ブラックウッドのレビュー一覧

  • 人間和声

    Posted by ブクログ

     昔ちょっと音楽の勉強をしていたから、和声?人間?とタイトルに目を引かれたのが出会いだった。紹介文によるといわゆる幻想怪奇小説という類の物語らしい。あまり馴染みがない。きっとどうせ完読できないだろうという弱気から手に取るまで時間がかかったが、色々と偶然の後押しもあって読んでみたらとても面白かった。まずはその達成感が嬉しい。
     
     主人公はロバート・スピンロビン、二十八歳。彼は何か大いなる物に憧れ、魂の真の冒険を求めている夢想家だが、臆病さゆえに自ら行動を起こすことはできず、そんな自分の卑小さ平凡さを恥じる謙虚さはきちんと持ち合わせているというところがまた可愛らしくもある、そんな人間である。彼は

    0
    2022年09月24日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    「幻想怪奇」という言葉に惹かれて。

    一つ一つの話が「アレは何だったんだろう?」という後味の悪さを残して終わっていく。特に表題作「秘書綺譚」のアレは何だったろう?感が凄い。こういう引っかかる感じが、本読みにはたまらない。

    確かに幻想怪奇な傑作が詰まった素晴らしき1冊。江戸川乱歩が絶賛しただけあるなぁ…。

    0
    2013年01月20日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    百年前の作品なんて信じられないです。
    最近は妙に凝った作風のものが多いせいか、こうあっさりとしたプロットなんだけど文章力で勝負! ていう作品がひどく新鮮でした。
    本当に面白い。
    じっくりと読みたいって思っていたのに、この後どうなる? で、どんどんページをめくってしまい、すぐに読み終えてしまいました。
    古典文学に分類される作品ですが、新訳だからか読みやすかったです。

    0
    2012年10月28日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    全編面白かった!
    100年前の作品なのに、全てやりきっている。ジム・ショートハウスを主人公とした短編が全て入っていたのがありがたい。この本には収録されていないが、ジョン・サイレンスを主人公にした作品の方が有名らしいので、それも読んでみたいと思った。
    が、果たして翻訳されてるのか…?

    0
    2012年09月29日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    アーサー・マッケン(1863~1947)、M.R.ジェイムズ(1862~1936)らとともにイギリス三大怪奇小説作家とも言われるアルジャーノン・ブラックウッド(1869~1951)の傑作集。芥川龍之介や江戸川乱歩も影響を受けた古典的ホラーである。高校生くらいのころに創元推理文庫の『怪奇小説傑作集1』で「秘書綺譚」を読み、最近岩波文庫の『芥川龍之介選 英米怪奇・幻想譚』で「スランバブル嬢と閉所恐怖症」という作品でこの作家と再会したのを機に、この傑作集を手に取った。

    「空家」「壁に耳あり」「スミス―下宿屋の出来事」など、古い家屋にとり憑いた霊という常套的な設定が、安定した(?)恐怖を読者に提供し

    0
    2025年08月10日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    「空家」は何度読んでもゾクゾクします。
    ビジュアルではなく、音や触感で感じる恐怖。
    私にとっては最高傑作です。

    けれど他のどの作品もブラックウッドらしい美しくもの悲しい雰囲気の中、恐怖や不思議が絶妙に描かれていて読みごたえがあります。

    0
    2016年05月17日
  • 人間和声

    Posted by ブクログ

    The Human Chord, 1910.
    ジョン・サイレンス先生のブラックウッド。
    (Algernon Henry Blackwood、1869年3月14日 - 1951年12月10日 )

    真名を四重奏で歌うことにより神の力を手に入れる。
    そのために集められた4人の唄い手(詠唱者)。
    和音を醸すソプラノとアルトは恋仲になってしまい神の力か人の世の愛か悩む。

    0
    2013年12月11日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    幽霊譚など怪奇幻想もの。小説の構造として奇妙なものも多いんだけど、文章の密度というか、ビジョンというか、雰囲気がすごく良くて、怖いというよりも、物語がしみじみ心にしみてくる感じ。

    0
    2012年10月13日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    ショートハウスが出てくる作品を主に集めた短編集。
    ゴーストが主だけど、人狼的なもの、吸血鬼的なもの、バラエティに飛んでいて面白く、すぐに読み終わってしまった。何度でも読み返したい本。

    0
    2012年12月23日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    表題作他10編の、英国式古典的怪談集。
    蝋燭の仄明かりを頼りに暗がりを進んで行くと、
    フッと何者かの顔が視界に飛び込み、
    またすぐに消えた……が、
    それが何だったのか、説明がつかないまま終了――とか。
    このモヤモヤ感が堪らない。
    本体が死すとき、
    その分身(投影、あるいは副産物)も共に滅びる、
    という「スミスの滅亡」や、
    牙を剥いて生き血を啜る典型的なタイプではない吸血鬼の話
    「転移」が特に面白かった。

