川上慎市郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
テクノロジーを理解するためのアルゴリズム的思考、基礎知識、課題解決の考え方から、テクノロジー中心の時代におけるマーケティング、戦略の取り方の変化、組織体制、人としての変化、について学べる。基本的な内容として押さえておくべきと納得できる良本。
学びメモ
・サーバーの保有台数が問題ではなく、アルゴリズムの差による計算量が問題。
・企画者自身がアルゴリズムから考えられることが競争優位となる。
・複数のユーザーのグループを集めて価値のやり取りを仲介し収益を生み出す仕組みであるプラットフォームビジネスを作る。より多くのユーザーに使われることで利益を得られる。特殊なニーズを持つニッチな顧客層を狙うこと、サービスを利用するプロセスなども含めた顧客の体験を最高にすること、ユーザー同士が価値を伝え合う仕組みを作ることがポイント。企業が対応できない多様で細かい顧客のニーズに応えるビジネスモデルである。
・マーケティングは、顧客経験を業務の中心にすることが基本になってきている。一人一人の顧客にどのような企業との接点を持ち、ロイヤルな顧客になってもらうか、ブランド戦略に基づいたカスタマージャーニーを設計する業務になってきている。
・クリエイティビティを持つ。既存の物事を批判的に見る力、前例に頼らず最適な姿を考える力、自分の頭を使うこと。
・企業や従業員として誠実であること、顧客や仕事に気わる相手を独自の考えや好みを持った個人としては扱うこと、コミュニケーションを取り信頼を積み重ねること。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ情報化時代の3大変化
①情報の価値(>モノ)
②ネットワーク経済性&プラットフォーム
③スピード
1.コンピュータ+データ
Technovate thinking
①問題の定義
②データ構造化
③アルゴリズム化
④実行(プログラミング、外部リソースの活用)
*②〜④のレビュー・修正を繰り返す
コンピュータ要素
①入力装置
②主記憶装置
③出力装置
④演算装置(処理装置=CPU)
⑤制御装置(処理装置=CPU)
アルゴリズム(思考プロセス、計算量が少ない方が良い)
データ形式(配列、リスト、ツリー、グラフ)
ITシステムの構築
①要件定義
②仕様(アルゴリズム)
③実装(プログラミング)
④テスト
⑤使用開始
アルゴリズムとデータ構造くらいは事業会社側で考えられるように。
2.戦略・マーケティング
仕事を切り分け、コンピュータとの間で分担する
プラットフォーム型ビジネス構築ステップ
①できるだけニッチな顧客層
②顧客に最高の経験を提供
③ユーザー同士が価値を伝え合う仕組み
④資産を活かして隣接エリアに事業拡大
DXの4要素(3SO)
①サービス化(IoT、クラウド、API/SaaS)
②ソーシャル化(ソーシャル・メディア)
③スマート化(スマートマシン=AIとロボット)
④オープン化(オープン・ソース)
DXとは、自社のビジネスの顧客提供価値やその実現のためのビジネスモデルを、3SOの影響を受けた新しい消費者のニーズを意識したものに変えていくこと
デジタルマーケティング
①データ・ドリブンマーケティング
②One to Oneマーケティング
③CRM(顧客体験重視)
④MOT
AI時代の勝者と敗者(トマス・ダベンポート)
人間の付加価値は課題設定力、枠組みを考える力、クリエイティビティ
→論理思考力とゼロベース思考
Leading Digitalより、リーダーに必要な能力
①ビジネスの今後やビジョンを思い描く
②ビジョンに多くの人を巻き込み、一緒に取り組んでもらう
③組織の新たな意思決定の仕組みを作る
④ITとビジネスの現場をつなぐ
新しい知識やスキルの持ち主が将来の姿を思い描き、現場を変えていく時代
Growth Mindset -
Posted by ブクログ
ビジネススクールで教えている武器としてのITスキル
2018/4/20 著:グロービス経営大学院
MBAの知識・スキルは重要であるが、テクノロジーの知識・スキルとうまく合わせていかないと、勝てなくなってきている。つまり、新時代のMBAのスキルが求められている。
