倉田真木のレビュー一覧

  • 絶海 英国船ウェイジャー号の地獄

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    実際に起ったイギリス船の挫傷と船員の帰還を描いた本。非常に面白かったです。
    通常は統率の取れた船上と大きく異なり、無人島にたどり着いてから起こる食料不足や希望の喪失といった厳しい状況では、ルールやモラルを保つことが難しく、派閥の形成による衝突が実際に起こることが描かれています。これと比較すると、一般的な社会でよく起こる組織間の衝突が、非常に些細なことのように見えてきます。
    帰還した船員の残した資料が多いことや、これまでに多くの著者がこの一連のエピソードをまとめてきた経緯から、非常に多くの参考文献を掲載されており、内容をより重厚なものに仕上げています。

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    2025年03月16日
  • 絶海 英国船ウェイジャー号の地獄

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    ドラマチックに仕上げてるわけでもなく、たんたんと事実を書いてある。それなのに入念な調査のおかげかリアリティがあった。生きるか死ぬかの状況で、体力、精神力、人間性が隠しきれない。どんなに極限で野蛮になっても、最後の最後までほんの少しでも社会性が残っていたのに驚いた。船乗りってすごい。
    読むのにパワーが必要だった。

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    2025年02月05日
  • 絶海 英国船ウェイジャー号の地獄

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    この作家による(花殺し月の殺人)を読んでいて、失敗しないかなと、思って読み始めた。難破船とか、遭難物は、あまり読んでいなかったので、想像を超える状況には、絶句し、読むスピードも、どんどん早くなっていきました。
    この時代の、世界情勢や、倫理観も、わかるし、何より、サバイバルな生存競争、そして最も深く考えさせられたのは、南極に近いあの地理的状況、海の凄まじさ、緯度経度、地図他不正確もしくは、全くわからない、現在では、考えられない危機的状況を、乗り越えて行った部分でした。
    なんとか生きて戻ってからの、立場や、苦難も、それは大変だったとは、思うが、何より生還できて良かったな!

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    2024年08月14日
  • 絶海 英国船ウェイジャー号の地獄

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    エンデュアランス号を先に読んだ。絶海は18世紀のロビンソンクルーソーに端を発する海洋冒険物語の帝国植民地政策と南米大陸の覇権をスペインと争っていた時代のイギリス海軍が対スペイン帆船拿捕のための作戦のために出港した船が難破して、不毛な無人島で漂流生活をおくる話である。著者は当時出版された航海日誌や未発表の日誌から取材をして書いている。

    漂流生活はエンデュアランス号よりもキツイ。壊血病などでとんでもない数が死ぬ。医療が未発達で病気の原因がわかっていない。無人島上陸後は集団の中で対立がおきて雰囲気が悪くなる。人間関係の話だ。蠅の王みたいな感じ。

    凄まじいサバイバル生活のあとでも暮らしは豊かになら

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    2024年08月07日
  • 絶海 英国船ウェイジャー号の地獄

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    【感想】
    1740年に大英帝国を出発した軍艦「ウェイジャー号」は、南米大陸最南端のホーン岬付近で嵐に巻き込まれ、難破した。乗組員は近くの島に上陸し、5か月間サバイバル生活を送ることになる。その島は嵐が吹き荒れ氷点下0度近くになる絶海の孤島であり、めぼしい食料は貝や海藻、いくばくかの野草しかない。厳格な軍規で律せられていたはずの英国士官たちは、飢餓の中で次第に狡猾・残忍になり、窃盗や食人を犯すほど追い詰められていく――。

    本書『絶海』は、大英帝国とスペインが海の覇権を争っていた18世紀、英国艦「ウェイジャー号」の航海と遭難、そして乗組員が帰還するまでの壮絶な出来事を描いたノンフィクションである

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    2024年06月05日
  • キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生

