大津広一のレビュー一覧
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会計は数字を定量的に分析するのではなく、ビジネスそのものを定性的に分析することが必要であるということが理解できる本。
会計の数値は企業活動の結果である、なので、ビジネスを考えるスタートは数値ではなく、企業活動する中での、外部、内部環境を的確に把握することにある。
決算書を読む前に、自分なりにどのような中身になっているか仮説を持って考えてから見ること、また仮説を立てるときにどのような状況に晒されているか、外部、内部環境をフレームワークを使いながら考えてみることが大切である。
そしてこれを興味を持って訓練し続けることが、自分にとって何より重要。
考える手順がわかること、フレームワークが整理されてい -
Posted by ブクログ
会計と企業戦略をリンクさせた一冊でなかなかの読み応えでした。あとがきでも書かれているとおり、どちらかのみを扱ったものは多数ありますが、双方を有機的に結び付けてたものはこれまでお目にかかったことがなく、会計を重層的に理解することができる点において貴重な一冊であると思います。
また構成もビジネススクールで講義を受けているかのような臨場感あふれるものに仕上がっており、楽しく読み進めることができます。
それにしてもこの本を読み終わり改めて思うのは、企業戦略とは単によい商品、画期的な商品を作ることのみにあらず、どのようにお金を使うか、という会計視点が欠かせないのだなということを実感。 -
Posted by ブクログ
BS PL の視点で片っ端から英語表現を列挙。それに紐付きそうな事柄を、会計と英語の両面から熱血解説という感じ。企業のAnnual Reportからの抜粋を例文掲示したり、profit income margin earnings return などの類語のニュアンスを経験値から解説するなど、読者が本当にレベルアップできるようにとの熱意が強く伝わってくる。
このような類書が探しても他に見つからない(検索不十分?)のが不思議だが、個々の単語は調べればそれなりに見つかるとも言える。むしろ、「この請求書、どの小計を足せば合計になるのか分からないんだけど」とか「対前年で販管費が倍増してるのはなんで?」 -
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ネタバレ10種の経営指標について、どのような指標で、どのような企業が用いるのかといった解説に始まり、具体的にそれを指標として掲げた企業の例を解説し、具体的なイメージがわくような構成とされている。少し分厚いが学びもその分手厚い良著。
<メモ>
・会計指標は誰もが理解しやすいこと、理解のしやすさがそのまま成否の判断のしやすさにもつながること、企業が十分にコントロールできることにおいて優れている。
・企業が目標として掲げる会計指標に共通して重要となる論点
①妥当性:企業価値の向上の代替指標であること
②簡便性:メッセージとしてシンプルであること
③実現可能性:企業努力によって十分達成が可能であること
・売上 -
Posted by ブクログ
ネタバレ会計・財務に関わるコンサルティング業務で活躍する大津氏の会計指標に関する入門書。
ゴーイングコンサーンである企業にとって、企業価値とは何か、なぜ企業価値を高める必要があるか、企業価値を高めるためにどんな指標を持ち企業活動を行っていくかを議論することは極めて重要である。
企業価値とはΣFCFn/(1+WACC)nで示される。
ちなみに、
FCF=営業利益×(1-実効税率)+減価償却費ー追加設備投資ー追加運転資本
WACC=D/(D+E)Rd(1-T)+D(D+E)Re
D:有利子負債の時価総額
E:株式時価総額
Rd:有利子負債の利子率(金融債権者の要求リターン)
Re:株 -
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計算方法としては知っている(中にはよくわかっていなかったものもあるが)会計指標の奥深い意味を教えてくれる良書。
ROEだとかROA、フリーキャッシュフローが何を意味していて、その値が高いことが企業にとって重要だということはなんとなくは理解していた。しかし、そのちょっとした差が意味するメッセージ、特に資金調達元に対するメッセージについては全く考えたこともなかった。
実際には、まだきちんとその差やその指標を使うべき企業、使うべきでない企業を理解しきれていない気はするが、とにかく各々の指標に込められた意味があることはよくわかった。だいたい似たような計算方法だからどれでも似たような評価でしょ、とい -
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ROE、ROA、ROIC、売上高営業利益率、EBITDAマージン、フリー・キャッシュフロー、株主資本比率、売上高成長率、EPS成長率、EVA
会計指標10個をピックアップし、その意味、在り方、正しい使われ方をケーススタディーを交えて解説。上の10個の中で、普段の与信判断で使ってるの指標と言えばせいぜい3つ(売上高営業利益率、FCF、自己資本比率/勿論うちの文化、個人の癖もある)だが、「どういう指標を使うべきなのか?何故その指標を使うのか?」という考え方の基礎が身につけられる本。後輩にも読ませたい。
最初に読んだ時の印象を踏まえて★5つ。大津先生にはもっと本を書いてほしい。 -
Posted by ブクログ
コーポレートファイナンスを学ぶための基本的な本。姉妹本のアカウンティングがオススメできたが、こちらは初めてファイナンスを学ぶのには少し難しいかもしれない。コーポレートファイナンスの基礎を学んだ身としては復習として活用できる本であった。
ファイナンスは単純に企業価値を測定するためのツールとして計算するという単純なものでなく、その企業の経営理念、戦略から落とし込んで、その企業や事業の価値をどう見るか、という前提を持たなければならない。
学びメモ
・パリューチェーンを使ってFCFを予測する。一般的な5つの主活動と4つの支援活動わ3つのキャッシュフロー(P/L、設備投資、運転資金)で一つずつ考察し、