マイケル・ダントニオのレビュー一覧
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借りたもの。
これは男性的/女性的の二者択一なジェンダー論の本ではない。
今日、理想的なリーダーには〈女神的〉価値観が求められているという。
この本にある〈女神的〉価値観とは、地域や時代を問わず“女性的”と分類された資質である。
共感、公平、叡智…
それらはギリシア神話の女神アテナが象徴するものと指摘。
〈女神的〉価値観は女性のみが持っている資質ではないが、女性の方がより顕著でより自然に扱っている。
それ故に、女性の指導者が今後の世界の発展に必要であること、現在活躍する女性リーダーの事例も挙げて示唆している。
今、現在の女性の社会進出を肯定するための良著にもなりそうだ。
しかし、女性のみにスポットを当てず、〈女神的〉価値観を持ち、活かす男性達も紹介している。
具体的なデータや、洋の東西を問わない事例、意外と知らなかった他国のリアルな話に、読んでいて惹かれた。
アジアや中東など、女性への差別意識が強いとされる国であっても、それは既に燻っている。
日本の3・11での「希望の缶詰」エピソードも挙げられている。利害に関わらず他者に手を差し伸べる共感と助力の精神……
排他的(男性的と目される資質)な成長戦略では無く、真に共生する成長戦略を、現代人は求めている。
それは先進国、発展途上国に関わらず。それをデータとしても再確認できる良い本。
ヤマザキマリによる表紙絵が印象的。 -
Posted by ブクログ
「世界を変えるのは、女性もしくは「女性のように考える男性」である」と。それを実証するために、日本を含む各国で調査、世界中でインタビューをおこない、レポートしている。この変化は「とりあえず売る」という過去のマーケティングからの決別で、「長くつきあう」LTVの向上がこれからのマーケティングだと思うし、これから付き合うためには、社会、地球の役に立つことが重要だと、マーケティング3.0のような考え方も踏まえられていると思う。著者のうちのひとりのジョン・ガーズマは、勤務先の関係で何度か会っていて、本書の講演「アテナドクトリン」も聞いていたが、その時より、事例も多くなっていておもしろかった。
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マーケティングにたずさわるものとして
とても興味深く、面白く、共感をもって読めた。
・市場の成長が頭打ちで、所得増加が見込めない。
・お金やモノに執着することへの疲れ。
・同じ目的や価値観をもった多くの人たちと出会える
ソーシャルメディアの普及。
これらが折り重なり、新しい消費の形態や価値観が
生まれ始めていることを
アメリカのいくつかの事例をもとに紹介してくれる。
特にこれからの消費の形態が
「消費=有償」ではなく、
「有償」+「交換」+「無償」という選択肢からなる
という考え方は目から鱗の表現だった。
金融危機から始まる生活の閉塞感や将来への不透明感、
持続的なモノコトへの関心から
このようなライフスタイルやビジネス的思考が生まれることに
共感とともに納得感があるが、
これがこれからの時代、普遍性を持つのか、
多数派になっていくのかを注目していきたい。 -
Posted by ブクログ
<女神的リーダーシップ 未>
今、世界各国で求められるリーダー像は旧来の、一元的で直線的な男性的なリーダーシップではなく、共感性や柔軟性があり、利他的で他人の話を聞く女性的なリーダー像である。
これらが重要視されるようになった背景には、世の中が複雑化し、異なる業種のチームワークが欠かせなくなったことがあげられる。socialなつながり、相互依存、透明性がより大切になってきている昨今、互いに共感し、調整する能力がますます必要になってきているのだ。
この本では、中東、南米、日本、中国等の実際の女性リーダーや、男性であってもつながりを大切にする女性”的”リーダーを紹介している。
<感想>
共感や思いやりがリーダーの資質として大切であることが前提の日本に暮らしていると、ことさらそれらを女性”的”としなくても、いいんじゃないかと思ったが、たぶんそれは日本の文化圏の特殊性なのかもしれない。
