あらすじ
24歳、ブラック企業勤務。身も心も疲れ果てていた紀久子が深夜のファミレスで出会ったのは、外島李多と名乗る女性だった。彼女は「川原崎花店」という花屋さんを駅前で営んでいるらしく、酔っぱらった勢いで働くことに。 やたらカレー作りがうまい青年や、おしゃべり好きの元教師、全体的に適当な李多。バラエティに富んだ従業員と色とりどりのお花に囲まれながら、徐々に花屋さんの仕事に慣れていくが――
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花屋に立ち寄りたくなる
今年、栄東中、本郷中、田園調布学園中の入試に出題された本。花屋さんの話ってあまり興味がなかったのだけど、読み始めたら面白いのなんのって。花びらと思っている所は実はガクだったり、節句の話や花言葉、和歌や俳句など花にまつわる様々な蘊蓄を交えながら心温まるストーリーが紡がれていく。ブラック企業を辞めて花屋のバイトを始めた主人公が、花を通して仕事の楽しさや自分の生き甲斐を見出していく。花屋を取り巻く様々な人たちによって人情溢れる人間関係の輪が広がっていく。そして、恋も。なんと幽霊までも。「満天星」読めないよ~。
Posted by ブクログ
【収録作品】
Ⅰ 泰山木
Ⅱ 向日葵
Ⅲ 菊
Ⅳ クリスマスローズ
Ⅴ ミモザ
Ⅵ 桜
Ⅶ スズラン
Ⅷ カーネーション
紀久子は美大を出たものの目指すグラフィックデザイナにはなれず、ブラック企業に勤める。しかし、仕事のハードさに加えてセクハラ、パワハラがひどいため辞職。偶然出会った店長の李多にスカウトされて花屋でバイトを始める。そこで地元の人々とさまざまな縁が繋がっていき、ショップカードをきっかけにデザインの注文も入るようになる。
前向きになれるお仕事小説。
パワフルで愛らしく、格好いい女性たちがたくさん出てくる。半面、男性陣は、何人かを除き、セクハラ上司、男尊女卑のパワハラ野郎、結婚詐欺師に、時代錯誤の旧弊な父親、とろくでもない典型例ばかりなのがなんとも。