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    ネタバレ

    2024年1冊目
    映画を見て、レビューからこの本に辿り着いた。
    3つの時代に区切られてて、オセージ族、FBI、現代の構成になってる。翻訳者も書いてるけど著者の取材量がすごい。この原作からあの映画へ構成したスコセッシ監督もすごいな。当初、ディカプリオはトム・ホワイト役をやる予定だったらしく、あの脇役?と思ってたからこちらを読んで納得した。
    ヘイルだけが主犯ではなくこの町全体がそういうことをしてて、これが現実にあったのが信じられないぐらい理解不能な状況。でもこれが実際にあったのか、、お金の価値ってなんなんだろう。
    生きるにはお金が必要だけど、必要以上なお金っているのか?人を殺してまで手に入れるお金

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    2024年01月31日
  • キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生

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    ネタバレ

    映画のほうは評判良いらしいし、題材も連続殺人でミステリーとしても面白そうだなと軽い気持ちで興味持って読んだら打ちのめされた。これが人間のやることか。絶望する。

    面白かった。と軽々しく言えない。読むべきではあるが、安易に楽しんではいけない辛さがある。

    1章。語り口は小説というよりドキュメントで、読みやすい。事実に付随して最小限の脚色(表情や仕草)で読みやすい。犯人はあの人かなあ、みたいなぼんやりとした想像は出来るけど、とにかく何が起きていったのかを追っていく感じで面白かった。そして結局わからずじまい。
    2章。FBIとトム・ホワイトの掘り下げが面白かった。トム・ホワイトの人柄が良い。不正に加担

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    2023年11月09日
  • キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生

    nas

    テーマも読み物としても最高

    1920年代アメリカ、埋蔵されていた石油資源によっての資産家になった先住民オセージ族の連続不審死事件を追ったノンフィクション小説。2人の他殺死体発見から話が始まるものの被害者がインディアンってのもあってか捜査が進まない。被害者一族は私立探偵をダースで雇って自力で解決に挑むものの上手くいかず、そこに現れるのが後にFBIになる組織ってこの時点で面白そうなんだけど、この先がまた凄い。この本は3部構成で1部、2部も良いけど3部が本編。当時の空気感や情勢を感じさせてくれるような良い本だった

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    2023年10月20日
  • リー・クアンユー、世界を語る 完全版

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    ネタバレ

    ・良書
    ・巻末に本のまとめがある
    ーーーーーーーーーーーーーー
    【メモ】
    ・想定外の気候→災害
    ・高台の土地⇔地球温暖化による水没
    ・食料(農業)系のリスク⇔それ故のビジネスチャンス
     ⇔世界の人口増加

    ・地球温暖化と気候変動
    ・ヒトゲノムのマップは解明された→飛躍的な医療の進歩→寿命伸びる
    ・技術保有者、高学歴者は先進国の先端分野のハイレベルな仕事に、その逆は貧しい国から身動きできなくなる。益々格差が広がる
    (追い上げる途上国からよりたくさんの優秀な労働力が供給される)

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    2014年04月26日
  • リー・クアンユー、世界を語る1 中国の野心と戦略とは?

    購入済み

    ぜひ!

    ぜひ!読むべきです!

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    2014年01月09日
  • リー・クアンユー、世界を語る 完全版

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    とくに国の発展というビックテーマについての洞察が深い。リーダーのあり方、資質について考えさせられる。良書。

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    2014年01月03日
  • リー・クアンユー、世界を語る 完全版

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    海外の学会に参加する際の往復の飛行機の中で読破.

    これからの世界において,中国が中心となっていくのは避けられない. 日本が徐々に存在感が薄くなってしまっていく中で, どうやって存在感を発揮していく事ができるのか?

    冷静に現状を判断した上で自分達の国にあっているもの,そして制度を取り入れながらこれからの世の中を乗り越えていく必要がある.

    最後のまとめがあるのが非常によかった.

