うーん
無料で5巻まで読んだが、色々判断の難しい作品。
まず、冒頭から絵と展開に違和感あり。
いちオタクが避難民を誘導するとかあるわけないじゃないと。
その後、陸上自衛隊の3尉(当初)という設定で一応納得したが、よく考えたら陸自の3尉あたりが「皇居に避難民を誘導するように警察に指示を出す」なんてありえない話。
一方、その後の異世界の話は非常に新鮮。
ありそうでなかった、「戦国自衛隊異世界バージョン」的な。
しかも、本作が書かれ始めたのは2006年の事だそうで、当時は今のような「異世界ブーム」でもなかった時代。
「このすば」「転スラ」「リゼロ」「盾の勇者の成り上がり」と言った転生ものの有名作より5年以上前に存在していたというのはすごいの一言。
この点では非常に評価できる。
また、当初気になっていた絵も慣れれば何の問題もない。
一方、3巻からの現代日本に戻っての流れはあまりにもオタク趣味が過ぎ、リアリティがない。
空想であるはずの異世界での描写がリアルで、現実社会での描写がリアリティがないというのも不思議な話。
さらに気になるのが、「結局文明の差をタテに相手を見下し、大量虐殺を平気でしている」という点。
これは1巻から見られるものであり、相手が「これは戦いですらない」という状況で戦意を喪失した相手も殺し尽くしている。
5巻の展開も同様で、これでは「自国民の命と原住民の命を対等と考えていない植民地主義・帝国主義の時代」と何ら変わりがない。
こんな判断を自衛隊…ひいては政府がするとは思えず、明らかに「戦争好き」の考えた発想。
自衛隊の兵士が、異世界人とはいえ、飛び道具もない相手に銃を撃ちまくるか?
この点では非常に評価を下げざるを得ない。
この「一見尊重しているようで、実は相手を見下した発想」の点で評価は星2にしたいところだが、2006年当時にこの展開を考えたという点は評価をせざるを得ず、また異世界編は上記の点を除けばよく出来ているので…トータルで星3評価というところ。
ただ、このままいけば、物語中の日本が本当にひどい国になりそうで怖い。