日本語の哲学へ

日本語の哲学へ

770円 (税込)

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3.9

「日本語の哲学」を目指すとは、いったいどんなことなのか。―少なくともそれは、古代ギリシャに始まった西洋の哲学をただ日本語で受容する、ということではないはずである。かつて和辻哲郎が挑んだその課題は、いま、もっとも挑戦しがいのあるテーマとして研究者を待ちかまえている。ここに展開するのは、パルメニデス、デカルト、ハイデッガーといった哲学者たちと、「日本語」をもって切りむすぶ、知的バトルの数々である。これまでに類を見ない知的冒険の姿がここにある。

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日本語の哲学へ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2011年04月02日

    和辻哲郎による問題提起に始まり、パルメニデス、デカルト、ヘーゲル、ハイデッガーによる「存在」への問いを概観しつつ、万葉集を引用しての上代の日本語、漢字の由来にまで議論が及ぶ。哲学と、歴史と、ことばと。面白くて、美しくて、ためになる。西洋哲学の入門書のような価値があると同時に、ことばというものの知的で...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月12日

    和辻とハイデガー、さらにデカルトとヘーゲルの思想を理解する助けになる。文章は読みやすく潔い。第4章までが勉強になる。第5章と第6章は、西洋語でなかなか捉えきれないものが日本語ではできる、ということが丁寧に説かれていて面白いが、だからどうなのか?とも思ってしまう。本居宣長同様、“だから日本はすごい”と...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年12月15日

    和辻哲郎の『続日本精神史研究』に収められている「日本語と哲学」という論考を手がかりにしながら、日本語という観点に立つことで西洋から輸入された哲学的な思索がどのような新たな眺望が得られることになるのかを考察している本です。

    前半は、デカルトやヘーゲルらの思想と、それに対して和辻がどのように切り結ぼう...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年07月21日

    和辻哲郎が「日本語の哲学」を目指したことを受け、その思い、チャレンジの経緯を探りながら、デカルト、パルミニデス、ハイデッガーといった哲学者たちと「日本語」をもって切りむすぶ、知的バトルが繰りかえされる。

    最後、万葉集という日本の先祖が使ってきた「言葉」、「もの」、「こと」の奥の深さの探求があり、日...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年05月12日

    人は考えるとき、必ず何語であれ、どれかの言葉で考える。そして、言葉が概念を切り取る。そのため、考えるとき、自分の言語の影響を受ける。西洋の言葉で考えられてきた哲学を日本語でとらえ直そうという和辻氏の言葉を受けてかかれてもの。特に、「存在」と「存在者」の関係を、「もの」「こと」という日本人が昔から自然...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年08月19日

    かつて、西洋哲学の巨人達は自分の「母語」に無自覚であったために心理追求の隘路に陥ってしまった。西洋哲学のテーマである「存在」の解明にはギリシア系の言語やヘブライ系の言語よりも、「漢字を日本語化」した日本語で解明した方がよい。時に哲学の概論というよりも哲学そのものになってしまって、訳が判らなくなる部分...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年01月25日

    大学の課題のために読んだ。そうでなければパルメニデスの「哲学詩」のところで挫折して読み切れなかっただろう。哲学の「難関(アポリア)」に立ち向かう際においての日本語と西洋語の違いを考察するという内容。ただ私の思想には反していた。

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    Posted by ブクログ 2013年06月02日

    【目次】
    1. 日本語と哲学
    2. デカルトに挑む
    3. 「ある」の難関
    4. ハイデッガーと和辻哲郎
    5. 「もの」の意味
    6. 「こと」の意味

    【概要】
    物事をどのように理解するかは、言葉の形によって左右される。
    「存在とは何か」という哲学の根本命題を日本語で思索する場合にも、西洋哲学の用語を...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2011年06月23日

    日本語の哲学について考えさせられた本。全体として和辻氏の論文を中心にして、その間で論考が行われているように読める。

    全体として、面白い。スリリングといっても良いような内容。哲学をするうえでは言語というのは非常に重要であるという事を再認識させてもらった。

    入門書ではないが、哲学の本としては面白く、...続きを読む

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