鴨志田穣のレビュー一覧
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西原理恵子さんの元旦那さんの筆による作品。
どうしようもないアル中の筆者と、それを見捨てることなく(毒舌まみれではあるが(笑))、世話を焼く(元)奥様、それからその子供たちが織り成す何とも暖かい家族愛。
決して誉められたものではないが、ほのぼのの中に、随所に奥様に対する感謝の気持ちが感じられて、悪く...続きを読むPosted by ブクログ -
西原理恵子の夫だった著者のほぼ実体験の話だと思う。
フィクションとしてあったが概ねノンフィクションなのではないだろうか。
アルコール依存症で入院という重いテーマを軽く書きあげている。
塀の中の懲りない面々のように濃いいキャラの人ばかりでてきて、感心する。
最後、酔いをさまして、うちに帰る主人公が哀し...続きを読むPosted by ブクログ -
西原理恵子の元夫で戦場カメラマンの鴨志田穣の本なですが、
腎臓がんで無くなっていてその原因はアルコール中毒。
そのアルコール中毒の療養のための入院生活を綴った本です。
闘病生活と戦場カメラマンの話題とあるかなと思ったものの基本的には闘病生活について書かれています。
とはいえ、アルコール中毒となっ...続きを読むPosted by ブクログ -
鴨志田氏が亡くなっているからこそ、しんみりと冷静に読める。しかし、彼がいまも生き続けたら何を書いたのだろうか。それは、冷静に読めることでも無いかもしれないし、なんというか、いろいろと考えてしまうけれど、それでも読んでみたかったなぁ。
中島らも氏もそうだけれど、アルコール依存症というのは、死に至る...続きを読むPosted by ブクログ -
自分自身、相当な酒飲みと思っていましたが、これを読むとまだまだ大丈夫なんじゃないかと妙な自信を抱いてしまう、そんな一冊。
アルコールに由来する様々な病的症状はおぞましいほど深刻なのに、妙にそれを感じさせない明るさが全編を包んでいるから不思議。
とはいえ、家族が心配するのをよそ目についつい飲んじゃ...続きを読むPosted by ブクログ -
アルコール依存症で42歳の命を散らした筆者の一生を描いた作品。
前半の怒涛の飲酒描写に、終盤で漂う何とも言えない虚無感。
過度にあっさりした文体で中盤がややダレてしまってるけど、全編を2倍ぐらいの長さに膨らませてたら間違いなく名作だった。
アジア放浪時代に民主カンプチアでイエン・サリにインタビューし...続きを読むPosted by ブクログ -
以前映画を先に観ており、気になって読んでみた。この前の「日本はじっこ自滅旅」からの続きとして、アルコール病棟に入院して、癌を告知されるまでを小説として描いている。からっと笑いを交えて書いているが、なかなか壮絶な話だ。どうしようもない酒飲みだったが、きっと優しい人だったのだろう。Posted by ブクログ
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「この物語はフィクションです」とは、よく言った!
こういう、深刻なことを深刻に語らない作品は好きだなぁ。
軽く書くことにこだわりすぎているせいなのか、ちょっと説明不足ではないか?とか、話が飛ぶなぁ?とか、若干構成に不満が無いわけではない。
だけど、すっきり読めて、だからこそ考えさせられた部分も。
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内容としてはとてもつらい事を書いているはずなのに、「おかゆ念仏作戦」や、カレーで一喜一憂するシーンなど、微笑ましく感じるところがあるのがすごい。
一番最後の体験発表の、「三百万の罪なき人々の死の歴史より一人の女性の死のほうが大切だったのです。」という台詞には鳥肌がたった。Posted by ブクログ