作品一覧

  • 絶海 英国船ウェイジャー号の地獄
    4.3
    1740年9月18日、軍艦5隻を中心とした小艦隊がポーツマスを出港した。そこには、かつての商船から大砲28門を備えた六等艦へと生まれ変わった「ウェイジャー号」と250人の乗組員の姿もあった。スペインのガレオン船を追うという密命を帯び、意気揚々と出発した艦隊だったが、航海は凄絶を極め、謎の伝染病で多くが死に至り、南米大陸南端を航行中ついに嵐に飲み込まれてしまう。隊からはぐれ、無人島へと流れ着いたウェイジャー号の乗組員たち。そこで繰り広げられたのは、悲惨な飢えとの戦いだった。武器や食料を奪い合い、殺人や人肉食にまで及ぶ者が現れ、それでも極限状態を生き延びた者たちは、やがて対立する二組に分かれて島を脱出する。骨と皮になり果てながら母国へと帰還した33人を待ち受けていたのは、非情なる裁判だった。絶海の孤島に隠された真実とは? 彼らが犯した真の罪とは?全米で300万部を突破した『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』著者が、生存者の日誌や証言をもとに、ウェイジャー号の運命を克明に描き出す。アメリカ、イギリス、フランスでベストセラーになったサバイバルノンフィクション。
  • キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生
    4.1
    【映画化原作】マーティン・スコセッシ監督×レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ、ジェシー・プレモンスら出演【2023年10月20日(金)全国の映画館で公開/Apple TV+で後日配信予定】1920年代、禁酒法時代のアメリカ南部オクラホマ州。先住民オセージ族が「花殺し月の頃」と呼ぶ五月に立て続けに起きた二件の殺人。それは、オセージ族と関係者二十数人が相次いで不審死を遂げる連続怪死事件の幕開けに過ぎなかった――。私立探偵や地元当局が決定的な容疑者を絞れず手をこまねくなか、のちのFBI長官J・エドガー・フーヴァーは、特別捜査官トム・ホワイトに命じて大がかりな捜査を始めるが、解明は困難を極める。部族の土地から出る石油の受益権のおかげで巨額の富を保有するようになったオセージ族を取り巻く、石油利権と人種差別が絡みあった巨大な陰謀の真相とは? 米国史の最暗部に迫り、ニューヨーク・タイムズ他主要メディアで絶賛された犯罪ノンフィクション。『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』として刊行された作品を文庫化・改題。

ユーザーレビュー

  • キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生

    Posted by ブクログ

    冒頭からかなり好みの文章でのめり込んで読んだ。作者によって綿密に調べ上げられた圧倒的な情報量と、整理された読みやすさに驚く。
    現地の様子、のちのFBIの捜査官の視点、さらに記者(著者)の目線と三部構成で語られるこの一連の事件は、想像以上にどこまでも闇深く、最後までページを捲る度に驚愕の連続だった。石油の発掘がこの地にもたらした巨額の富は、現地の人々の生活を豊かにするだけではなく、差別や搾取の蔓延、組織の腐敗…を根深くさせていく。濃密なノンフィクション、悍ましく肝が冷えたが、完成度の高さに感動。傑作。

    0
    2025年12月19日
  • 絶海 英国船ウェイジャー号の地獄

    Posted by ブクログ

    実際に起ったイギリス船の挫傷と船員の帰還を描いた本。非常に面白かったです。
    通常は統率の取れた船上と大きく異なり、無人島にたどり着いてから起こる食料不足や希望の喪失といった厳しい状況では、ルールやモラルを保つことが難しく、派閥の形成による衝突が実際に起こることが描かれています。これと比較すると、一般的な社会でよく起こる組織間の衝突が、非常に些細なことのように見えてきます。
    帰還した船員の残した資料が多いことや、これまでに多くの著者がこの一連のエピソードをまとめてきた経緯から、非常に多くの参考文献を掲載されており、内容をより重厚なものに仕上げています。

    0
    2025年03月16日
  • 絶海 英国船ウェイジャー号の地獄

    Posted by ブクログ

    ドラマチックに仕上げてるわけでもなく、たんたんと事実を書いてある。それなのに入念な調査のおかげかリアリティがあった。生きるか死ぬかの状況で、体力、精神力、人間性が隠しきれない。どんなに極限で野蛮になっても、最後の最後までほんの少しでも社会性が残っていたのに驚いた。船乗りってすごい。
    読むのにパワーが必要だった。

    0
    2025年02月05日
  • 絶海 英国船ウェイジャー号の地獄

    Posted by ブクログ

    この作家による(花殺し月の殺人)を読んでいて、失敗しないかなと、思って読み始めた。難破船とか、遭難物は、あまり読んでいなかったので、想像を超える状況には、絶句し、読むスピードも、どんどん早くなっていきました。
    この時代の、世界情勢や、倫理観も、わかるし、何より、サバイバルな生存競争、そして最も深く考えさせられたのは、南極に近いあの地理的状況、海の凄まじさ、緯度経度、地図他不正確もしくは、全くわからない、現在では、考えられない危機的状況を、乗り越えて行った部分でした。
    なんとか生きて戻ってからの、立場や、苦難も、それは大変だったとは、思うが、何より生還できて良かったな!

    0
    2024年08月14日
  • 絶海 英国船ウェイジャー号の地獄

    Posted by ブクログ

    エンデュアランス号を先に読んだ。絶海は18世紀のロビンソンクルーソーに端を発する海洋冒険物語の帝国植民地政策と南米大陸の覇権をスペインと争っていた時代のイギリス海軍が対スペイン帆船拿捕のための作戦のために出港した船が難破して、不毛な無人島で漂流生活をおくる話である。著者は当時出版された航海日誌や未発表の日誌から取材をして書いている。

    漂流生活はエンデュアランス号よりもキツイ。壊血病などでとんでもない数が死ぬ。医療が未発達で病気の原因がわかっていない。無人島上陸後は集団の中で対立がおきて雰囲気が悪くなる。人間関係の話だ。蠅の王みたいな感じ。

    凄まじいサバイバル生活のあとでも暮らしは豊かになら

    0
    2024年08月07日

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