ツルゲーネフのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2007年03月04日
「マイ・ボス☆マイ・ヒーロー」というとても好きだったドラマにツルゲーネフという作家が出てきて以来、何かその作家の作品を読みたいな、と思っていました。たまたま池袋サンシャインで開催されていた古本市で『父と子』の文庫本が6冊ぐらいあったので、一冊買ってみました。
ニヒリスト故に何もかも切り捨てるバザーロフは、自分の頭が考えることと心が感じることの葛藤に苦しみながら、最終的に自らも切り捨ててしまったのかもしれません… 対してアルカーヂイとカーチャの恋模様はワトーの絵画のようにふわふわとしていて、自分の考えに固執するバザーロフが哀れにさえ感じられます。
おそらく初めて読み終えたロシア文学でしたが、ツルゲーネフの他の作品も含め、ロシアの文学作品もこれから読んでいきたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとても普遍的な話で、表現も詩的で、今に至るまで読み継がれている理由がよくわかる一作。
はつ恋の興奮や一喜一憂、青春の一回性や美しさ、恋の奥深さや残酷さ、人生というものの哀愁を書いている。
恋愛について改めて向き合おうと思い手に取ったが、やはり恋愛は苦しく哀しいものであるという感想を得たため、僕の恋愛に対する臆病さはまだ当分残存しそうである。
ジナイーダはそりゃかわいいが、罪な女である。
76 自分は、この人の目から見ればほんの赤ん坊なのだーと、わたしはしみじみ思い知って、ひどく辛い気持がしてきたのだ!
109 僕は、すっかり知っています。なぜあなたは、僕をおもちゃにしたんです?、、なんのために、僕の愛が入り用だったんです?
111 彼女の前へ出ると、まるで火に焼かれるような思いがすることだったが、、わたしを燃やしとかしてゆくその火が、いったいどういう火かということを、別に突き止めたいとも思わなかったのは、ただそうしてとけて燃えてゆくのが、わたしにはなんとも言えずいい気持だったからである。わたしは刻々の印象に身を任せっぱなしにした。そして自分に対して狡く立ち回って、思い出から顔をそむけたり、前途に予感されることに目をつぶったりした。
130 ああ、青春よ!青春よ!(中略)お前の魅力はつまるところ、一切を成しうることにあるのではなくて、一切を成しうると考えることができるところに、あるのかもしれない。ありあまる力を、ほかにどうにも使いようがないので、ただ風のまにまに吹き散らしてしまうことに、あるのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
kazzu008さんのレビューを見て、読んでみようと思った。
書かれた時代は1862年、ロシアの農奴解放の年である。「子」の一人はアルカーシャ。ロシアの田舎の大地主の息子で、貴族階級。もう一人の「子」はアルカーシャが尊敬する親友のバザーロフ。バザーロフは雑階級で医者の卵で何事も信じない「ニヒリスト」で、その新しい考え方がアルカーシャを魅了している。二人が大学を卒業して三年ぶりに帰省する際、アルカーシャは自分の家にバザーロフを連れてくる。貴族階級の古い頭の父親とその兄(伯父)には、バザーロフと彼に賛同するアルカーシャのことが理解出来ない。まだ、父親のほうは、最近の本などを読んで、一生懸命若者の考えを理解しようと努めるのだが、かつての貴族の栄光にしがみついて生きる伯父のほうは、バザーロフとは敵になってしまった。
アルカーシャとバザーロフは、ある貴婦人を巡って三角関係になり、その頃から友情関係が怪しくなり、バザーロフの明晰さも狂いだす。
バザーロフは雑階級だが、そうはいっても使用人に身の回りのことは何でもさせる家の出身だし、どちらも結局お坊っちゃんなので、二人が粋がって言っていることが机上の空論のように思えた。
物語が急展開を見せたのは中盤を過ぎてから。「父」の世代は何もしない、格好ばかりの貴族だと思っていたが、実はロシア人ってすごく根深くて、重たい感情を持っているのだ。こういう根深さがロシア文学に重みを出しているのか。
結局、幸せになるのは……。ロシア革命の半世紀くらい前の話。まだロシア社会は実際には大きくは変われなかったということだろう。
ロシア文学は重厚で長大だが、ロシアは長く「指図するように出来ている地主とそれに従うように出来ている農民」に分かれていた国。ツルゲーネフも社会の動向をよく観察していた作家だが、大地主の息子だった。「従う」立場にあった人により書かれた文学があれば読みたいと思った。