あらすじ
これは、あなたを魂ごと持っていく物語。
姉・貴子は、矢田のおばちゃんの遺言を受け取り、海外放浪の旅に出る。一方、公私ともに順風満帆だった歩は、三十歳を過ぎ、あることを機に屈託を抱えていく。
そんな時、ある芸人の取材で、思わぬ人物と再会する。懐かしい人物との旧交を温めた歩は、彼の来し方を聞いた。
ある日放浪を続ける姉から一通のメールが届く。ついに帰国するという。しかもビッグニュースを伴って。歩と母の前に現れた姉は美しかった。反対に、歩にはよくないことが起こり続ける。大きなダメージを受けた歩だったが、衝動に駆られ、ある行動を起こすことになる。
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Posted by ブクログ
自分が本当に信じてることってなんだろう?自分が何が支えになってここまで生きて来れるようになったんだろう?とかそんなことを考えたりもした。自分の事で照らし合わせれば、新入社員からずっと営業をしてて、『本当にこれでおじいちゃんになって退職してもいいのだろうか?』と考えることが多く、副業したりとか転職したいとか思って行動したりとか色んなことをしてきた。でもそれってサラバ!を読んだら姉がずっと探してた何か『化け物』?なのかもとか思ったりもした。自分自身に正直に心動かされるもの、それが自分が本当に信じれることなのかもなと思った。あとサラバってどんな意味なのかを考えた時に化け物になれない自分にサラバって意味もあるし、なんか自分自身に馴染んでるものの親しみもある意味にも感じた。ヤコブとの楽しい日々は自分に正直になれた時でそれに対して親しみを持つという感覚もありーので色んな解釈が自分の中になった。姉は奇行を繰り返してた描写が多かったが、自分探しの旅の延長で常に正直に生きてきたのだと思うし、自分はそれができてるのかと思う。出来てるか出来てないから将来の自分が決めることなのだと思うけど、今を精一杯楽しんで生きてくことに価値がある、そんな気がした。
Posted by ブクログ
なんだか胸にずっしりときました。
考えさせられるテーマが、自分の中での気付きが山のようにあって。とても良い作品に出会えたなと思いました。またすぐ読み返しそう。
上、中巻でうまいこと世渡りできていた主人公。年齢を重ね老いへ向かう、30代半ば。自分の人生を振り返って、何を得たのだろうかと考え、苦しみ、友人を妬み家族を恨むようになる。心理描写がとてもリアルで、歩だってそこまで悪い人間じゃないのにと、同世代の私は読んでいて苦しくなりました。姉の言葉に耳を傾ける事ができた歩は立派だと思いました。
個人的に、上、中巻で気になってた両親の離婚の謎や、どうしてるかなと思い巡らせてた友人たちのその後が描かれていたのがスッキリして嬉しかったです。現実ではきっと難しいけど、それはきっと小説の醍醐味。
そしてやはり「何を信じるか」について読者への深い問いかけと、それがいかに人間の力になり人生を左右しうるか、強く訴えるものがありました。
「サラバ」の締めくくり、とても素敵でしたね。読み終えてもまだ世界観に浸っていたいな、ナイル川の情景が目に浮かぶようです。
Posted by ブクログ
上中下の3部作、歩の37歳までの物語。
1人の人生を覗き見た感覚。読み終わった時の余韻は他の作品では味わえない。
37歳までの人生を歩目線で描くからこそ人生の紆余曲折が描かれる。
読者のその時の置かれている環境、年齢などによって同じ読者でも感じることが違う気がする。
自分が人生に迷った時にまた戻って来たい。
正直、この作品の凄さを上手く言語化できる気がしないけど、なんかすごい。
自叙伝の形で進む本作、なぜそのような文体なのかは最後に回収?されなるほどなとなる。
「自分の人生において何を信じるのか?」それが今作のテーマ。
この本の中で信じるものの正解は明確に描かれてはおらず、それぞれの登場人物なりの答えは描かれている。
最後に読者へ「信じるものは自分で見つけなあかん」と提示されている。
僕は今26歳。作中の「ある日気づいたら、僕は30歳になっていた」という一文に妙に喰らってしまった。
このまま生きていたら歩と同じことを思う気がする。
そんなことを思いここ数年は毎日日記を書くことにしている。
そして、3月に新卒で入った会社を辞め4月から転職。
3月までの会社で感じたことを改めて文章に残しておこうかなとここ半月思っていたがなかなか取り掛かれずにいた。
歩の最後の自分の人生を小説にして、これまで生きて来た自分の人生の時間を肯定し信じるという選択に今の自分を重ね、このタイミングでこの本を読んだことに意味を感じてしまった。
だからこそやはり自分の直感を信じ、前職で感じたことを文章にしたいと思った。
その期間の自分を肯定するために、未来の自分を助けるために。
Posted by ブクログ
怒濤の下巻。
家族に振り回される美しい男の子の自叙伝のようなものと思って読んでいたのにまさか。
「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」
ちょっと凄すぎて感想がまとまりません。
Posted by ブクログ
後半から気持ちが揺さぶられてばかりいた。
姉からの 「ずっと揺れている」「芯がない」「芯を持ちなさい」の言葉。
まるで自分に言われているようで、苦しかった。
唯一の居場所だと思っていた須玖と鴻上と自分の3人の世界も、打ち砕かれた。2人の告白の前に私も動悸がした。
本当は鴻上が好きだった。
自分が好きなものを恥じていた。
自分を信じていなかった。
そんな自分が嫌いだった。
大嫌いだった。
ここの描写に天を仰いで泣いた。
刺さった。言葉が槍みたいに身体中にグサグサと突き刺さったのを感じた。
カイロへ再び降り立った際、ヤコブと再会した。しかし、ヤコブとの間に大きな隔たりがあることを思う。でも、魔法の言葉、サラバとまた出会う。
そして歩は気づく。
サラバがあれば大丈夫。
私にとって信じられるもの、すくいぬし、サラバは夫だ。間違いない。この小説を読みながらそう感じたし、私は夫に出会った時も私を救ってくれた人だと思ったものだった(今思い出した!)。
夫を、家族を大切にしたい。
そう思う私を信じたい。
この小説に出会えて本当によかった。
大切なことに気付かされた。
稚拙な言葉でしか言い表せなくて申し訳ないけど、本当にそう思う。
そしてまたいつか読み返したい。
自分ことが嫌いな私だから、また自分が嫌いになりそうな時に読み返したい。
Posted by ブクログ
中と下はあっという間に読んだ。
歩の考え方、見られ方や他者意識だったりどこか冷静に取り繕っている性格は自分に似たものを感じた、歩ほどモテないし歩ほど壮大な人生を送ってはないけれど。
その点歩が行き着いた自分の信じるものを見つけられるのか、とてつもなく不安に感じた。
最後に上中で登場した人物をちゃんと下で回収してくれてスッキリ読み終えられた。
もともと読書はほとんどしないし西加奈子さんは初めて読んだが表現にとても心地よさを感じたし、本当に歩が須玖がヤコブがどこかで生きてると思うような気さえした。