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    2013年11月11日
  • 【閲覧注意】ネットの怖い話 クリーピーパスタ

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    海外版の『洒落怖』みたいな怖い話を集めたクリーピーパスタ。日本の幽霊話とはまたちがうなぁ、存在感がドンッとはっきりしてるな……と面白さもありつつ、
    よくわからない怪物に襲われたり、妄想に取り憑かれたりそういうのが人気なのかぁと海外で好まれる怖さを堪能しました。いちばんリアルで読みながらやめろぉって声がでそうになったのは、「おチビちゃん」
    これは本当にゾッとしました。

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    2025年10月06日
  • 絶海 英国船ウェイジャー号の地獄

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    1740年にイギリス艦隊がホーン岬を回って座礁した事件。海の迫力、悲惨な病気、飢えと人間の生存競争などなど迫力満点の読み応え。そもそも他人のものを奪おうとする時点でジェントルマンじゃないでしょ。

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    2024年09月23日
  • 絶海 英国船ウェイジャー号の地獄

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     1740年に250人の乗組員でイギリス・ポーツマスを出航したウェイジャー号は、当時の覇権国家スペインのガレオン船を拿捕し、金品を奪うことが目的だった。航海は熾烈を極め、当時まだ未知の病だった壊血病や伝染病に多くの乗組員が倒れ、そして壮絶な嵐の中で南アメリカ大陸最南端のホーン岬を回ったあたりでついに難波してしまう。

     後にウェイジャー島と呼ばれるようになる島に上陸した時には、乗員は145名になっていた。

     無人の荒涼とした島には何もなかった。飢えと裏切り、極限の状態の中で人肉食。極限の中で生き残るために軍紀を守ろうとする人、生き残るために上官に反旗を翻すもの。

     極限の状況の中での判断、

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    2024年08月26日
  • 絶海 英国船ウェイジャー号の地獄

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    1740年9月18日にポーツマスを出港した元商船の軍艦「ウェイジャー号」、その壮絶な航海の記録から紐解かれた考察の一冊です。
    国家事業としてのスペイン商船拿捕・鹵獲…つまり海賊のような略奪を任務にする本船は、志半ばで座礁し乗組員は無人島へ漂着することになります。
    海の男が陸に上がると船での階級意識が薄れてしまうのか、反乱が常に起こり得る日々が続くことになりました。
    そして遂に島に残る船長チープ組と脱出する組とに分裂し、この軋轢は彼らの人生を通して響くことになるのです。
    奪い合い、殺人、人肉食などの極限状態が資料を基に現実味を帯びた筆致で描かれます。

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    2024年06月29日
  • キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生

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    映画鑑賞後に読んだので、スコセッシの脚色のすごさ、ドキュメンタリーとしての堅実さ、と様々な角度から読みごたえのある本だった。あとはヘイルの実物写真を見ると、なんだか余計にエグ味が増して本物の闇を感じた。

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    2024年01月05日
  • キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生

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    なかなかにえぐい。
    著者の強い執念が感じられる情報の多さ。
    ノンフィクション作品を書く上でまさにお手本のような本。
    利益を得るためならクズにもゴミにもバカにもなる近代的合理主義の人間たち。

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    2023年10月22日
  • 【閲覧注意】ネットの怖い話 クリーピーパスタ

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    アメリカのネット発ホラー短編アンソロジー。
    日本ものとはやはりかなりテイストが違っていて、クリーチャーが出てくる血みどろものが多い。ここらへんはホラー映画の影響だろうか?
    収録されているものは何処かで読んだり見たりしたようなものが多く、クオリティはそれほど高くない。そんな中ではマックス・ロブデルの「おチビちゃん」「舐める熊」の2作はちょっと毛色の違うネットロアや都市伝説的な傾向の強い作品で(収録作の中では)異色を放ってる。「おチビちゃん」は若い娘がダイエットのために職場から放射性物質を盗みだし呑んでしまい酷い目に会うというもの。「舐める熊」は情緒不安定な主人公がトレパネーションにハマり頭を穴だ

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    2022年09月20日
  • リー・クアンユー、世界を語る 完全版

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    第二のシンガポールは...?

    シンガポールが、ここまで発展した理由を知りたくて読みました。出版から時間は経っていますが、物事の本質を見抜いていて、全く古さを感じませんでした。
    中国やインドについて、言語や法の問題が根深いこと、ロシアについても、別の問題が潜んでいることを知りました。
    日本については、これからの行政改革と我々個人の努力次第で可能性が開けると思いました。

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    2020年11月11日