欧米等の強烈でともすれば独善的な「リーダーシップ」に比べるとそれらの資質を女性的としてクローズアップすることにはそれなりに意味があるのかもしない、と思った。
女性がリーダーになれば万事解決とは思わないが、”力強さ”よりは”柔軟性”がより有効な時代に入っているのかもしれない。 -
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これからのリーダーシップは、女性的な要素が重要になってくる、という本。
と書くと、「男性的とか、女性的とか、言っている時点で性差別じゃん」という声が聞こえてくる(私だけか?)が、ちゃんとした統計調査に基づいていて、タイトルのイメージから想像されるより、ずっとしっかりした本です。
まず、グローバルなアンケート調査で、いろいろな資質が男性的か、女性的か、どちらでもないか、ということを調べる。
そして、その調査をした人以外の人に対して、さまざまな資質が、リーダーシップとか、成功とか、幸福にどの程度関係しているか、という調査をやる。
そうすると、これからは、従来、どちらかというと女性的と捉えられてきた資質が男性的とされるものよりも、重要性が高まっているという、分析がある。
で、その実例をアイスランド、イスラエル、ブータンなどなど(日本も入っている)から、紹介してあって、最後にまとめ、という構成です。
内容をあまり書くと、読む楽しみがなくなりそうなので、このくらいで。
これをそのまま受け入れるかどうかは別として、なるほどそれあるよね、という共感と、久しぶりに思考を揺さぶるというか、これをどう展開するか、という刺激をうけた本でした。 -
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主にアメリカ国内の事例で、これまでの消費のトレンドと毛並みの異なるサービスやプロジェクトとそれに関わる人たちを紹介しながら世の中の志向が変わってきていることを伝える一冊。誰もが、意思をもって、より希望を感じるお金と時間の使い方をすることで、そのサービスは育ち好循環が生まれていっている。取り上げられていたのは地域通貨の話や地産地消にまつわる話、親子の読み聞かせを促進するプロジェクトなどなど。自分たち、お客さま、地球環境の三方良しのプロジェクトを顧客である自分たちは選ぶことができ、そういう消費が世の中の動きを加速する。政治よりもそっちの方が結局自分たちにできることとしては大きいのかもしれない、とも思った一冊でした。
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Posted by ブクログ
リーダーシップについて考えているときに、トップダウンではない、しなやかなリーダー像ってどんなものだろう?ということを考えていた。その一つの解が、この本の中にあると思う。
この本は、女性のリーダーについて書かれた本ではない。
実際に本書の中では紹介されているケースには多数の女性リーダーが登場するが、重要なのは、それが実際に女性か男性かであるかということではなく、リーダーシップを構成する要素として、従来「女性的」とされてきた資質――共感力、利他、協力、コミュニケーション、忍耐強さ、柔軟性など――が、従来「男性的」とされてきた資質――強い、勇敢、決断力、プライドが高い――よりも重要視されているということが主眼である。まさにサブタイトルに「世界を変えるのは、女性と『女性のように考える』男性である」とあるように。
そしてこの主張は、世界のGDPの65%をしめる13か国、6万5000人を対象にした調査の結果に基づく仮説からスタートし、世界各国の実際に取材して収集したケーススタディによって裏打ちされるという結果になっている。
その膨大なケースが滅法面白い。
・ロンドンのカーシェアリング「ホイップカー」
マイカーを見知らぬ人に貸し出すサービス。「人間は基本的に誠実だ」という前提に基づいて、効果的なテクノロジーとルールさえ整備すれば、愛車をきれいな状態できちんと返してもらえるということを証明している。価値あるものを短期間だけ必要とする人に、お目当てのものを提供する機会を提供するという発想。
