長谷川三千子のレビュー一覧

  • バベルの謎 - ヤハウィストの冒険

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    『ブリューゲルのバベルの塔』展を観に行ってミュージアムショップでみつけた本です。

    著者あとがきから
    著者は、ユダヤ教、キリスト教信者でもなく、聖書学の専門的訓練も受けたこともない門外漢で、この本は「学術書」でも「研究書」でもない
    或る一つの謎を追ってゆくことの楽しさを共に味わっていただければ、それが何よりのこと、と考えている。どうぞ気楽にお楽しみ下さい!
    → 若かりし頃『小説「聖書」』を読んで、人間に戦争を起こさせたりする神様ってなんなんだと、理解に苦しみましたが
    長谷川三千子さんの謎解きを読んで、そうだったのか!ということをたくさん知れて面白かったです。
    読み易かったし、本当に気楽に楽しめ

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    2017年10月26日
  • この世の欺瞞 「心意気」を忘れた日本人

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    -2014/11/15
    歯に衣着せぬ本音が随所に見られ痛快。みんなが思っている「胡散臭さ・欺瞞」を白日のもとに。
    『例』
    ①インスタントラーメンの値段を知らなければならないとする「首相に求められる庶民感覚」
    ②政治家には許されないが歌舞伎役者は許される「世襲制」
    ③都議会で質問原稿を棒読みし、元美人女子アナを売りとした議員が求める「男女共同参画の重要性」とそれに対する「ヤジ」
    ④一人暮らしを謳歌したのち最後は国の世話になる「おひとりさま」

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    2014年11月15日
  • 日本語の哲学へ

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    和辻哲郎による問題提起に始まり、パルメニデス、デカルト、ヘーゲル、ハイデッガーによる「存在」への問いを概観しつつ、万葉集を引用しての上代の日本語、漢字の由来にまで議論が及ぶ。哲学と、歴史と、ことばと。面白くて、美しくて、ためになる。西洋哲学の入門書のような価値があると同時に、ことばというものの知的でロマンティックな部分に深く触れることができた価値ある一冊。「あとがき」が『歴史的仮名遣ひ』で書かれているのも印象的。

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    2011年04月02日
  • バベルの謎 - ヤハウィストの冒険

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    某I先生推薦。

    なかなか読み応えがありました。
    絵から聖書の世界に入った私としては、びっくりする内容。

    このように作者に焦点を当てて、聖書を読み取ろうとする試みは、無意味に近い事なのかもしれないが、それでもこのような謎解きは永遠に無くならない。それは、いつでも私たちが知りたがっているから。

    今までに無い語り口に夢中にさせてもらった。

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    2010年07月14日
  • バベルの謎 - ヤハウィストの冒険

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    旧約聖書を、「バベルの塔」の話を主軸において、新たな視点から読み解いたもの。

    ユダヤ教に信仰のある人には不遜な解釈と映る部分があるかもしれないが、旧約聖書を一つの物語りとして読もうとした時、これはなかなか刺激的な参考書になる。

    一つ意見を述べるにしても、その裏付け作業を綿密に行っている。

    文章は読者に語りかける口調で書かれていて、難しいことを書いてある割に理解しやすく親しみやすい。言葉使いが多少冗長な感じを与えるが、じっくり読んでいくタイプの本なので、それほど気にならない。

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    2010年01月10日
  • バベルの謎 - ヤハウィストの冒険

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    提示されている資料を読んだことのない者にはこの本に書かれているヤハウィストの意図が本当かどうか実のところわかりはしないのだが読み物として非常に面白く説得力がある。長谷川さんはもっとこういうのを書いてください。

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    2009年10月04日
  • 日本語の哲学へ

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    和辻とハイデガー、さらにデカルトとヘーゲルの思想を理解する助けになる。文章は読みやすく潔い。第4章までが勉強になる。第5章と第6章は、西洋語でなかなか捉えきれないものが日本語ではできる、ということが丁寧に説かれていて面白いが、だからどうなのか?とも思ってしまう。本居宣長同様、“だから日本はすごい”という気持ちが文章に滲み出ているので、そこはちょっと引いてしまう。

