【感想・ネタバレ】灰塵の暦―満州国演義五―(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

満州国国務院へ出向した敷島太郎。抗日ゲリラの殲滅を続ける次郎。三郎は関東軍が細菌戦を準備していることを知り、四郎は謎めく麗人に心を乱される。岸信介ら新官僚の到来と大移民計画に沸く満州。その南、中国では軍人たちが功を急ぎ、兵を突き進ませてゆく。昭和十二年、日中は全面対決へ。戦火は上海から南京へ燃え広がる。敷島兄弟が目撃したこの世の地獄とは。戦慄の第五巻。(解説・西木正明)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

戦慄の南京事件。
日本軍の鬼畜ぶりに驚愕と嫌悪。
御大層な大義名分と実際にやっていることとの解離が凄まじ過ぎる。

日本史知識は中学校教科書と小学校教科書との中間くらいしか無い身としては、目を背けたくなる描写のオンパレード。

裏の世界から足を洗おうとしてる次兄の前に再び間垣徳蔵が現れ、さらにあちこちから「もう一度仕事をしないか」との声がかけられる・・彼の行く末が気になる一冊。

★4つ、8ポイント。
2017.12.12.新。
※日本史知識は無いわりにここ数年の歴史小説プチマイブームによってその都度wikiってきたところによると、世間では(?)「京事件は無かったとする派」が一定数以上いるとのこと・・・

・・・南京事件を描いた小説家がネットで炎上したり、漫画の南京事件描写編が単行本から削除され、かつ連載中断に追い込まれたりした事例があるのだとか・・・

そんな中でのこの描写とは・・・。
船戸さん、強気だな。

どちらの説が正しいかは知るよしも無いが・・・

今までに見たいくつかのフィクション作品中の描写や、ルポ、無かった派の記事等からの現時点での感想は・・

南京大虐殺30万人、とかはさすがにかの国の誇大主張かもしれないが、数の違いはともかく虐殺自体はあったのかも・・

そして、程度の違いは大小あれども、指揮官の統率から外れた場での虐殺事件は、日中間だけでなく世のあらゆる“戦争”“紛争”“事変”と呼ばれる事象の中ではたくさん行われてきたのだろう、と。

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2018年01月18日

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