本書は、テクノロジー試合のMBA(テクノべート教育。テクノべーとはテクノロジー+イノベートを指す)にいち早く舵を切ってきたグロービスが、前提知識ゼロからITをビジネスに活かすセンスや素養を身につけられるよう以下の3章により説明している。
①コンピュータ+データの基本スキル
②戦略・マーケティングの基本スキル
③リーダーシップ・組織の基本スキル
ITが大事ということは誰しもがよくわかっている。そしてITとMBAがクロスすることによってもたらされる知識の深さと広がりによる自己の成長も計り知れない。
私自身ITがまったくもってわかってないとは思わないが、専門家やそれに携わっている人から見れば知識も経験も雲泥の差であることはわかっている。それを自覚して本書を読めば、しらないことだらけでもあり、それがどう役立つのかも理解できていない自分がいた。
技術の進歩はすごいもので本書では基本的なことが紹介されているものの知らない知識も非常に多かった。楽しいとまではいかないものの、置いて行かれることのないスピードと難易度で書かれているのは良書の証である。
目を背けず自分の領域ではないと決めつけず貪欲に吸収したい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレグロービス著。ITスキルを仕事上でバリバリと使いこなす必要はないまでも、それらの考え方や枠組みを素養として身につけることで、、という本。
感想。
企画通りの本で良い。後半は来たる時代の働き方論、リーダーシップ論に割いていて、内容自体は共感するが、そこはこの本でなくとも良い。
備忘録。
・問題の定義をするのは100%人間の仕事。
・コンピュータは記憶装置からデータを読みだして、計算して、記憶装置に結果を返すこと(=処理)を、繰り返し行うのみ。
・アルゴリズムとは、コンピュータを利用して与えられた課題を解決する為の処理手順のこと。ビジネスパーソンは、プログラミング言語よりもアルゴリズムを理解することを優先した方が良い。
・プログラムはオープンが当たり前。
・ITシステム構築の手順。①ITを使って実現したいことを考える、②それをアルゴリズムに落とす、③プログラミングをする、④実際に想定通り動くかテストする、⑤使い始める。プロジェクトがうまく進まないのは①や②に原因があることが多い。
・プログラミングご出来る人と、アルゴリズムが考えられる人はべつ。
・ビッグデータの価値の本質は、データに潜むパターンの抽出にある。
・過去に何度も行われた業務は、たとえ高度な知識を求められる業務であっても、コンピュータに取って代わられる可能性あり。
・ただし相関関係を示せるが、因果関係、相関する理由をコンピュータは説明できない。
・コンサルタントの得意な、問題解決におけるwhere,why,howも、コンピュータに置き換わるかもしれない。
・これからの時代はビジョンを示し、他の人々を引っ張る力が必要。
・今のビジネスは、社外の人と協業し合うネットワークが欠かせない。関わる人が全てパートナーと考えるべき。自分の都合を業者に押し付けるような仕事の仕方は無理。 -
Posted by ブクログ
テクノベート=テクノロジー+イノベート、グロービスの造語?かな。
いまさら聞けないコンピュータの基礎知識、アルゴリズム、プログラミングって何?を簡潔に説明してくれていたり、VR・AR・MRなどの説明も今更ながら基本を押さえられて良かった。
データ活用においては、顧客属性などのカタログ的データよりも日々顧客や社員が生み出し続けている「行動」に関する情報であるべきとは、事業会社に転職してから感じているまさにそのとおり。調査会社時代は割とカタログ的データを重要視していたところがあるが、正直それで業務改善やマーケティングアクションにもつながりきれないと今は実感している。
データドリブンマーケティングにおける、現在のCRMの高度化も確かにその通りだと思いつつ、これをやることがとても難しいことであることも痛感している。この本の中にもデータ構造の話が出てくるが、どのようなデータ構造でデータを持つかによって、このCRMの実践しやすさも全然変わってくる。またデータを多面的に見るとともに現場に近い人の声、顧客その人や現場の社員の声も絡めて本質を理解することも大事なことである。
