阿部真大のレビュー一覧
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「地方都市はほどほどパラダイス」と
書かれた帯に目を惹かれ、手にした一冊。
かつての地方都市には商店街があり、若者の生活の一部として存在したが、現在の若者が地元のことを語る時には、「商店街」という言葉は無いという。
「つまり、商店街とは、若者にとって、地域社会における人間関係を学ぶ場所であるとともに、『よく分からない人』に出会わないと生活必需品を手に入れることができない『ノイズ』だらけの場所でもあった。(中略)モータライゼーションとは、そうしたノイズに満ち溢れた人間関係からの解放でもあったのである。」(p.52)
モータライゼーションとは、簡単に言うと、自動車の移動を前提とした街の作り方 -
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ネタバレ日本でもっとも幸福なのは、郊外に住む若者なのかもしれない。刺激は強いがストレスも多い大都市、自然は豊かだけどしがらみもキツい田舎、そんな二項対立の構図のちょうど間にスポット的に登場したのが郊外なのである。
仕事は低賃金だけれどもそこそこに、夜や週末は気の合う仲間とモールやファミレスで過ごし、家族とも仲良く同居しているのだけど車で移動するので地域コミュニティとの関係性は薄い。そんな郊外の若者像を切り取り、ほどほどにパラダイスな状況を解説している。
新書なので軽く読める感じであり、またアンケート自体を個人的に馴染みのある岡山県内で行なっているせいか、いろいろ具体的な人たちの顔を思い浮かべながら -
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ネタバレ【内容】 都会と田舎の間に出現した、魅力的な地方都市。若者が地方での生活に感じる幸せと不安とは―?気鋭の社会学者が岡山での社会調査を元に描き出す、リアルな地方社会の現実と新しい日本の姿。 (「BOOK」データベースより)
【感想】 地方にこもる若者の傾向を、調査から読み解く「現在編」。①地方都市の「ちょうどよい感じ」はが理想的な生活の場である。②家族と同世代の仲間で構成され、地域社会における煩わしい人間関係を排除したノイズレスな関係がある。③仕事への満足度を、やりがい(精神面)と親の支援(金銭面)によってカバーしている。といった地方都市に生きるものとして共感できるものがある。
Jポップの -
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ネタバレ[ 内容 ]
私たちが求めるのは「理想の相手」か?
それとも「運命の物語」か?
「合コンは、誰もが参加できる平等な競争の場である」----広く共有されたこの前提は、実は幻想にすぎない。
男女は、まったくランダムに、真空状態のなかで出逢うのではない。
そこには社会の階層性が色濃く反映され、職業や年齢や容姿を軸にした序列がはっきりある。
私たちは、合コンを通して恋愛すべき相手と恋愛し、結婚すべき相手と結婚することで、社会構造の維持に貢献することになる。
合コンは、現代の私たちが出逢うために創りだした、そして今や私たちを取りこもうとする、まごうことなき「制度」である。
[ 目次 ]
第一章 出逢い -
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「社会学」という語に対するある種の胡散臭さと、「合コン」という語に対するうわついたイメージが、購買欲を刺激した。
昔はこういう「社会の風潮」を捉えた文章は大好きだった。そういうのがお得意な「AERA」なんかの週刊誌をよく買っていた時期もあった(特に高校生の頃ね)。
しかし今年ゼミに入って、それこそ毎週のようにレポートを書いては書き直して・・・の日々を送っていくうちに、こういう文章を読むと、「それホントかな?」というやや穿った見方を(今まで以上に)するようになってしまった。
「で、何が言いたいの?」という高慢な語が脳の中で跋扈し、反復される。
環境とは恐ろしいものである。
しかし「一般書」をその -
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最近の新書らしくさっと読める内容だった。著者たちはまさにこの本に書かれている世代であり、まさに自分たちのこととして書いているようだ。
31人のインタビューから導くというのはやや強引なようだが、読んでいて、それは確かによく聞く話であり、そうずれていないように思う。
面白いのは合コンで起きている様々な行為を社会学の視線で見てみるとどうなるか、という点だ。この本はそこは見事に書いていると思う。確かに合コンには作戦ありかけひきあり、共闘あり、絡まった欲望と抑制が複雑な場を作り上げている。その中での自分の振舞を考えないといけない訳だ。そこを解きほぐす。
結果、哀しい物語ができあがる。8人で進める囚人のジ -
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コンという切り口をどこまで学術的に切り取れるのか、と興味本位で手に取ってみました。
結果、結構共感できるし、あたりまえのことをあたりまえに書くということがこのテーマに関しては結構面白いんだなぁというのが全体を通じた感想。テーマチョイス勝ち!みたいな。
偶然な出会いを生み出す行為としての合コンの抱える様々な矛盾を指摘していきます。
偶然を装った作為的な出会いであり。
協同でありかつ競争であったり。
公平であるはずが最初からフィルタリングされていたり。
出会いの手段の合コンが目的化してしまっていたり。
等々。
個別の論点はなかなか楽しめます。
抜粋
合コン時代の私たちは、運命の物語を