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    2022年08月12日
  • 日本語の哲学へ

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    和辻哲郎の『続日本精神史研究』に収められている「日本語と哲学」という論考を手がかりにしながら、日本語という観点に立つことで西洋から輸入された哲学的な思索がどのような新たな眺望が得られることになるのかを考察している本です。

    前半は、デカルトやヘーゲルらの思想と、それに対して和辻がどのように切り結ぼうとしているのかを明らかにしながら、少しずつ著者自身の問題意識が明らかにされていきます。後半になると、日本語の「もの」と「こと」をめぐる著者自身の思索が展開されます。とくに著者は、「もの」ということばに「無のかげ」が差し入っていることと、「こと」ということばによってその内容が区切られ、際立たされている

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    2017年12月15日
  • からごころ - 日本精神の逆説

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    「からごころ」をはじめ、五編の論考を収録しています。

    本居宣長と小林秀雄の議論を読み解く著者は、宣長を「「日本人であること」といふ問題を発見してしまつた人、そしてそのことによつて自らは日本の内からはみ出してしまつた人」と規定します。宣長が見ようとした「やまとごころ」は、「漢意」を玉ねぎの皮のように剥がしていくことで後に残されるようなものではありません。彼が見いだしたのは、意識的な中国崇拝ではなく、善悪是非の判断のような普遍的な原理として、知らず「漢意」を取り入れてしまっている、「漢意」を「漢意」として知ることのない、日本人の盲目ぶりでした。そして著者は、日本人が発明した訓読において、漢文が中

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    2017年11月30日
  • この世の欺瞞 「心意気」を忘れた日本人

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    メディアを鵜呑みにしないで俯瞰する。自分で考える。ができてない人がまだまだたくさんいるんだろうけどこういうザックリ切る系は面白い。

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    2015年01月22日
  • 日本語の哲学へ

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    和辻哲郎が「日本語の哲学」を目指したことを受け、その思い、チャレンジの経緯を探りながら、デカルト、パルミニデス、ハイデッガーといった哲学者たちと「日本語」をもって切りむすぶ、知的バトルが繰りかえされる。

    最後、万葉集という日本の先祖が使ってきた「言葉」、「もの」、「こと」の奥の深さの探求があり、日本語をもってする日本人の「知の希求」の道が将来もっと、もっと開かれていることを期待したい。

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    2011年07月21日
  • 日本語の哲学へ

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    ネタバレ

    日本語の哲学について考えさせられた本。全体として和辻氏の論文を中心にして、その間で論考が行われているように読める。

    全体として、面白い。スリリングといっても良いような内容。哲学をするうえでは言語というのは非常に重要であるという事を再認識させてもらった。

    入門書ではないが、哲学の本としては面白く、お勧めだと思う。

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    2011年06月23日
  • 日本語の哲学へ

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    人は考えるとき、必ず何語であれ、どれかの言葉で考える。そして、言葉が概念を切り取る。そのため、考えるとき、自分の言語の影響を受ける。西洋の言葉で考えられてきた哲学を日本語でとらえ直そうという和辻氏の言葉を受けてかかれてもの。特に、「存在」と「存在者」の関係を、「もの」「こと」という日本人が昔から自然に使ってきた言葉を見つめ直している。

    万葉集などの和歌までさかのぼり、「もの」には無のかげがちらついている、例えば、 物悲しいとか、という見つめ直しが面白かった。
    ただ、人の考えの批評が多く、もうひとつ踏み込んで議論してほしかった。
    未完という意味で「日本語の哲学へ」なのだろう。

