阿部真大のレビュー一覧

  • 地方にこもる若者たち

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    「地方都市はほどほどパラダイス」と
    書かれた帯に目を惹かれ、手にした一冊。

    かつての地方都市には商店街があり、若者の生活の一部として存在したが、現在の若者が地元のことを語る時には、「商店街」という言葉は無いという。

    「つまり、商店街とは、若者にとって、地域社会における人間関係を学ぶ場所であるとともに、『よく分からない人』に出会わないと生活必需品を手に入れることができない『ノイズ』だらけの場所でもあった。(中略)モータライゼーションとは、そうしたノイズに満ち溢れた人間関係からの解放でもあったのである。」(p.52)

    モータライゼーションとは、簡単に言うと、自動車の移動を前提とした街の作り方

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    2013年08月01日
  • 地方にこもる若者たち

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    サバービアの若者、その心象風景をJ-POPの歌詞から読み解く!という着想にびっくりしました。ファスト風土が原風景である若者は、いったいどんな世界を夢見ているのか?なーんて。著者はさらにこの方向で調査考察を進めていって欲しいと思います。

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    2013年07月17日
  • 地方にこもる若者たち

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    若者による"地方観"の変遷を、若者にウケているJ-POPの変遷から見ていくという着想自体はたいへん面白い。
    だが、BOØWY('80s)→B'z('90s前半)→Mr.Children('90s後半)といった、それぞれの時代を彩ったロックバンドの歌詞を分析していったのちに、00年代を紐解く題材にヒップホップグループであるKICK THE CAN CREWが登場する唐突なチョイス(この時代にヒップホップが一世を風靡していれば話は別だが)には、やや疑問を呈さざるをえない。
    また、10年代の分析として『おしゃかしゃま』が挙げられているRAD

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    2013年07月13日
  • 地方にこもる若者たち

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    ネタバレ

    日本でもっとも幸福なのは、郊外に住む若者なのかもしれない。刺激は強いがストレスも多い大都市、自然は豊かだけどしがらみもキツい田舎、そんな二項対立の構図のちょうど間にスポット的に登場したのが郊外なのである。

    仕事は低賃金だけれどもそこそこに、夜や週末は気の合う仲間とモールやファミレスで過ごし、家族とも仲良く同居しているのだけど車で移動するので地域コミュニティとの関係性は薄い。そんな郊外の若者像を切り取り、ほどほどにパラダイスな状況を解説している。

    新書なので軽く読める感じであり、またアンケート自体を個人的に馴染みのある岡山県内で行なっているせいか、いろいろ具体的な人たちの顔を思い浮かべながら

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    2013年06月29日
  • 地方にこもる若者たち

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    ネタバレ

    【内容】 都会と田舎の間に出現した、魅力的な地方都市。若者が地方での生活に感じる幸せと不安とは―?気鋭の社会学者が岡山での社会調査を元に描き出す、リアルな地方社会の現実と新しい日本の姿。 (「BOOK」データベースより)

    【感想】 地方にこもる若者の傾向を、調査から読み解く「現在編」。①地方都市の「ちょうどよい感じ」はが理想的な生活の場である。②家族と同世代の仲間で構成され、地域社会における煩わしい人間関係を排除したノイズレスな関係がある。③仕事への満足度を、やりがい(精神面)と親の支援(金銭面)によってカバーしている。といった地方都市に生きるものとして共感できるものがある。

     Jポップの

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    2013年06月28日
  • 地方にこもる若者たち

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    朝日新書らしいかるーい新書。
    地方都市の変容とそこにおける若者について。イオンモール的なものにより、地方都市の魅力は増し、商店街は壊滅して地域の人間関係は薄らぎ、、、
    部分部分は納得できるのだが、全体像で見るとちょっとこれ200ページ程度の新書でやっていいの?という粗さ。ギャルについてちょっと分析して、今の若者は多様性に対して柔軟に対応しているなどといって良いものか?
    あと、突っ込みどころは多いものの、JPOPからその時代時代の若者像を分析するのも面白かった。ここでも正しいものは面白く無いが成り立つような。

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    2013年06月22日
  • 合コンの社会学

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    合コンの社会学というタイトルに惹かれて購入。
    文章は全体的に優しく読みやすく、その場では何となく言っていることは分かるが読み終えて全体を振り返ると結局何が言いたかったのか分からなかった。
    また社会学に関して全く知識がないので時折出てくる専門用語が全く分からなかった。

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    2012年11月12日
  • 合コンの社会学

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    気楽に読める本かと思いきや、
    とてもかたい文章で書かれてる。

    盛り上げなくてはいけないという脅迫観念とか、
    合コンのチームプレーとか、職業とかに関わる
    合コン参加者の見えない序列とか、

    分析は見事だし、内容も面白いけど、
    なんか萎えるなぁ

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    2012年03月31日
  • 合コンの社会学

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    私たちが求めるのは「理想の相手」か?
    それとも「運命の物語」か?
    「合コンは、誰もが参加できる平等な競争の場である」----広く共有されたこの前提は、実は幻想にすぎない。
    男女は、まったくランダムに、真空状態のなかで出逢うのではない。
    そこには社会の階層性が色濃く反映され、職業や年齢や容姿を軸にした序列がはっきりある。
    私たちは、合コンを通して恋愛すべき相手と恋愛し、結婚すべき相手と結婚することで、社会構造の維持に貢献することになる。
    合コンは、現代の私たちが出逢うために創りだした、そして今や私たちを取りこもうとする、まごうことなき「制度」である。

