ウェルズのレビュー一覧

  • タイムマシン

    Posted by ブクログ

    SFものが読んでみたくて買ってみた。
    80万年後という未来に行くタイムトラベルの話であったが、あまりに性急に物語が進んだというか、もう少しページ数があったらもっとしっかりと話を構築して書けたのではないかという気もした。
    けれども100年後や200年後ではなく80万年という想像もつかないような未来の世界やそこに生きる人々がどうのようなものなのかを、主人公のタイムトラベラーと一緒に考察しながら読み進んでいくのはとてもわくわくした。

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    2013年03月27日
  • タイムマシン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    未来に行ったタイム・トラベラーが未来でタイムマシンを失い、現在に戻るために苦闘する、という小説の内容自体は、現在から見ると使い古されやや陳腐かもしれない。
    一方で、著者が示した人類の進化の方向性(企業家階級と労働者階級の分化が進み、前者は労働から離れたために知性と身体能力を失い、地上を荒廃させる。後者は地下に押しとどめられることによって視力を失い、たんぱく質確保の方法として前者を襲う。)は、これも今日では陳腐と思われるものの、当時の社会的風潮を判断すると一定の妥当性のある推測であるように感じられ、その未来予測には見るべき点があると思われる。

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    2012年10月01日
  • 盗まれた細菌/初めての飛行機

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    ウェルズだけどSFじゃない。短編集。結構笑える箇所が多かったな。先の展開は読めるようなものばかりなんだけど、素朴なおかしみに満ちていた。「パイクラフト関する真実」「小さな母、メルダーベルクに登る」がよかった。

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    2012年08月24日
  • 盗まれた細菌/初めての飛行機

    Posted by ブクログ

    対象年齢が高い、というか読者層を限定する星新一みたいな。
    一話一話はそれなりに面白いけど、ウェルズの長編のようなパンチに欠ける。
    やはり長編で作り込まれた話の方が真価を発揮する気がしてならない。

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    2012年08月07日
  • 盗まれた細菌/初めての飛行機

    Posted by ブクログ

     光文社古典新訳文庫から出ているH・G・ウェルズの短編集を発見。この文庫のラインナップ、なかなか面白いですなぁ。
     テロリストがコレラ菌を盗もうとして学者宅を訪れるタイトル作をはじめとして、皮肉に満ちたユーモア小説が続きます。
     しかしどこかファンタジック、SF風に思えるのはやっぱ気のせいか。
     主役の多くが小市民的なのも好い感じではあります。

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    2011年07月02日
  • 盗まれた細菌/初めての飛行機

    Posted by ブクログ

    H.G.ウェルズ(1866-1946)の短編集。世紀末的なナンセンスやデカダンスの趣が漂い、まるで stop motion animation を観ているような気分になる。「劇評家秘話」これは我が身を顧みても、気持ちはとても分かる。自己というのは、他者から受けた刺激から成るモザイクのようなもの。「初めての飛行機――"アラウダ・マグナ"」とその続編「小さな母、メルダーベルクに登る」は"トムとジェリー"的なスラップスティック。いづれも面白い作品だと思うが、奈何せん訳文が悪い。訳者の問題なのか、ウェルズ自身の文体の癖なのか。言葉がゴツゴツと突っかかり、文章とし

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    2011年03月27日