茂木健のレビュー一覧

  • 完璧な夏の日 下

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    上下巻通して読んだが比較的読みやすかったおかげでわりとサクッと読めた。場面転換がひっきりなしだったけども作品を通して映画的・テレビドラマ的であるのでシーンを思い浮かべやすく、混乱もあまりない。

    私は「ロマンチックなSF小説」が読みたい欲求というのがあるので、この作品はちょうど良いのでは?と思ったのだけど、うーん、普通かな。そもそもSF小説かと言われると違う……のか?スーパーヒーローもの??カテゴリ分けが苦手なのでよくわからないのだが、乗れなかった理由はヒロインのゾマーターグ。いつまでも少女のような汚れなき乙女を想い続ける的なロマンスはあまり好みではないのだ。一個の人格というよりは、何かの投影じゃん、というのが強く匂いすぎると醒めるというか。その分、親友のフォッグをジットリと何十年も想い続けるオブリヴィオンの報われない恋が不憫でよかった。

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    2015年06月26日
  • みんなバーに帰る

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    訳文が現在形なのは、原作通りなのかな。自省を伴わない依存症者の物語は読んでいて辛い。観察者であった筈の主人公が酩酊者に堕ちて行く様は笑えない。禊ならば、聖的なものがある筈だが、この小説に出てくるお酒は聖水どころか、悪魔の水ですね。

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    2015年05月15日
  • みんなバーに帰る

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    「泥酔文学の金字塔」という謳い文句に惹かれ読んでみた。語り手が主人公を「君」という二人称で呼び、現在形で実況する文体に最初違和感があったが、Ⅱに入る頃には慣れていた。
    常連達の生態が酷い。主人公はそこそこ大きなバーの補助スタッフだが、仕事中に酒も薬もやっているのにカー通勤だ。吐く、盗む、倉庫で淫行、もうどうしようもない。それでもなんとなく面白いのは、「石を入れたストッキングのように垂れ下がった胸」みたいな比喩が秀逸だったからかもしれない。

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    2015年04月16日
  • みんなバーに帰る

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    献本でいただいた1冊となります。
    いわゆる“泥酔文学”に分類されるとか。

    “泥酔”というフレーズが示すとおり、
    ひたすらに“ダメ人間”の集い、といった風です。

    といっても、教訓臭いわけでもなく、
    ある意味突き放した視点で描かれているのかな、と。

    主人公はとあるバーのバーテンダー。

    彼自身がイロイロとダメめ要素を持ってはいるのですが、
    物語の冒頭はあくまで“観察者”としての立ち位置です。

    彼の働くバーに来る客たちの“ダメ”ぷりといったら、、
    微笑ましくもあり、あきれ果てるのもあり、様々です。

    日々、困らせるようなことばかりですが、
    どこか憎めない客ばかり、だからこそ“帰る”のでしょうか。

    中盤以降、主人公のバーテンダーもまた、
    “呑みこまれて”いってしまうのですが、、うーん。

    端から見ると転落していくのでしょうが、
    本人にとってはどうなのでしょう、、これもまた一つの形、なのかも。

    なんて愚にもつかない事を考えながら、つらつらと。

    素面で読むよりは、バーボン片手に酩酊しながら、、
    アテの一つとして楽しむ、それもまた“アリ”かもしれません。

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    2015年03月16日
  • シスターズ・ブラザーズ

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    おもしろいかというと…う~ん。
    味がある、と答えるかな。

    語り手がちょっとIQ低めな弟、っていうところが、話に深みをだしている。
    バンバン人を撃っちゃうお兄さんに対しても、
    他人であれば『荒くれ者で人でなし』になるが
    兄弟だからそれを受け入れる許容が自然と出てくる。
    それを語っても、血なま臭くならないのは、そんな弟が語っているからか。


    善き人のように描かれている弟。
    見返りをそれほど期待せずに女に金を与え、社会的弱者には少しの情けをかける。
    だが、踏み込んだ人間関係は一切遮断。
    だからこそ決して仲良しではないような兄弟の描かれ方だが、その絆が浮き出される。
    見え透いた『絆がテーマの感動作品』より、余程いい。

    読みやすい。が『このミス』4位っていうのはちょっと疑問。
    ミステリ??(苦笑)

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    2014年09月16日
  • シスターズ・ブラザーズ

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    シスターズ兄弟のウイットに富んだ日常の会話と悲惨な暴力描写のギャップにしびれた。ただやや冗長で盛り上がりに欠けていた。

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    2013年10月03日
  • シスターズ・ブラザーズ

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    表紙や帯、評判を聞いて読んでみた中身はまた違った。
    コメディー、またアクションものだと思っていたがロードムービーのようなもの。

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    2013年06月29日
  • シスターズ・ブラザーズ

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    あちこちで評判がよかったので勢いで読んでしまった一冊。殺し屋が主人公のロードストーリーでは、『ノーカントリー』(原作は未読)を連想した。あそこまでの重苦しさとカッコよさはないので、ノーカントリーのポップ版って感じかな。思ったほど人も殺されかなったし。

    明確な起承転結は多分、ない。前半はストーリー自体が見当たらず、単なる作者の自己満足かしらと訝しむような退屈さ。一人称の語り口は軽妙で特徴的ではあるが、これといって響くものがない。右から左へスルーするだけで、イージーなBGMを聴いてるよう。

    後半にやっとドラマが展開するけど、その着地点もなんだかなあ。うまく着地してるけど、位置はそこじゃないでしょ、みたいな。最後までふわふわ感が拭えなかった。浅い部分で読ませてるので、深みが全く感じられなかった。

    ブッカー賞のレベルはわからないが、こういうぬるい作品が評価されるのね。でも現実逃避(?)には向いてるかも。ちなみに自分は心身ともにヘヴィーな時期に読んだけど、一瞬トリップできてプチ・リフレッシュになりました。どうやら雰囲気と世界観を楽しむ作品みたい。

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    2013年06月29日