あらすじ
富む日本、惑う警察。
この国は、守る価値があるのか――。
1970年。大阪万博を控え、高度経済成長で沸き立つ日本。捜査一課と公安一課を対立させたある事件以降、袂を分かった刑事の高峰と公安の海老沢は、それぞれ理事官に出世し、国と市民を守ってきた。だが、かつてふたりの親友だった週刊誌編集長の息子の自殺をきっかけに、再び互いの線が交わっていく。単なる自殺と思われたが、独自に調べを進めるうち、日本全土を揺るがすスキャンダルの存在が、徐々に明るみに出る。尊重すべきは国家なのか、それとも名もなき個人なのか。「警察の正義」を巡り、苦悩してきた高峰と海老沢の答えは――。
戦後警察の光と闇を炙り出す一大叙事詩、待望の第三幕!
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Posted by ブクログ
時間が経とうと解決しない問題を抱えたまま
友、小島の息子の自殺の真相を突き止めるために
動き始める高峰と海老沢
2作目、動乱の刑事の終わり方はあれで良かったんだと思えた
自殺の理由は
汚職に関わったという自責、汚職を隠蔽するための自殺教祖によるもの
希望を抱いて飛び込んだ少年に待っていたのが汚い大人たちの世界
学生を終えたばかりの若者にはどれ程のギャップを与えたのだろうか
個人を守るために捜査する高峰と
守るべき国を正すために捜査する海老沢の
刑事であることよりも
もっと根本にある人間的な感情が溢れた言動が彼ららしかった
守るものは相容れないが
信じるものは互いだったのだろう
ストーリーに交えて描かれる彼らの家庭
それぞれの場所で理事官に就き、家庭を持ち、父親となりシリーズ最終作のファイナルステージ
自身の道を信じる高峰と
まだ探し迷いを見せる海老沢
それぞれの息子にかける言葉に『自分』がよく描かれている
どう受け取ったのか自作からの次世代のステージに期待