牧村憲一のレビュー一覧
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たまたまこの新書がポケットに入っている夜、たまたま扉を開けた店が懐かしいレコードをかけてくれるバーで、たまたまディスプレイされていたLPが大貫妙子のミニヨンだったのでターンテーブルに乗せてもらったら、たまたま後から入って来たお客さんがこの春に大学を退官される方で、たまたまかかっていた「突然の贈りもの」に感激されて日本のポップスに心奪われた青春時代の思い出を恥ずかしくそうに語ってくれて、彼の友人の大貫妙子や竹内まりやのディレクターだったこの宮田さんのその後の人生(本書には書かれていない…)を知ることになりました。自分が何者であるか揺れていた時代に身体に刻み込まれた音楽は時を超え場所を超え、こんな
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70年代に入り、安保闘争・全共闘の政治の季節は
潮が引くように去り、新時代の息吹を運んできたのは
「新歌謡曲=ニューミュージック」だった。
ガロ・拓郎・陽水・こうせつ・ユーミンらであり、
これまでの演歌や歌謡曲=オールドに対する
「ニュー」、「非歌謡曲」の出現。
そんなニューミュージック黎明期の1970年、
エポックメーキングなグループが出現した。
ロックバンド「はっぴいえんど」。
ただ、活動は3年と短かく、1972年に解散。
この間に3枚のアルバムを製作。
彼らの音楽の特徴は日本語で歌うロック、
洋楽に引けを取らないハイクオリティな
アレンジ&サウンド。
今では当たり前過ぎることが -
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ネタバレメディアジャーナリストと音楽プロデューサーのコラボレーションを通じて、今後の音楽業界のあり方を考えていく試みのようだ。
かつて音楽メジャーは、レコードやCDの売上と、著作権・著作隣接権の管理の仕組みを以って莫大な利益を得ていた。彼らがその仕組みを維持できた理由は、かつて音楽を消費者に届けるためには、レコーディング、プレス、流通、マーケティングなどに対する主にコスト面での参入障壁が高かったためだ。
この仕組みも悪い面ばかりではなく、莫大な利益の一部を使って新人育成や、メジャー内の小レーベルの維持などを行っていた良い面もあり、一概に否定できることではなかった。しかし、バブルが崩壊しCDの売 -
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ネタバレ①マネタイズの変化
かつてのレコード会社は新人育成・レコーディング・CMとのタイアップによる広告などに投資しCDの売り上げにより利潤を得ていた。しかしデジタル化とコンテンツの多様化によりCD売り上げ市場が縮小化してきた現在ではレーベルも新しいビジネスモデルの構想が迫られている。筆者二人はライブ収入と物販収入に価値を見出している。特にTシャツなどは原価率が低く済むので、「高く、狭く」売るようなファンを囲い込むビジネスの行い方が今後優勢となってくるとみている。この閉鎖性とブランディングは相性が良く、どちらも未来型レーベルのキーとなる概念のようだ。またライブやフェスは年々市場規模を拡大している分野で -
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ネタバレ非常に読みやすい。
CDが売れなくなった理由や背景、好調なライヴ・フェス、音楽業界がどう変わったのか等々分かりやすくまとめられてる。
そしてこれからのレーベルの有り方、まだまだ出来ること、しなくちゃいけないことへ導かれてる。
悲観的なことが全く書かれていない。
”これからのミュージシャンは、音楽以外のところから刺激を受けていった方がいい”という言葉はとても共感できる。
Low High Who?(通称LHW?)というレーベルがまさに未来型レーベルなんじゃないかなと思った。
シンガーであるPranellがレーベルを立ち上げて、自身の音源や描いた絵やアニメを直販する。さらにはPVまで作り上げる -
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音楽ニュースサイト「ナタリー」の代表取締役の津田大介さんと、
音楽プロデューサーなのでしょうか、レーベルをいろいろ作ってこられた牧村憲一さんによる、
これからの音楽の需要と供給についてなどを論じたり、対談したりした本です。
著作権に関するところは難しくてちゃんと理解できないまま読んでしまいましたが、
その他のところ、とくに60年代ころからの音楽史などは、レーベルの名前やミュージシャンの名前を
ちょっと知っているくらいの知識があれば、すんなり読み進められます。
しかし、読んでみると、レコード会社っていうのは、あくどいというか、
弱みに付け込むところもあるし、利益追求しすぎるところもあることが -
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なるほどと頷く部分よりも共感する部分が多かった。それだけ、新時代の音楽やアーティストと一般市民の関係性が実感として近づいて来てるという事なのかな。
CDアルバムは長くなりすぎた。5曲入りくらいのミニアルバムをより安価で販売していくのが良いという津田さんの話は、僕がまさに思っていた事なので、100%同意。
実際、僕の知っている中では、第一回のCDショップ大賞を取った相対性理論のシフォン主義は5曲入り1000円くらいで売ってるし、→Pia-no-jaC←も7曲程度のミニアルバムを2000円程度で販売して、ある程度成功しているように思う。
こうした流れは、リスナーにとっては喜ばしいものだと思う。