    0
    2017年12月14日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    ・私がアルジャノン・ブラックウッドですぐに思ひ出すのは短編「柳」である。これは超のつく有名作で、ブラックウッドにつ いて書く時には、誰もが必ずといつて良いほど言及する作品である。あの自然の怪異と畏怖には圧倒的なものがあり、一読讃歎、彼の代表作と いふにふさはしいと思ふ。同じく、「古い魔術」も彼の代表作であり、実に多くの人がこれに言及してゐる。もしかしたら猫好きな人には愛憎 半ばする物語かもしれないが、あの紛れ込んだ世界の実在感もまた圧倒的である。ブラックウッドは多くの怪奇幻想小説を書いた。この2作以 外にも優れた作品が多い。生まれは1869年、日本では明治元年になるのであらうか。30代終はりに

    0
    2012年03月25日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    ジム・ショートハウスもの11本。

    怖さというより、どちらかというと、不思議だったり薄気味わるかったり。
    芥川龍之介や江戸川乱歩が絶賛したというのも、さもありなん。
    「秘書奇譚」など、芥川「魔術」への影響を感じる。

    0
    2012年01月22日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

     1906年から1923年に書かれたアルジャーノン・ブラックウッドの短編を集めたアンソロジー。
     ブラックウッドといえば、どの作品だかもう分からないが(本書にも入っている「秘書奇譚」かもしれない)高校生の頃読んでひどく衝撃を受け、「これは凄いかも」と思ったことがある。しかし、その後創元推理文庫『ブラックウッド傑作選』を読んでみると、そんなにショッキングなところはなくむしろ「ふつう」っぽくてがっかりしてしまった。あの時の「衝撃」というのは、その短編では恐怖小説の骨格ばかりが肉を落とされて露出し、その小説システムの露見が極めてラジカルなものに思えたのだ。骨格が露出するとともに、登場人物はハリボテ人

    0
    2022年07月29日
  • 人間和声

    Posted by ブクログ

    読んだ手触りがゴシックホラーと言うよりは、SFに近いテイストで、ブラックウッドってこんなの長編も書いていたのか!と。
    「カバラ」や「真の名前」を正確にいにしえの発音で発声することで実体を持ち力を得る…と言った(ちょっと日本の言霊に近い感じの)思想。それにより「誰」を召還しようとしているのか、全く知らされないまま実験に巻き込まれていく主人公の青年……。前半の周囲の人物描写からにじみ出す不穏な雰囲気はちょっとクトゥルー作品なんかを彷彿とさせて、そういうのが好きな人にはオススメの作品です。
    青年の神秘体験の描写については、音に色や形を持たせようとして筆を尽くしての描写が圧巻。面白かったー。

    0
    2019年07月22日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    ジム・ショートハウス物を全篇収録。解説でも書いてある通り、佳作揃いでどれを読んでも面白かった。クラシカルな怪奇モノではありますが、バリエーションに富んだ品揃えで。
    あと、解説で芥川や乱歩のブラックウッド好きに触れてます。早くから日本に紹介されてた作家なんですよね-。

    0
    2018年01月10日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    冒頭の「空家」が結構苦手な怖さで耐えられるかと心配になったが、あとは比較的好きなタイプの怖い本。
    「壁に耳あり」やっぱ壁が膨らむところが怖い。
    「スミス―下宿屋の出来事」ラブクラフト的?
    「約束」これ好き。冷たいスコーンとか妙にリアル。
    「秘書綺譚」壁の絵が怖い。狂気。
    「窃盗の意図をもって」他のアンソロジーで読んだ。どれもそうだが、おかしくなった人の描写がリアルで本当っぽいのでぞわぞわする。日本の古典怪奇映画っぽいというのかな。
    「炎の舌」ちょっと面白かった。自分でも気をつけよう。
    「小鬼のコレクション」小鬼というよりフェアリー。きれい。
    「野火」1回スルーしてしまった。改めて読んで詩に近い

    0
    2016年08月31日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    ショートハウスなる人物が登場する話が複数あるので、最初この人物が主人公なのかと思った。各話によって少し性格設定が違うけども。そして私は南條竹則氏の訳文がやっぱり苦手。訳がイマイチだと思って訳者を見るといつもこの人だ。2012/608

    0
    2015年04月14日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    スタンダードな幽霊譚や幻想的な「転移」「野火」。どれも恐ろしい感じはしないのだけど、不思議と登場人物の表情や暗い風景がありありと浮かぶ。とりあえず、ジム・ショートハウスは怖い思いし過ぎだと思います。
    単純に私の感覚的な問題かもしれないけど「ホラー」という言葉には日本の小説がしっくりきて、「怪談」は欧米の古い作品がしっくりくる。

    0
    2014年09月06日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    乱歩が早くから紹介していたブラックウッドの短編集。光文社の古典文庫で、新しく翻訳されて読みやすい。作品も、幽霊話あり心霊現象ありサイコ系ありバラエティに富んでいて、読み飽きません。

    0
    2012年11月05日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

    Posted by ブクログ

    最近、寝しなに読んでいます。この作家は神智学協会員でもあって、心霊的現象の詳細な描写がいかにもという感じ。

    0
    2012年02月06日