小泉信三のレビュー一覧

  • 共産主義批判の常識

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    マルクシズムの方法論、後期マルクス批判は今日でもこの一冊で充分である。それほど小泉のマルクス論批判は根本的で簡潔である。

    興味深いのは、小泉がマルクス自身の根本的な思想については批判を加えていないことである。この著がマルクス・エンゲルスの学説批判であり、マルクス思想批判ではないからかもしれないし、彼は経済学者だったからということかもしれない。
    しかし、彼の弟子に若きマルクス主義者が居たことや、非マルクス主義政党の理念政策なきことをも批判していることを勘案すれば、僕はこういう仮定ができるのではないかと思う。すなわち、正しく共産主義批判をすることによって、マルクスの理念を今日的方法で実現すること

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    2012年03月19日
  • 平生の心がけ

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    さらっと読め、味わい深い良質なエッセイである。内容では、決議の尊重や言論の自由、国語改革への意見などだが、印象的なのは、「社用族」「畏怖と自由」である。「畏怖と自由」は共産主義が人が人に対して厳しいこと、それが社会主義の国で人が生きにくいことの本質であるとしている。「社用族」では人の金で飲み食いする者を戒め、戦後の賠償能力がないと言いながら、本国でもなかなか乗れぬ英国車を乗り回し、スコッチを消費することを赤面すべきであるとする。マルクス主義が力を得ている原因として、人が「愛するより憎むことによってよく結ぶ」としている点は本質をついていると思う。唯物史観についても、人の「責任をとりたくない」とい

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    2014年09月13日
  • 読書論

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    読書論の草分け的な本。何を如何に読むべきかを小泉氏が明確に方向性を示している。古典本が難しいからと言って安易に入門書などでごまかすことがないようにしないといけない。

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    2009年10月07日