・アイスランドの憲法改正
2000年代初頭の金融バブルによって一時的に株式市場や不動産価格が高騰したが、バブルがはじけ、国の経済は一気に破綻。その後に登場した女性の首相が、思慮深さと責任感をもって全国民を巻き込んだ憲法改正を行い、そのプロセスをすべてネットで公開。それによりアイスランドの危機的状況は快方に向かう。
・イスラエルの都市ホロンの再生
荒廃した都市を再生するため、「子どものための都市」という標語をかかげ、それを実現するためのプランを追加コストなしで実現したというもの。廃校を利用した博物館やアートセンターはほとんどが「手弁当で」とリーダーが頼み込んだおかげでほぼコストゼロに近かった
・ケニアの通信会社が金融機関を凌駕する
携帯電話網が発達したケニアにおいて、金融機関よりも安全な送金手段をサービスとして提供したサファリコムの例。経済活動の活性化だけでなく、新生児死亡率の高さの改善や、子どもの教育といった生活全体の水準を引き上げるという方向へ。
まだまだあるのだが、あげるときりがないのでこのへんで。
上にあげたように、新規のビジネスを立ち上げたり、一部の国や都市で状況を改善した事例は数多く紹介され、これらは新しい時代の価値観の到来を予見される大変興味深いものだと思う。だがふと自分の身近に立ち戻ってみたときに、はたしてすでにある企業、営利を目的とした企業、大企業の中で、こういったリーダーシップの交代劇は行われるのだろうか?ということに思い当った。
その答えはYesだと思いたい。
古くからある企業、「男性的」な価値観が優位にあった企業で「女性もしくは女性のように考える男性」型のリーダーが出てくることにより、組織間の断絶や対立、そしてそれらにより発生する無駄なコストがなくなり、一つの方向を向いて新しいことを生み出せるようになるのではないか。そんな風に思います。 -
Posted by ブクログ
私たちは、豊かに暮らすために、交換の約束としての”お金”を持つ。
その約束のお金は、手元に在る何かを相手と交換した約束である。
そして、その約束の価値がお金の量に違いをつくる。
その価値がシフトしている。
そのシフトの方向性を分析すれば、
「本物」「親切」「正直」といったこと。
それはモノやサービスに「これ」といって上乗せできる、また画一的に設定できるものではないように思う。
というのは、
それは、”わたし”と”あなた”の関係に存在し、
その関係ごとに様々な質がある。
つまりは、ひとり一人の在り方に関わってその質が変わる。
そして、そのひとり一人の集合体が企業である。
マーケティングでは
価値とはニーズ・シーズ、ウォンツをカタチにするというミカタがあり、
ニーズからウォンツを満たす価値という流れであったように思うが、
その流れは、ニーズへの向きなおり、
そして、そのニーズは必要というよりも根本という意味を持つのではないかと気づく。 -
Posted by ブクログ
ネタバレスペンドシフトとは?
・自分を飾るより、自分を賢くするためにお金を使う
・ただ安く買うより、地域が潤うようにお金を使う
・モノを手に入れるより、絆を強めるためにお金を使う
・有名企業でなくても、信頼できる企業から買う
・消費するだけでなく、自ら創造する人になる!
少なくとも世界的に先進国に住んでる人の心理は変わってきてると実感させてくれる本。
自分自身も消費に対しての気持ちの変化を感じていたので、すんなりと共感できる部分も多かった。また、そこにはビジネスチャンスを感じることもあった。
メインはアメリカの事例ではあるが、「欲しいものから必要なものを重視する」、「虚栄心を満たす商品への関心を失い、本物らしさや意味を感じさせる商品を購入するようになった」、「公的資金で救済された企業の製品やサービスを購入する可能性は低い」等々。
背景には金融危機がある。これまでの過剰な支出は借金の上に成り立っており、投機的なお金が右から左に流れるだけだった。今は投機的な資産が相当な目減りを記録し、使えるお金は汗して稼いだお金となる。
当然同じお金でも重みが違い、大事に使う様になった。