セシリア・アハーンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ラブストーリーをどう語るのか、これは愛を自由に語ることができるようになった現代小説において、頻出のテーマといって良い。普通は生きている二人が障害を乗り越えながら結ばれる姿を描いていく。セシリア・アハーンなら、そんな安易な書き方はしない。
最愛の人を亡くしたホリーが、彼への愛を再確認しながら立ち直っていく物語。「手紙」がこの小説の重要な着想になっているのだが、筆者は、この10通の手紙に、愛を再確認するツールであり、加えて舞台を廻していく装置としての役割を担わせている。そして彼女を取り巻く家族や友人たち。静かに彼女をいたわりながらも、彼らなりの人生の渦に主人公を巻き込んでいく。そういうインタラクションを丁寧に、しかしぶしつけに描いていくところが、この作者の魅力でもある。そして、立ち直るほどに自覚される主人公の悲しみ。まだ20代だった人の作品とは思えないほどに、心の襞が丁寧に描かれる。
それにしても、林真理子の訳文の評判が悪い。私は原文で読んだ訳でも、映画を観た訳でもないので本来何とも言えないのだが、淡々としすぎて作者らしい情感やテンポが感じられないのが気になる。
まぁ、セシリア・アハーンと林真理子では世代が一回り違う。この本が出た時点ではデビューしたばかりのアイルランドの首相令嬢と日本の人気作家だけれども、10年経ってこのコメントを書いている時点では見え方が違って、訳者が自分の作風に合わせてしまったような感が残る。「訳者あとがき」では「悪ふざけ」と苦言を呈されたいくつかのシーンも、原作者が二本の映画化を成し遂げた現在にあっては、それが彼女の作品の魅力なのだとわかる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ簡単に言ってしまうと、出世欲に憑りつかれ、家庭を顧みなかった男が、最後に悔い改める物語。
この主人公、お金を稼ぐ以外に良いところが無い。
飲酒運転をしようとするし、スピード違反も日常茶飯事。
そのうえ女性に対して、だらしがない。
物語の大半が彼の身勝手さについてで、悔い改める部分が最後に少しある、という感じなので、正直読むのが嫌になってくる。
それでも我慢して読み続けると、最後に涙があふれてくる。
「ザ・ギフト~聖夜の奇蹟の物語~」
このタイトルをみると、心温まる内容を想像することだろう。
私も、クリスマスに心温まる作品を読もうと、手にした一人である。
だが実際はまったく違う。
ほろ苦いプレゼントだった。