あらすじ
連邦政府が無力化し資本家によるフランチャイズ国家が国土を分割統治する一方、オンライン上に仮想世界「メタヴァース」が築かれた近未来のアメリカ。アヴァター技術を開発した凄腕ハッカーにして、マフィアが経営する高速デリバリーピザの〈配達人〉ヒロ・プロタゴニストはある日、メタヴァースで出会った男に「スノウ・クラッシュ」なる謎のドラッグを手渡されるが……。本書が未来を書き換え、SFは現実と接続された。
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Posted by ブクログ
連邦政府が機能不全に陥り、巨大企業が支配する近未来。主人公であるハッカーのヒロは、仮想空間「メタバース」を舞台に、謎のドラッグ「スノウ・クラッシュ」を追う。
本作のポイントは、仮想空間と現実世界の境目が曖昧になった世界観だ。 ヒロがメタバースを駆け巡る姿は、まるで私たち自身がその世界に足を踏み入れたかのような臨場感がある。
一方で、物語は多岐にわたる要素を盛り込み過ぎており、散漫な印象を受けた。 さらに中盤以降はさまざまな事件が同時進行し、どう収束に向かうのか、読んでいて物語に始終振り回された感もあった。
また、終盤の宗教に関するテーマは、少し重苦しい感じもあった。しかし、このテーマが物語に深みを与えていることも事実だ。これらの要素が物語全体にどのような影響を与えるのか、ページをめくる手を止めさせないエネルギーがある。
総じて本作は、仮想と現実がどのように交錯し合うのか、そしてそれが私たちの生活にどのように影響を与えるのか、考えさせられること間違いなしの一冊だった。
Posted by ブクログ
この小説が1992年に書かれたとは思えない!
今書かれた本と言われても全く違和感がない。。。
言葉とか、世界観がちょっと難しく、読み進めるのが難しかったが、メタヴァースの世界と現実の世界を行ったり来たりしながら進む、ハラハラしてしまった。
個人的には、ヒロとライブラリアンとの、シュメール人や、バビロンの話がおもしろかった。