あらすじ
有人火星探査が開始されて3度目のミッションは、猛烈な砂嵐によりわずか6日目にして中止を余儀なくされた。だが、不運はそれだけで終わらない。火星を離脱する寸前、折れたアンテナがクルーのマーク・ワトニーを直撃、彼は砂嵐のなかへと姿を消した。ところが――。奇跡的にマークは生きていた!? 不毛の惑星に一人残された彼は限られた食料・物資、自らの技術・知識を駆使して生き延びていく。映画「オデッセイ」原作。
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Posted by ブクログ
大大大ピンチなのに、マークめっちゃいいヤツだし文体が軽妙だしで全く悲観的じゃない。
置いて行かれて絶望的なのに、時に悪態をつきながらもこんなに前向き。この状況をこんなにワクワク読めるなんて!
「火星の人」はさらに地球側の大健闘もアツい。思ったより早く地球側もマークの生存に気づくのですが、私もミンディと一緒に「あああ…」(行きてるじゃん!!)の気分を味わえた。ここ最高。
一気に下巻へ!
Posted by ブクログ
主人公のキャラがすごい好き。常に前向きだから
言葉遣いとかほんとに楽しい人だなって思う。
あと一人残された状態でも希望を捨てないのはすごいなと思う。じゃがいも育てることできてこれ行けるか??って思った時にエアロックが破裂、、絶望感凄かった
にしても打ち上げ失敗しちゃったな〜これからどうなるんだろ
Posted by ブクログ
主人公ワトニーの日記形式で話が進み、ちょっと飽きてきたころにNASAが衛星画像でワトニーの生存を知り、公表されて世界中が大騒ぎになるところから一気に面白くなった。
ヘイル・メアリー同様、トラブルに対応する知識、情報量が多く、組織のなかで個性的なメンバーがそれぞれの役割を果たしながら、大きな計画を動かして行く流れが上手いと思う。下っ端のミンディの呼び出しにヴェンカトが応じて話を聞くところと、計画途中のプロジェクトから部品を横取りしてロケットを急造して打ち上げる話が良かった。
世界中が注目するなか、威信をかけてワトニー救出計画を進めるNASAの緊迫した様子と、脳天気なワトニーとの温度差が面白いものの、ワトニーの寒いジョークがノイズになって主人公がイマイチ好きになれなかった。寒いだけならまだしも、お前らの母親は娼婦だは主人公の言葉とは思えないし、出版社はよく許したなと思う。
「あらすじ覚え書き」※ネタバレあり
火星に人間を送り込んで調査、実験を行うアレス計画。その3回目のミッションで火星探査に訪れたアレス3のクルー達だが、突然の砂嵐でMAV(火星上昇機)転倒のおそれが出てきたため、ルイス船長は地球への帰還を決定する。MAVへ向かう途中、折れたアンテナにスーツを貫かれた植物学者ワトニーが行方不明となる。
運良く生き延びたワトニーだが、他のクルーはすでに火星を去ったあとだった。アレス4のクルーがやってくる4年後まで生存できれば救助の可能性があるが、ハブ(居住施設)にはクルーが50日過ごすための食料しか残されていない。ワトニーは残されたもので土や水を作り、ハブの内部でジャガイモを育て始める。
ローバー(探査車)で旅に出たワトニーは、1997年の火星探査計画で通信途絶した着陸機パスファインダーを掘り起こして修理する。NASAとの通信を回復させ、衛星画像によって自分の生存が世界中に知られていること、自分の救出プロジェクトが進んでいることなどを知る。火星の食料はアレス4の到着までもたない。ワトニーの元にある食料は462日分。物資を乗せたMDV(火星降下機)が火星に到着するには414日かかる。NASAは計画途中のブースターを転用してMDVを打ち上げるが、予期せぬトラブルによりロケットは墜落してしまう。
Posted by ブクログ
軽口を叩くが堅実的なワトニー
ストーリーを読んでいくだけで、ワトニーの説く教訓を実感できるような自己啓発味もあるSF
・一つずつやっていく
・計測と計算が大切
・要所を真面目にする事で得られる信頼
要所をうまく扱える点において処世力があると個人的いは嫌味ったらしくも感じてしまった
だがアクシデントに次ぐアクシデントで、本人の日記という形式もあって臨場感は抜群だ
Posted by ブクログ
面白い。
プロジェクトヘイルメアリーが面白かったので、楽しみにしていた本。
一人だけ火星に残され、いつ命を失ってもおかしくない状況なのに、希望を捨てず、チャレンジ続けるところはすごい。
明るく前向きなのも私の好み。
地球と通信でき、涙を流すシーンは印象深かった。
Posted by ブクログ
著者:アンディ・ウィアー 原題:The Martian
発売日:アメリカ:2011年(日本:2014年)
ジャンル:SF
2011年アメリカ(2014年日本)発売のアンディ・ウィアーによるSF小説。
2015年にはリドリー・スコット監督、マット・デイモン主演『オデッセイ』として映画化され世界中で大ヒットしています。
火星探査ミッションに参加した植物学者のマーク・ワトニーは、嵐によってチームとはぐれ、火星に一人取り残されてしまいます。彼は限られた資源と自身の知識を駆使して、地球との交信を試みながら、次の探査隊が到着するまで生き延びようとします。
一方、NASAは彼の生存を確認し、救出作戦を開始します。
刻々と変化する状況、予期せぬトラブル、そして地球との交信など、緊張感あふれる展開が続く中、物理学、化学、工学などの知識を総動員し、創意工夫しながら現実的に火星で生き残ろうとする彼の姿にハラハラし感動しました。そして絶望的な状況下でもマーク・ワトニーの決してユーモアを忘れない姿勢はとても魅力的で、世界の人たちが一丸となって見守るなか、僕もそのひとりとして応援しました。
Posted by ブクログ
先にプロジェクトヘイルメアリーを読んでしまったのでどうしても比べちゃう。
こっちもめちゃくちゃ面白いんだけど、理科よくわからない人間としてはプロジェクトヘイルメアリー以上に状況が想像しにくい。でも主人公のジョーク言うところとか、フフッと笑えるところは好きなのでとりあえず上巻はすらすら読めた!
