野口恵子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
言葉の意味が全く考慮されず、ただ惰性のみで使われている失礼な敬語。過剰使用と誤用により本来の言葉の意味さえ喪失している。言葉の危うさを指弾する警世の書である。随所に目を見張る新しい言辞がころがっている。「お越しをいただく」「お招きをいただく」、「を」いれ言葉。「ぎ」とり言葉。「して」とり言葉。肝心な部分をはしおった「れば」言葉。などなど。しばしば話題にされる「させていただく」などにもしっかり言及している。謙虚で奥ゆかしい言葉「いただく」に失礼だろと小さな諧謔も。読ませて考察させる。純然たるアカデミックの書。読み下すにはそれなりのエネルギーを要するが非常に有益な時間を過ごすことができた。