トウェインのレビュー一覧
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ひょんなことから街から逃げ出したハックが黒人逃亡奴隷のジムとミシシッピ川を筏で下っていく冒険物語。
奴隷制の厳しいアメリカ南部に下っていく中で、
黒人奴隷への厳しい扱いや雄大な自然の残酷さ、カネに執着する卑劣な人達など様々な難局にぶつかる。
そんな困難をハックの頭のキレ(デタラメな口からのでまかせも多いけど)と2人の真っ直くでしなやかな心で乗り越えていく。
こんなにも2人に寄り添って大冒険ができたこと、ほんとうに幸せだった!
ハックが覚悟を決める良心との葛藤シーンは
何度読んでも心が熱くなるし、涙が出る。
当時の社会の通説を風刺しながらも
ミシシッピ川流域の島々をこんなにもありありと描いた -
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ネタバレトム・ソーヤーの冒険よりも文学的に評価されているとと聞いていたが、たしかにこちらの方が面白かった。トム・ソーヤーの方は次から次に「なんでそんなことするの…」というようのいたずらばかりで保護者の方に同情してしまっていたが、こちらではスタートからして閉塞感のある未亡人宅や現代風では「毒親」である父からの脱出だというのもあり、社会についての疑問の独白もあり一部は共感できた。トム・ソーヤー以上にすぐ殺し合いだのリンチが起こるしナチュラル人種差別が根底にあるしと倫理観の差に驚かされる。簡単に他人の家に上がり込んでしばらく滞在したりとおおらかさもある。また、近代と思いきや未だにかなりの迷信が登場するのも少
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唯一無二の、きらきらした感じ。
物語の細部は、実は暴力と非情。ハードボイルドな「みんな悪者」ワールド。なのに、めくるめくピュア。「詩情」という実態の分からないコトバとは、この本の為にあるのかも知れません。
最強のペアの物語です。DV被害少年・ハックと、逃亡黒人奴隷・ジム。
ふたりの筏の旅は、ミシシッピーをくだり、黒人自由州へ。「ジムを密告するべきでは?」という張り裂けそうな危機を孕みながら。ハックの決断はー。
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「ハックルベリー・フィンの冒険」光文社古典新訳文庫で上下巻。マーク・トウェイン。1885年発表。
世界は、(というかアメリカは、なのか)なんてグロテスクに不条理で、残酷で、 -
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唯一無二の、きらきらした感じ。
物語の細部は、実は暴力と非情。ハードボイルドな「みんな悪者」ワールド。なのに、めくるめくピュア。「詩情」という実態の分からないコトバとは、この本の為にあるのかも知れません。
最強のペアの物語です。DV被害少年・ハックと、逃亡黒人奴隷・ジム。
ふたりの筏の旅は、ミシシッピーをくだり、黒人自由州へ。「ジムを密告するべきでは?」という張り裂けそうな危機を孕みながら。ハックの決断はー。
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「ハックルベリー・フィンの冒険」光文社古典新訳文庫で上下巻。マーク・トウェイン。1885年発表。
世界は、(というかアメリカは、なのか)なんてグロテスクに不条理で、残酷で、 -
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下巻。久しぶりに小説で熱くなった。ヘミングウェイをしてアメリカ文学の始原だと言わしめた、その余韻は強い。アメリカ的なものとは何であろうかと考えてしまうが、私自身が表現しえない、知りえないアメリカ的なものがここに原点を置いているということ。
トムソーヤーの前にこちらを読んでしまったので、前作でのハックを知らないが、文明じみておらず野生の色濃いハックの純真が強烈なメッセージになっている。マーク・トウェイン曰く、この作品は「健全な心と捻じ曲げられた良心がぶつかり合い、良心が敗北を喫する物語である」。文化、特に宗教的に根拠を置く社会的なしきたりは私たちの良心に善きにつけ悪しきにつけ強烈な影響を与える -
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初めて読んだ。子供の頃に読んだら、どんな感想を持ったかなあ・・・と思ったけど、名前だけは知っていても通らずにここまで来たんだから、感想も何も・・・もらっても読んでないかもしれないな。言葉が難しく、原文はどんな英語を使っているんだろうと興味がわいた。トム・ソーヤーのはちゃめちゃぶりに大笑いし、繊細な感情に自分の子供のころを思い出し重ねた。こんなにもありありと子ども目線で書けるなんて、子ども時代をよく覚えているのだろうな、感受性がすごく豊かな人なんだろうなあと著書に興味を持った。
そして、最後の最後に、私が読みたかったのはこれじゃなくてハックルベリー・フィンの方だったとわかった。次に読む。 -
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ネタバレアメリカ文学を代表する、マーク・トウェインの名作。
光文社古典新訳文庫による、最新の翻訳です。
ミシシッピ川に面した田舎町を舞台に、悪戯の天才トム・ソーヤーと、悪友のハックルベリー・フィン、ジョー・ハーパー、ガールフレンドのベッキー・サッチャーに、口うるさいポリーおばさんらが繰り広げる爆笑物語w
80年にTV放送されたアニメを視た人たちには意外でしょうが、ベン・ロジャースの役どころは実はほとんどがジョー・ハーパーでした!?
塀のペンキ塗りの最初のカモは、アニメと同じくベン・ロジャースでしたけどねw
ドビンズ先生のハゲをバラしたのは意外にも・・・
トムの家の黒人奴隷ジムのキャラクターも、アニメと -
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「いいや、おいら、地獄に行く」
注釈によると、物語の舞台は1830〜40年代のアメリカ南部
当時のアメリカには逃亡奴隷法という法律があり、逃亡奴隷を助けた者には重い罰則が課せられていました
犯罪だったんですね
罰則は最高で500ドルの罰金(後に最高6ヶ月の懲役刑も加えらます)
当時の500ドルは一般的な労働者の年収2〜4年分というのだから、大変な額です
加えて、罪を犯した者は神の教えに背いたものとして地獄に行くことになります
当時の宗教観では、地獄の存在は現在とは比べものにならないほど強く信じられていたと思いますので、十分に重い罰金刑よりもさらにさらに重い刑が死後に科されるということに -
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子どもの頃にトムソーヤーの冒険は読んだことがあったが、ハックルベリーフィンの冒険は読んだことがなく。本屋に平積みされていたハックルベリーフィンの冒険を読んでみたいと思い立ち、そのためにはトムソーヤーの冒険を読み返そう!と思って、手に取った。
子どもの頃に読んだときとは、受け取る情報量がまったく違った。いたずらばかりだけど根はやさしい、わんぱく小僧の冒険物語。トム筆頭とする子どもたちの想像力、主体性、行動力には、大人になった今読むからこそ感服する。と同時に、「嘘つかないニガーなんか見たことない」と言ったセリフや、トムが憧れる海賊や酋長や盗賊の物語を説明する中で、「男はこうで、女はこうなんだ」と