ツルゲーネフのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
19世紀ロシア、さる貴族の青年の初恋の物語。
モスクワからとある地方の別荘へ越してきて、日々ぶらぶらとしていた主人公の家の隣家に公爵夫人一家が越してきたという。
ある日、その家の庭の前を歩いていると、取り巻きに囲まれた美しい女性を目にし、一目で雷に打たれたかのごとく、熱烈な恋に落ちてしまう…
年上の、しかも自分がモテるということをしっかり自覚して、優越的な立場からわがまま放題振る舞う女性への信奉にも近い熱愛。それ故に日々一喜一憂させられ、ある時は熱く燃え上がり、ある時は絶望する若者の心情が、情感豊かに描かれる。
彼女は主人公のことも悪しからず思っていたが、ある時から徐々に、その態度に異変が生じ始める。そしてその理由とは……
ヒロインの奔放な振る舞い、ライバルであり仲間にもなる取り巻き連中とのやり取り、そして自身の心中の吐露が、まあ実にロシア文学らしい雄弁さで語られて、主人公と一緒に浮き沈みしながら楽しく読める。
うぶな主人公にとっても、そして優越的な地位にいるはずのヒロインにとっても、恋とはいかに制御できない難物か…
そしてその恋を通して描かれる、著者の、それら全てを人間のサガとして肯定するような筆致が心地よい。
さくっと読めて、ロシア文学らしい濃厚さと崇高(ぶりたがるロシア知識人ぽ)さとを併せ持つ良書である。 -
Posted by ブクログ
原題 Первая Любовь
Все было кончено.
終わるのは決められてたんじゃないか、
それならほんのちょっとだけ救われる。
Все цветы мои были вырваны разом и лежали вокруг меня, разбросанные и истоптанные.
これって散った恋を完璧に表しますね。
綺麗だけど、喪失だけの、心象の風景。
少しでも、関心をひこうと無理をして、
好きすぎて、怖くて、何もできなくて。
ずいぶん子供だったと今ならわかる笑
でもいつか、それを伝えられるときが、
くるといいかな。いや、やっぱいいや。 -
Posted by ブクログ
19世紀ロシアの小説です。
16歳の少年ヴラジミールが
近所に越してきた5歳年上の公爵令嬢ジナイーダに恋をするお話。
ジナイーダはたいそう美しく、慕う男たちも多い。
そんななか、どんどん胸を熱くしていくヴラジミールなのだが・・・。
ちょっと笑ってしまう箇所もありましたが、
全体としてロマンティックだし、一気読みで味わってしまうこと推奨です。
恋の感情を、読者の心中にたちのぼらせるような、
ささやかに再体験させるような
(もっと夢中に読書するなら、ささやかどころじゃないのですが)、
そんな恋愛小説になっている、半分くらい読んでの感想。
残りの半分を読むと、ぐっと甘く苦くなりました。
文学らしい、読者の胸をかきむしる感じだな、と。
溌剌として魅力的な女の人には惹かれるけれど、
結婚するくらい親密になってからケンカしたら、
ぼくはどれだけ自分を抑えられるだろうかと
考えることがあります。
それだけ、女の人っていうのは、
男のこころの隙間まで浸透するものだということ。
男のこころの奥底近くまで浸透していながら、
ケンカのときには反旗を翻されるのだから、
男っていうのは防衛反応みたいに、
自分の領域からどうやってでも女を締め出そうとする。
それがやっかいだよね、男女関係、って思うわけです。
いや、女からして逆もまたしかりだったりして。
おもしろかったです。