あらすじ
戦国初期に活躍した山陰の雄、尼子経久。「謀聖」と言われるほど計略に優れた人物でありながら、「天性無欲正直の人」と評された得体のしれない個性。そして、東の北条早雲とともに、下剋上大名の代名詞的存在である経久が、旧秩序の破壊を志した本当の狙いとは?
一時は城を追われ、流浪の身となりながらも、山陰、山陽11ヵ国の大大名となった尼子経久の生涯を描く大河歴史小説スタート。
「妖草師」シリーズの武内涼が描く、大河歴史小説シリーズが講談社文庫書下ろしで登場!
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初めて読む作家。月山富田城について調べるついでに読んでみたら、これが面白い。予想外。
と言っても作家のか力だけでなく、主人公尼子経久の持つ力によるところが大きいのかもしれない。
文明六年(1474)京都での人質生活、17歳からの十二年、富田城奪回までを描く。全4巻のうちの第1巻。本巻は大半が虚構と思われるのだが、経久が守護代になってから、富田城を奪われるというのはどうなのか。これもそうだと考えたいところなのだが。
奪回についてはこれはもうほとんど史実であろう。さすがに謀聖と呼ばれるだけのことはある。続けて残り三牧読んで行きたい。
次を読みたくなる
当時の常識に反することへの葛藤も深かったと思うが、その深刻さはあまり感じられない。一方、話の展開がスピーディーで一気に読め、続編を読み進めていきたいと思えた。
Posted by ブクログ
尼子氏については、家来の山中鹿之助は有名だけど、殿様のことは、ほとんど知りませんでした。尼子氏の初代(?)が北条早雲に先駆けて戦国大名になった武将だったなんて。この作品には続きがあるので、楽しみです。
Posted by ブクログ
松江出張を前に、月山富田城に縁の深い尼子氏の小説を読む。
山陰を中心に11州を支配した「謀聖」尼子経久の一生を描く小説の1作目。本書の物語は文明6年(1474年)応仁の乱の中心地である京で始まり、文明18年(1486年)正月に素浪人の境遇から月山富田城を奪うところまで。
経久は応仁の乱による荒廃で明日も分からない貧窮の民と接して、世の中を変えるため大名になることを目指すことにした。
文庫版は2022年1月初版。640ページのボリューム。
Posted by ブクログ
素牢人となってから、仲間を集めて、城を奪い、わすが一代で、山陰山陽十一ヶ国の太守と呼ばれるまでになった尼子経久の一代記。
尼子経久が、人質として出雲・飛騨・隠岐・近江守護を務める主君・京極政経の京都屋へ送られるところから始まる。
この若き星雲の章では、月山富田城を取られてから、奪還するまでを描く。