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    2011年05月12日
  • 日本語の哲学へ

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    かつて、西洋哲学の巨人達は自分の「母語」に無自覚であったために心理追求の隘路に陥ってしまった。西洋哲学のテーマである「存在」の解明にはギリシア系の言語やヘブライ系の言語よりも、「漢字を日本語化」した日本語で解明した方がよい。時に哲学の概論というよりも哲学そのものになってしまって、訳が判らなくなる部分もあったが、理詰めで読み解かれるテーマはとてもスリリング。

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    2011年08月19日
  • 神やぶれたまはず 昭和二十年八月十五日正午

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    敗戦、戦後の虚脱感を知る

    桶谷氏の昭和精神史に触発された本です。
    昭和20年8月15日以後、いろいろな生き方があった。死ぬ気でいた人、力が抜けていった人、とにかく家族を食べさせなくてはと、がむしゃらに買い出しした人、
    詩人、伊東静雄のことを調べていて、この本に出会った。
    昭和天皇の話など、小林よしのりの昭和天皇を読んでいると、スッと入ります。
    奇跡に近い、終戦、その後の流れ、不満やいろいろな抑圧、解放、自由など、あったはずだ。
    人々は、どん底から、悪戦苦闘してきた。
    いろいろあった。
    ありがとうございます。

    #深い

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    2021年05月10日
  • 神やぶれたまはず 昭和二十年八月十五日正午

    購入済み

    日本の国体

    日本の国体とは即ち、天皇陛下と臣民との紐帯であり、それが破壊された際の重みがいかほどであったか、多方面から述べて、その姿形を明らかにしようとしています。日本の国体が何なのかを、とことん考えたい方に対しては、お薦めです。筆者の語ろうとする感覚は、私には無いものであり、すでに日本の国体が失われた証左なのかと推測されました。

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    2021年05月05日
  • 日本語の哲学へ

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    大学の課題のために読んだ。そうでなければパルメニデスの「哲学詩」のところで挫折して読み切れなかっただろう。哲学の「難関(アポリア)」に立ち向かう際においての日本語と西洋語の違いを考察するという内容。ただ私の思想には反していた。

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    2020年01月25日
  • この世の欺瞞 「心意気」を忘れた日本人

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    安倍政権のゴリ押しぶりには、うんざりしている私。
    この著書、2014年発行で、安倍応援団と自称する二人。

    あれだけ勉強して、あれだけ忙しく多くのことを成した総理大臣はないと言うのが評価だが。

    この後、加計学園事件など諸々の忖度事案の腐った問題をうやむやにしてる現状で、どうにもこうにも、評価できないと言う立場の私だが、読んでみた。



    細かい部分、特に少子化問題の現実などは共感できるし、若い人たちが起こした安倍晋三をもう一度総理にする「プロジェクトA」

    この本が書かれた時点では、諸々の悪影響が見えていなかったかもしれないが、なんとも読んでて、こんな頭のいい人たちでも見えていなかった真実が

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    2020年01月03日
  • 九条を読もう!

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    この類の議論は、成立当初の理念については「思われる」「考えられる」の世界に入ってしまい、結局のところ、現代に生きるものが、現在の価値観で選び取っていくしかないのではないだろうか。

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    2015年11月28日
  • 日本語の哲学へ

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    【目次】
    1. 日本語と哲学
    2. デカルトに挑む
    3. 「ある」の難関
    4. ハイデッガーと和辻哲郎
    5. 「もの」の意味
    6. 「こと」の意味

    【概要】
    物事をどのように理解するかは、言葉の形によって左右される。
    「存在とは何か」という哲学の根本命題を日本語で思索する場合にも、西洋哲学の用語を翻訳して理解しただけでは不十分であり、まずは日本語自体のもつ「わかり」の形を明らかにしなくてはならない。
    そうした道具立てをしっかりとした上で、日本語の哲学が始まる。

    【感想】
    結局、「もの」と「こと」との根本義について、筆者の見解を述べただけで終わる、中途半端な内容。
    物事が次々に生じては消えて

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    2013年06月02日