あらすじ
眼前で解かれる夢の結晶。誰よりも激しい夢に身を焦がした『復讐者の遺言』、そして夢見ることを恐れた男が辿り着いた『夢の果て』――夜の王が呟く。叶わぬ夢はどこに行くのだろう、と。
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良いですよーコレ! と、何はともあれ、まずオススメの言葉をお送りします!
少女と騎士の話から始まる儚くも美しい幻想譚。全3巻+外伝という構成ですが、本当に読んで良かったと感じる作品でした。複数の視点で構成されるストーリーは、それぞれの登場人物が歩んだ夢と想いを描きつつ、最終章へ収束していくこととなります。どのエピソードも胸にジンとくる描写に溢れ、しかもテンポよく進んでいくのでページを捲る手が本当に止まらない……おかげで帰宅中の電車で何度か降り損ねてしまいました。初めて本作を手に取る方はとってもラッキー!発売日を待たず一気に完結まで読めるのですから!
著者のデビュー作『煌夜祭』も非常に心に残る傑作でしたが、『夢の上』ではボリュームが更にアップ、より長くじっくりと楽しむ事ができます。悲劇や理不尽な状況に置かれながらも懸命に前へ進む人々の意志や心の動き、そういった描写が本当に巧い。本作はその真骨頂と言えるでしょう。絶対に読んで損はありません!カートボタン、どうぞ!
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Posted by ブクログ
あれは神ではない!ーーー
たくさんの人が繋がっていく人生を辿っているようでとても面白かったです。彩輝晶は強い想いで形作られている、それぞれのキャラクターの人生、想いをなぞれて面白かった。
Posted by ブクログ
別人物により一つの時代、一つの戦いに関する語りごと。
今回はハウファとダカール。
私は多数の視点から一つを見て、それぞれ違うことを思ったり、考えたりするのは好みなので、楽しいです。意志の齟齬が起こっていることも、すれ違いも、本当に分かり合っていることも、一人称だから感情視点で見れる。
あと、人物が好みなんですね。
ま、好き嫌いが別れるんでしょうけど。
ハウファは壮絶に美しくて、ある意味哀しくて、見事で、そして多分どこか幸せ。
ダカールは・・・あの、その先が気になるんですけど!
性格は、生まれのこともあって後ろ向きな割りにどこかプライドがあるというか。ハリネズミっぽい人には、馬鹿みたいに突っ走っちゃう人がよいのかしらねぇ。
ということで、最後がきになります。
最終巻・・・実家のどこにあるんだろう。番外編は見つけたのに・・・。
Posted by ブクログ
一つ目は、愛した人を奪われ、ただ復讐をする事だけを考える。
それは人生に目的を持っていて、ある意味とても幸福な事。
二つ目は、ただ消費するだけだったはずの人生に光を得た事。
その光は己の道を照らすもので、そしてなかった感情を目覚めさせてくれた。
やはりこの『話』は、彼女を中心としてのもののようです。
1巻はかろうじて、己の人生をまっとうした感じでした。
けれど今回は、表舞台に立つための大事なものが
最後になくなってしまいました。
終わらせた者と、終わらされた者。
始まりと、終わり。
話を聞いている人物が誰なのか、ようやく分かりました。