次下巻!てかなんてところで終わらせるんだ!
Posted by ブクログ
著者アンディウィアーの『プロジェクト・ヘイルメアリー』では、地球との交信はなかったと記憶しており、本作『火星の人』でもワトニーが1人で日記を書き続けるのだろうと思っていた。
だからこそ、NASAがワトニーが生きていることを発見し、通信できたことが衝撃だった。あぁ、そのパターンもあるのかと、驚いた。
下巻への繋げ方も上手い。ワトニー救出のためのロケットは失敗に終わってしまい、落胆しているところにワトニーからこんな連絡が入ってくる。
「ワトニー:打ち上げはどうでした?」
Posted by ブクログ
『火星の人』上/下
映画『オデッセイ』は公開された時に映画館で観ていました。その時から原作も読んでみたいなと思っていて、漸く読むことができました。
細かいところを除き、基本的には映画は原作に忠実に創られていますね。
予期せぬ事故で、たった一人火星に残された宇宙飛行士が残りの食料と機材で救助されるまで、必死のサバイバルに挑むお話し。
たった一人で光でも何分も掛かる遠い惑星、しかも水も空気も食料も外にはない、に取り残されて、それで知力と体力の限りを尽くして生き抜く。その様を宇宙飛行士が書いた日々の日誌形式で表現しています。
あんな状況におかれて、希望を捨てずにあのユーモア溢れる日誌を書けるのか?まあ、自分には無理だろうなと思います。宇宙飛行士って、そんなに精神力が強くないといかんのかという気がします。
ところで、、、
映画を観た時から、ちょっと気になるのは通信のところです。
基地のパラボラアンテナが壊れたなら、通信装置自体が壊れた訳ではないのだから、代わりのアンテナを工夫すれば、地球もしくは火星を回る衛星と通信を回復できるだろうという気がします。
地球と直接の交信は距離があって難しい?でも火星は地球から見える訳だし、地球には電波望遠鏡みたいな大きなアンテナもあります。それに火星を回る衛星との交信は携帯電話程度の小電力と小さいアンテナでできるはずですよね。
あと、パスファインダーで初めて通信する時も、カメラ回して意思疎通より、初めからモールスだろうと、アマチュア無線が趣味でモールスやってる私は思いました。
元がウェブ小説だったとのことですが、この日誌形式での物語はウェブに連載するには非常に有効な方法だなと感じました。
Posted by ブクログ
8年以上積読してようやく読んだ。
自分以外のクルーは火星から先に帰還して、一人だけ取りされた宇宙飛行士が火星で生き延びられるのか、地球には帰れるのかという話。(どうせ生き延びられるし、帰れるに決まっている)
マークだけがなぜ帰れなかったのか、帰還船の船長はなぜマークを残して帰還するという決断をしたのかといったあたりの細かい部分まで不自然な点がないようにシナリオが練り込まれているのはすごいと思った。科学的な考証も綿密になされているようである(たぶん)。
文章だけでは状況がイメージしきれない場面が結構あるのと、マークのセリフにジョークが多すぎるのがマイナス点。どちらもアルテミスやヘイル・メアリーでも同じなので著者の個性としてあきらめるしかない。図解があったりもっとハードな内容だったりしたらなおよいのになと思ったりはする。
火星に取り残された以上、計画よりもはるかに長く滞在しなければならないので、酸素、水、食料の確保が問題になる。そこは持ち前の楽天主義、植物学者としての能力、創意工夫によってなんとか解決していく。困難を乗り越える必要があったり、たびたびトラブルに見舞われたりするが、なんとか解決する。どうせ解決するのだろう思って読んでいるので、残念ながらハラハラしたりはしない。どのように解決するのかは一応興味深く見守る。
上巻の前半はマークが火星での生活を確立し、地球との交信を復旧させるまでで、マークの日記のようなもので構成される。地球との交信ができるようになってからは、NASAの人々によるマーク救出計画が主体となりマークはあまり出てこなくなる。一足先に地球に向かう他のクルーは途中までマークは死んだものと思っていてほとんど登場しない。
一時はあとは救出船が来るのを待つだけという状態にまでなったが、再びトラブルが起こり、地球からの食料補給も失敗し、このままでは飢え死には免れない、となったところで上巻が終わる。