田原のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ口にしたら生きてゆけそうもない言葉と、口にしなかったら生きてゆけそうもない言葉、それらが同じひとつの言葉であるとき、何故あなたはそこに立っていられるのでしょう?
(p.126 「質問集続」抜粋)
わたしではない
あなた
たとえはなればなれのみちを
あゆむとしても
あす
わたしは
あなたに
あいたい
(p.161 「あなた」抜粋)
かたちで交歓できぬとすればせめて真情でわたりあいたいと考えても、それが手練手管で終わりそうな言葉のはしゃぎようをどうしよう。
*
その女は生きて目前に居る
舌で上唇をしめしてから
後期ロマン派のヴァイオリンの鼻声で
〈ねぇ〉と言う
その〈ねぇ〉はどんなえくりちゅー -
Posted by ブクログ
妙に詩選集、というのが好きだったりして、何故だろう。限りなく透明な気分になったり色々だったり、ファンタジーとかその他物語と違った世界に浸れるのが好きなのかもしれません。
この本は、日々の中で何気なく思い、感じ、生きてきたことを、詩を通して思い起こさせてくれる、そんな詩選集だと思いました。綴られる言葉一つ一つが存在を持っているように感じました。
出版社 / 著者からの内容紹介
現代日本を代表する詩人のベスト作品集。
軽やかで深い、美しい言葉の贈りもの…。半世紀を超える詩業からの名詩選。第一巻は、第一詩集『二十億光年の孤独』(1954)から『空に小鳥がいなくなった日』(1974)までより精選。