鹿田尚樹さん『10分間リーディング』、小山龍介さん『スタディ・ハック!』などで紹介された、「学び」や「教える」技術について解説した1冊。
特に、教えることの効果を前半部分で紹介していますが、これはまさに実感できるものと思います。
研修を行うときも、専門の研修講師を連れてくるだけでなく、同じ立場の者が
...続きを読む教え、教えることで学ぶ。このいいスパイラルを形成していきたい。
本書に書かれていることはもっともなことが多いが、どこまで、実践できるかというと難しいところもある。このあたりは、コストと効果のどこでバランスをとっていくか。しかし、理論としては参考になると思う。
研修内容をいかに職場で活用するのかといった点では、職場の環境、特に上司の姿勢で大きく左右されるようだ。受講者だけをとらえるのではなく、職場全体としてアプローチしていく姿勢が常に必要になると思います。
<この本から得られた気づきとアクション>
・学びは多様なもの。一律にとらえるものではない
・研修は手段であり、場合によってはやらないことが効果的なこともある
・職員から講師を育てることで、多面的な学びを創造する
老子「聞いたことは、忘れる。見たことは、覚える。やってことは、わかる」
老子の言ったことを数字で表したアメリカの研究者の結果(数字は、記憶に残る割合を表している)
聞いたことは、10%
見たことは、15%
聞いて見たときは、20%
話し合ったときは、40%
体験したときは、80%
教えたときは、90%
行動主義(教えることが明確、いかに効果的・効率的に教え込んでいくか)
↓
構成主義(知識は与えられるものではなく、個人の知識や体験をベースに自らの知恵を作り出すもの)
学びの原則
①人は皆、常に学んでいる
②安心して学べる環境が大切である
③積極的に参加できるとよく学べる
④意味のある内容や中身を扱うことでよく学べる
⑤選択できるとよく学べる
⑥十分な時間があるとよく学べる
⑦協力できるとよく学べる
⑧振り返りとフィードバックがあるとよく学べる
⑨互いに讃え合ったり、教え合える機会があるとよく学べる
マルチ能力(人間が生きるために使う多様な力)
・言語能力
・論理的-数学的能力
・空間能力
・音感能力
・人間関係形成能力
・自己観察・管理能力
・自然との共生能力
変化の原則
①変化は、プロセスである
②変化は、個人よりもチームが対象の方が効果的である
③変化には、コミュニケーションが大切である
④変化には、サポートが大切である
⑤変化は、バランスがとれているときは起こらない
⑥変化には、大きいビジョンと段階的な目標が大切である
⑦変化には、学びが伴うものである
思考力についてベンジャミン・ブルームというアメリカの研究者が『教育のねらいの分類』という論文で「思考は、6段階にレベル分けできる」ことを提唱
①知識-暗記力(事実やことばややり方や分類などを知っている)
②理解-内容を解釈したり、言い換えたり、説明したり、推し量ったりする能力
③応用-知識を1つの状況から別の状況に移すことができる能力
④分析-全体の中の部分を見つけたり、区分けしたりできる能力
⑤統合ー部分を組み合わせて統一された全体をつくりだせる能力
⑥評価-基準を使って情報の価値や使い道を判断できる能力
<目次>
プロローグ 私の「教え方」史
第1章 間違った習慣からの脱出
第2章 よりよい「学び」をつくるための5つのポイント
第3章 「学び」のサイクル
第4章 仕事や生活に活かす
第5章 「学び」をサポートするためにすべきこと
資料編