倉狩聡のレビュー一覧

  • かにみそ
    2本の小説が書かれた本。
    どちらも愛情不足でそだった男性が主人公のお話。どんな関係にもいつか別れが来るということを教えてくれた。読み終わるとちょっぴり切なくなりました。
  • かにみそ
    どんなものでも食べる、人語を話す蟹。主人公はそんな蟹を面白がり、飼い始める。
    設定も面白いし、蟹のキャラクターも楽しかった。
    一方、同書に収録されている『百合の火葬』は、気味の悪さが際立つホラーだった。
    それぞれ毛色の違うホラーで、楽しく読むことができた。
  • いぬの日
    この作者の小説「かにみそ」と並んで売られていたので一緒に買ってみた一冊。

    いぬの復讐の話しだった。

    読み終えおもったのは、元をたどると人間が悪い

    悪質なブリーダー、仔犬の時だけかわいがる家族、ちょっと変な噂がでるとすぐ飼育放棄する他人など

    そして捨てられた犬は殺処分

    実際ペットがしゃべる事...続きを読む
  • かにみそ
    おすすめの小説だというのを見て買った一冊。

    かにの話と百合の話の2つの話の小説だった。

    蟹の話は、クソみたいな青年が、拾った蟹を育てて行くにつれて、まともっぽい人間に成長していく話だった。

    蟹は友達は食べないと言っていたが、青年は友達を食べてしまう。

    なんかいい話みたいな感じで話は終わったが...続きを読む
  • かにみそ
    【購入きっかけ】
    「短編 ホラー」で検索すると上位にヒットするので購入。

    【感想】
    表題作「かにみそ」は面白かった。
    主人公と蟹の対比がいい。死んだ人間をただの食糧とみなす蟹に対し、主人公ははじめこそ蟹が人間を食べる様子を楽しんでいたが、やがて罪悪感に苛まれ、このままではいけないと思う。また、蟹は...続きを読む
  • かにみそ
    角川ホラー文庫から出版され、2013年の日本ホラー小説大賞、優秀賞受賞作品。食事をして人語を解す不思議な蟹との泣けるホラー!と、銘打たれていたのでそういえばホラー小説ってあんまり読んだことないな(乙一の「夏と花火と私の死体」くらいかな)、どんなんだろう、と思って読んだんですが、これはもはや純愛小説...続きを読む
  • かにみそ
    匂い系と聞いて。確かに妖しい関係ではあるけど、蟹は“蟹”であり、時折少女に比喩されているからか、男同士のあれこれを想像する余地もなかった。お互いが食べられても良いなんて究極の何かであるのは確かなのだが。
    ちょっと残念なのは色々と説明不足で雰囲気で押し進めているような。サイコパスも人の子でしたか…
  • かにみそ
    自分を誰よりわかってくれる大切な存在が、許されない性を持っているとき、どうするのか――せつなく苦いホラーです。
  • かにみそ
    表題作、無邪気な蟹がどんどん怪物化してゆく不気味さがとてもよい。イノセントさが他者にとっての脅威になってゆくというのが、すごく皮肉で好き。そしてラスト、ずっと不気味だった蟹のイノセンスが涙を誘う。別に悪意があったわけではなくて、心のままに無邪気に生きたというだけだった。そしてそれが心底邪悪な行動だっ...続きを読む
  • かにみそ
    「かにみそ」
    なるほど、かにみそってここからね。


    第20回日本ホラー小説大賞の優秀賞を受賞した「かにみそ」。読者賞「ウラミズ」と競り合っての受賞とのことで、更に選考委員に貴志祐介、宮部みゆき、高橋克彦、荒俣宏、って荒俣宏!?荒俣宏ってホラー小説書いてるの?とかて、でもってユニークな題名でどうやっ...続きを読む
  • かにみそ
    変なタイトルと、西島大介の可愛い表紙絵、そして「ホラー」という組み合わせの妙で、つい読んでしまった。
     蟹が人を食べ始めると、タイトルから結末は見えるので、驚きはないし、別に「泣ける」こともないが、蟹のキャラクターが、ごく普通の人間の青年という感じで、なかなか面白かった。「喧嘩両成敗」って、食欲に負...続きを読む
  • かにみそ
    ホラーなのにこのイラスト、そしてこのタイトル!毎回見かけるたびに気になっていた。カニ可愛い。
    読み進めるとどんどんカニが愛おしくなってくる。生きるために食べる。食べちゃいけないなら死ぬしかない。シンプルな発想だけど、友達のためになりたかったんだろうなと思うと切ないね。食べることもまた愛か。
  • かにみそ
    かにみそは、怖いというよりは、救いを感じる。
    不思議なお話だけど、蟹と主人公の絆が偽善すぎるほど美しいところも現実離れしててかえっていいと思う。
    百合の火葬は、不思議すぎて頭が追いつかない…。結局、百合は人に何をもたらしたの?
    ぼやけすぎたラストにもやもやした。
  • かにみそ
    文庫本を購入。切ないホラーファンタジーのジャンルになるかな。海辺で拾った蟹を育てるうちに喋り出す。しかも賢い。生物原理に基づいて生きるために肉も食うようになり人間も食べ始めるのだが…最後は切ない展開で感傷に浸る余韻が残る。百合の火葬の話も切ない。百合の花が意思を持っていて、人間の記憶など吸い取り老化...続きを読む