大西尹明のレビュー一覧
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ネタバレ①インスマスの影
好奇心から怪奇な伝承が伝わる街を訪れてみたわたしは、そこで恐ろしい話を聞かされて――。
終盤で回収される伏線とメリーバッドなエンドに、普通のホラーにはない哀愁を感じた。異形を単なる敵やモンスターとして描写しない点がラヴクラフトらしさ。
②壁の中の鼠
かつて陰惨な事件が起きた館を引き取り改修した、その犯人の子孫に当たるわたし。飼い猫がしきりに壁の奥を気にすることから、息子の友人らと共に探索に出かけると――。
這い寄る混沌の名が出ることから、これも神話の一端になるのか。終盤、流れで一気に読み終えると、その不条理な結末に二度読みしてしまった。
③死体安置所にて
葬儀屋だった男が -
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元々彼の人のことはTRPGの方で知ったのだが、元を知るとやはり人気になるだけの魅力があるのだと思った。
散々ひどい文章だと本を勧めてくれた知人には言われたものの、余程の悪文なのだろうと開いてみればまったく読みやすいではないか(とはいえ、あくまでも想像よりかなり良かっただけであって、多少引っかかる部分がないわけではなかった)。
罪と罰やレ・ミゼラブルなどのすぐれた小説を初めて読んだ時のように、ひたすらに貪り読んだのを今でも昨日のことのように覚えている。当時のわたしにとって、ラヴクラフトの書く物語はてんで未知の世界だったので余計に。
成長した今改めて読むと、当時ほどの感動はなくなっているもののやは -
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[インスマウスの影]
ラヴクラフトの中で一番好きなのをひとつ選べと言われたら、俺はこれ。遺跡や太古の都市なんかだといまいちピンとこないけど、まがりなりにも現代の町がこんな感じだったら、そりゃ気持ち悪いでしょう。「狂気の山脈にて」なんかよりも、俺はこっちのほうが全然いいけどなあ。紀行文的なスタイルも成功していると思うし。インスマウスっていう単語の、なんかヌメッとした魚類的な冷たい感じも抜群。もっともこれはこの短編から逆に刷り込まれた印象かもしれないけどね。
p.s.
改めて読み返してみると、いろいろと忘れていたことが多かった。インスマウスの町の沖の<悪魔の暗礁>にいたのが<ダゴン>だったとは -
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クラスメイトが読んで欲しいと貸してくれたので拝読。
小難しくて読めてない話があるから教えてくれとの事。お任せ下され!と読み始めたのですが、100年近く前の作品なので確かに文章がかたい。にも関わらず凄い世界観で引き込まれました。
クトゥルフ神話の元祖らしく、かなりダークな世界。
クラスメイト曰く「ダンジョン&ドラゴンズ」等に影響を与え、ラヴクラフトさんの世界観を元にしたボードゲームも人気だとの事。
わかるなあ、これはクリーチャーと戦いたくなります。(後方支援で)
短編集なのでまたそれぞれに感想を書きますのでご興味ある方はお付き合い下さい。実際に読まないと分かりにくい世界観なので簡単に書きます。 -
購入済み
狂気と怪奇と狂言の狭間、どう捉えるかは読み手次第。「壁の中の鼠」「闇に囁くもの」は特にその傾向が強くて面白い。
「インスマウスの影」は特に形容しがたい気持ち悪さがあった。主人公があからさまなバッドエンドフラグを進む様をこれでもかって丁寧に描くくせに、肝心な謎の生物の正体であったり、話のオチであったりがぼかしてあって、嫌な方にばかり想像が膨らむ。この考える余地が恐さの肝かも。
読みながら、「伝奇集」のウクバールを思い出した。語り、騙られることで非実在のものが形を得る。幻想と現実の境界が曖昧になっていく。 -
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ラヴクラフトの短編集1。
4話収録されています。
「クトゥルフ神話」に関連する話が2話、「インスマウスの影」「闇に囁くもの」。
特に「闇に囁くもの」は、宇宙規模の壮大なスケールで、精神的にも不気味な物語でした。
雑誌の「ムー」などに載っていそうな、、、。
太陽系外惑星(冥王星を見る目が変わりそう!)などが出てきてちょっと宗教的な匂いもするし。
謎の囁き声、レコードに録音された話し声、一階から漏れ聞いた複数人の話し声、、、情景がとても不気味に表現されていて、本当に聞こえてきそうな不気味な感覚で怖かったです。
映画の「THE 4TH KIND」や「X-files」を思い出しました。
読む前は、「世 -
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中学生時代からラヴクラフトは愛読書でして、
元となった「ラヴクラフト傑作集1」は
ボロボロになるまで読み込んでいました。
で、念願の全9巻の全集となり、この本も再読の再読。
・インスマウスの影・・・安上がりの旅行のはずが、
ヘンに興味を持っちゃったために、とんでもない事件に
巻き込まれてしまう。名状し難き者から追いかけられる
恐怖。風景の描写が良い分、怖さが増す。
クライマックスの後で、驚愕の事実が!
・壁の中の鼠・・・ご先祖のルーツ建物で起こった事件。
禍々しい先祖の血は現代の人間にも・・・。
地下での状況がめちゃ怖い。
・死体安置所にて・・・そんなことやっちゃあ亡霊に
恨まれるよなぁ~な、