    [ 目次 ]
    第一章 出逢い

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    2011年04月07日
  • 合コンの社会学

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    新書にしては言い回しがとっつきにくく
    社会学にしてはもっと深く突っ込んで欲しいところも。
    でも、合コンを社会学するという視点はおもしろい。
    「参加者全員で偶然を演出し、自分たちだけの物語をつくる舞台装置」というのにかなり納得。

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    2011年01月31日
  • 合コンの社会学

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    『合コンの社会学』(北村文、阿部真大、2007年、光文社新書)

    「合コン」という男女が「出逢う」場とははたしてどんな場所なのか、そこにはどういうルールがあるのか、本当に異性に出逢えるのか、というようなことをまじめに解説している書。書店で見つけて、好奇心から思わず買ってしまった。

    成程、合コンという特異な場では「運命の出逢い」などないらしい。だが、それでも合コンはなくならない。なぜか?それは合コンが合コンであるがゆえ、ということらしいです。

    (2010年6月25日 大学院生)

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    2010年06月25日
  • 合コンの社会学

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    「社会学」という語に対するある種の胡散臭さと、「合コン」という語に対するうわついたイメージが、購買欲を刺激した。
    昔はこういう「社会の風潮」を捉えた文章は大好きだった。そういうのがお得意な「AERA」なんかの週刊誌をよく買っていた時期もあった(特に高校生の頃ね)。
    しかし今年ゼミに入って、それこそ毎週のようにレポートを書いては書き直して・・・の日々を送っていくうちに、こういう文章を読むと、「それホントかな?」というやや穿った見方を(今まで以上に)するようになってしまった。
    「で、何が言いたいの?」という高慢な語が脳の中で跋扈し、反復される。
    環境とは恐ろしいものである。
    しかし「一般書」をその

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    2010年06月12日
  • 合コンの社会学

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    タイトルが興味深くて読んだのですが、
    合コンの現状と分析が細かく記載されていて面白かったです。
    でも、繰り返しが多いので内容が被っている印象があります。
    運命・偶然の出会いから結婚、少子化と問題も発展していきますが、合コンに実際参加した人の体験談や本音が垣間見えるのはリアリティがあって楽しかったです。
    友人の輪を広げるための手段にもなりえている今、合コンの存在意義や自分も参加してみるものなのか(笑)考えさせられる一冊でした!

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    2009年11月30日
  • 合コンの社会学

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    まさかのゼミの先生の推薦図書。こんなの読んでるから結婚が…(笑)。いわゆる「合コン」の必勝本ではなく「社会学」の本。人は皆運命の物語を求めて合コンしている。非婚化、晩婚化の原因が垣間見えた。階層性に興味のある僕としては社会階層もフィルターに関連しているらしくもっと深く掘り下げて述べてくれるとさらに面白かったと思う。

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    2009年10月04日
  • 合コンの社会学

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    最近の新書らしくさっと読める内容だった。著者たちはまさにこの本に書かれている世代であり、まさに自分たちのこととして書いているようだ。
    31人のインタビューから導くというのはやや強引なようだが、読んでいて、それは確かによく聞く話であり、そうずれていないように思う。
    面白いのは合コンで起きている様々な行為を社会学の視線で見てみるとどうなるか、という点だ。この本はそこは見事に書いていると思う。確かに合コンには作戦ありかけひきあり、共闘あり、絡まった欲望と抑制が複雑な場を作り上げている。その中での自分の振舞を考えないといけない訳だ。そこを解きほぐす。
    結果、哀しい物語ができあがる。8人で進める囚人のジ

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    2009年10月04日
  • 合コンの社会学

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    合コンで人は「理想の相手」ではなくて「運命の物語」を求めているのだという話。経験的にはあまり同意できないが、n=31という一般論にはなりえない話なので、そういう人もいる、ということでしょう。補論の方が面白いかも。
    「合コンは、奔放でカオティックにも見えるけれど、実は村祭り同様しっかりと既存の秩序のなかに位置づけられている。度が過ぎて秩序を崩壊させないように、囲い込まれた遊びの場だ。」という考察は的を得ていた。
    あと、女性の求めている男性像が「三高」から「三低」になっているということははじめて知りました。

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    2009年10月04日
  • 合コンの社会学

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    最後の補論を先に読むと見通しがよくなる。ロスト・ジェネレーションの仕事・恋愛観の根底にあるのは将来と価値観の不確実性という世代論。

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    2009年10月04日
  • 合コンの社会学

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    コンという切り口をどこまで学術的に切り取れるのか、と興味本位で手に取ってみました。

    結果、結構共感できるし、あたりまえのことをあたりまえに書くということがこのテーマに関しては結構面白いんだなぁというのが全体を通じた感想。テーマチョイス勝ち!みたいな。

    偶然な出会いを生み出す行為としての合コンの抱える様々な矛盾を指摘していきます。

    偶然を装った作為的な出会いであり。
    協同でありかつ競争であったり。
    公平であるはずが最初からフィルタリングされていたり。
    出会いの手段の合コンが目的化してしまっていたり。
    等々。

    個別の論点はなかなか楽しめます。



    抜粋
    合コン時代の私たちは、運命の物語を

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    2009年10月04日