リーダーシップ・組織の章では、自ら変化を創り出すリーダーに、変えることを楽しもう、関わる人すべてがパートナー、グロースマインドセット、といった言葉は印象に残った。しかし、一番はフォロワーシップかな。リーダーの言うことを無批判に受け入れてむやみに従うことではなく、自らがしっかり考えて意見を持ち、積極的に動いて組織を支えること。正直、今は面倒くさいパワハラ気質の上司に従っているが、もっと自分の意見もぶつけないとな、と思った。(ちなみに非常に論理的で正論ではあるので変に反論するのもおかしな話になる、なのでその正論を超えるところや視点をズラした提言で自分の意見もぶつける必要はあるが。そのくらいでないと自分も楽しくないし、組織の広がりも生まれない、と改めて思った次第) -
Posted by ブクログ
昔からブランドという怪しい世界が好きではなかったので避けてきたのだが、ついに対峙しなくてはならない時がやってきた。本書でも、
「企業の経営層からすると、ブランドとマーケティングの領域には多額の投資が必要であるにもかかわらず、『ブラックボックス』になりやすい。これは、特に広告宣伝クリエイティブや製品デザインなどにアート(芸術)的センスが求められるとされてきたためだ。」
と述べているので、おそらく怪しいと思っている人は自分だけではないはず。
本書は、そのようなアート的側面は大胆に割愛し、ブランドの「サイエンス」面に光を当てており、自分のような人間がブランドを学ぶには適切だと思った。
最近「ユーザーエクスペリエンス」「カスタマージャーニー」といったバズワードがもてはやされることからわかるように、顧客の体験が重要になってきていることは間違いない。本書でも、
「生活者のブランド評価=体験の魅力度×体験の量・時間×体験の一貫性」と定義している。そのうえで、
「顧客同士やパートナーとのコミュニケーションや価値貢献の体験を引き寄せ、『取り持ち役』となるようなブランドになるため」に、体験価値を共創するプラットフォームが重要であるとしている。
そして、生活者が積極的にブランドへ共感を示し、直接的なつながりを維持することを受け入れてくれるために、商品・サービス自体の機能的特徴や利用シーンといった「ブランド主語の価値」を想起させるだけでなく、生活者自身の具体的な願望や課題に焦点を絞り、そのブランドが「生活者主語の価値」を支援し、その実現に貢献してくれる味方であることを想起させるように、ブランド近く価値を拡張して定義する必要を説いている。
そのような「顧客体験価値」デザインとブランド戦略の実践には5つのフェーズがあるという。
1 プロジェクト推進体制と検討上の与件を確認し、戦略検討の方向性を絞り込む
2 象徴的顧客となるブランドターゲットを規定し、心理的プロファイル理解を共有する
3 顧客体験を定義し、実現する仕組みとしてプラットフォーム活用も併せて検討する
4 市場競争力に高めるブランド戦略を策定し、4P施策要件に落とし込む
5 4P施策の展開・検証・修正を繰り返すPDCAサイクルの設計・運用
ちなみに、フェーズごとに参考書籍が紹介されていて、これらも参考になりそう。
なお、ブランドの知覚認識によって選ばれる比重が高くなる商品・サービスの条件を3点あげているが、
ブランドも万能ではなく得手不得手があるということを忘れてはいけない。(当たり前ですけど。当然ですけど。)
・顧客の心理的な関与が低く、あまり情報収集をしない商材(例:日用品)
・顧客の購入頻度が低く、比較検討を重ねることで獲得する学習効果が少ない商材(例:住宅設備)
・顧客には複雑性が高く理解のハードルが高い商材(例:金融商品)
また、フェーズ4でブランドの説得力を生み出すエビデンスを探す、というのは当たり前ながら必要なことだと思った。
最後に、筆者の以下の一節が身に染みた。
「これまで数多くの企業と接してきた筆者の経験から言えることは、大手企業において、社内の誰も理解せず、解決アイデアもないままに衰退したブランドというのはほとんど存在しないということだ。
課題の本質も解決アイデアも必ず社内の誰かが既に持っているはずだ。それなのに、組織として解決に力を注ぐべき優先課題が合意できず、限られたリソースを有効な打ち手に集中させる足並みが揃わなくなり、ブランドはじりじりと市場の中で衰退していくというのが実態だ。」