三島衛里子のレビュー一覧
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低い音で不協和音が鳴り続けているような巻であった。
空気がどことなくピリピリしており、「高校生になった」という目新しさや新生活の勢いだけで楽しくやってこられた時期がはっきり終わってしまったことを暗示させる。徐々に人間関係の合う・合わないが明確化されてきたのを見ているとこれからさらに人間関係が複雑化していくんだろうなーとか、この人とこの人って仲良さそうに描かれてたけど実はそうでもないんだなーとか、どきどきしながら読んでしまい、フィクションだということを忘れそうになる。地味ながら緊張感のある語り口でした。
また別の視点として、身体能力の面で劣り、規定によって試合にも出られないザワさんが最終的な -
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1巻であったフェチ要素に関しては3巻あたりからほとんど影を潜めて徐々に、しかしはっきりと青春部活漫画へと変化してきている印象。1巻から流れで読んでいるとあきらかにテイストをフェチ→コメディ→青春→スポ根と変化させてきていて、マンネリ化させない工夫がされているのがよくわかる。
また、セリフが極端に少なくて1話が数ページしかない構成ではあるが、一コマあたりに詰め込まれた情報量が非常に分厚くて読むのに時間がかかる(褒め言葉)。
背景・キャラクターの表情・コマの隅の脇役達などから物語の裏側にある設定や感情を読み解いていくのが本当に楽しい。豊かな漫画だと思いました。 -
Posted by ブクログ
一見冷めて引いた視点で語られていく物語の裏でぐつぐつとフェチシズムが煮えたぎっている感じが良い。昨今の性欲と直結したような恥ずかしげもない萌え文化を僕は嫌いだが、こういうのなら大歓迎だ。
主人公であるザワさん自身の主観は描かれないままに彼女の周囲にいる人々の視点で彼女の存在が語られていくという独特の手法の絶妙な距離感。もっと言えばその「遠さ」が素晴らしい。
女の子ながら野球部に入るという特殊な選択をした彼女がいったいどういう背景を持っていて、どんな内面を持った人なのか自然と興味が湧いてくるし、わからない分だけあれこれ想像させられる。
ちょっとした言葉や仕草といった少ない情報から彼女がどん -
Posted by ブクログ
ネタバレ男子の高校球児に混じってただ一人の女子部員、「都澤理紗」通称ザワさんと、次々とザワさんの魅力にハマる周りの人々を描いた日常フェチ漫画。とにかくザワさんにはまればこっちの勝ちみたいな漫画。例えば以外に大きな胸、細いけど筋肉質でムチっとした身体のライン、水泳の時間に見たユニホーム焼けと色白肌のアンバランスな色香、季節が過ぎ少し伸びたザワさんのショートカット・・・・・・。一話一話にザワさんの「ここっていいよなー」な所を魅せていく。うーん、嫌いじゃないなこういうの!
あとこの漫画の雰囲気やコマ割、どこかで感じた懐かしさ、なんとなくゆうきまさみに似ている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ学生の頃の思い出なんてもはやほとんど記憶にもなく、そして運動部でもなかったのでこれぞ青春って覚えもないけれど、
ザワさんを読むと高校の時しか味わえないその部分が味わえる。
例えば雨の日に野球部一年が汗だくで通路でトレーニングをしながら、遠くから聞える吹奏楽部の曲に「俺もレギュラーになれたらぜってー俺の打席の時ルパンがいい」とか「紅とか狙い撃ちの方がよくねえ?」とか話してて、サビの部分で皆がピタっと聴き入っちゃうとことか「青春だな?」って思うw
期末前のファミレスでの勉強会や夏大前の夜間練習の描写もすごく好き!
あと楠本のザワさんストーカーっぷりがどんどんエスカレートwwそして同じ野球部でエース