまたは、買収価格の1.6%の大きい金額を取り戻すせることを意味する
しかし、今後の投資ラウンドが低い評価額で行われることを阻止する効果はない
p359 「ピーターが今がその時だと教えてくれた」「『資金を調達するなら今がいいよ』という感じに」