田原のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ口にしたら生きてゆけそうもない言葉と、口にしなかったら生きてゆけそうもない言葉、それらが同じひとつの言葉であるとき、何故あなたはそこに立っていられるのでしょう?
(p.126 「質問集続」抜粋)
わたしではない
あなた
たとえはなればなれのみちを
あゆむとしても
あす
わたしは
あなたに
あいたい
(p.161 「あなた」抜粋)
かたちで交歓できぬとすればせめて真情でわたりあいたいと考えても、それが手練手管で終わりそうな言葉のはしゃぎようをどうしよう。
*
その女は生きて目前に居る
舌で上唇をしめしてから
後期ロマン派のヴァイオリンの鼻声で
〈ねぇ〉と言う
その〈ねぇ〉はどんなえくりちゅーるよりも
手に負えない(のはきみも御存知)
(p.194 「32 〈ねぇ〉」抜粋)
――――
「あなた」はどこを抜粋すればいいのか悩みました。これは部分じゃなく全体で読んだときに凄く良いんだ。谷川氏は躰を描写させたら天下一品といいますか簡素な言葉で奥行きを出すから堪らないですよね。生活臭の染みついた叙情性に満ちている。エクリチュールは「書かれたもの」という意味ですよね確か。言葉を飯の種としているのに、一人の女性のささいな「ねぇ」という呼びかけに屈しちゃうのかと、屈したと素直に認められるのかと、もうじたばたしたくなります。本書自体さることながら、個人的に高橋源一郎氏の解説の面白さに唸りました。「すべて」以上。超格好良いです先生。 -
Posted by ブクログ
妙に詩選集、というのが好きだったりして、何故だろう。限りなく透明な気分になったり色々だったり、ファンタジーとかその他物語と違った世界に浸れるのが好きなのかもしれません。
この本は、日々の中で何気なく思い、感じ、生きてきたことを、詩を通して思い起こさせてくれる、そんな詩選集だと思いました。綴られる言葉一つ一つが存在を持っているように感じました。
出版社 / 著者からの内容紹介
現代日本を代表する詩人のベスト作品集。
軽やかで深い、美しい言葉の贈りもの…。半世紀を超える詩業からの名詩選。第一巻は、第一詩集『二十億光年の孤独』(1954)から『空に小鳥がいなくなった日』(1974)までより精選。(解説・野中 柊)
内容(「BOOK」データベースより)
「…私はひとを呼ぶ/すると世界がふり向く/そして私がいなくなる」(『六十二のソネット』所収「62」より)。時代を超えて愛される谷川俊太郎の詩作のすべてから新たに編んだ21世紀初のアンソロジー。第1巻は処女詩集『二十億光年の孤独』『愛について』『日本語のおけいこ』『旅』『ことばあそびうた』など17冊の著作と未刊詩篇より、1950~70年代の代表詩を厳選。巻末カラー付録に初版装幀選も。