『少女パレアナ』の続編。『少女パレアナ』を読んだ人は、一読の価値あるかも。好みが分かれるところだとは思いますが。
この話は、純真無垢な少女だったパレアナが成長した時間を含む物語だ。それだけに、パレアナがどのように成長するのか―小説の中でしか存在しないような、明るく無邪気な少女が、一体どのような女性
...続きを読むに成長したのかを見ることができる点で、興味がわく。
純真さと成長というのは、反対の存在だと思う。しかし、『パレアナの青春』で作者は、パレアナをかつての純真さを秘めたまま、大人の女性として成長した好ましい女性として描くことに成長している。そこが非常に素晴らしく、また、パレアナの読者としても嬉しいところだ。
『少女パレアナ』もそうだが、『パレアナの青春』は、パレアナの設定とは相容れないと感じるほどに厳しい現実世界の空気が描かれる。そんな中でも自分らしさを失うことのないパレアナは、本当に稀有な存在だろう。・・・だが、『少女パレアナ』がそうだったように、『パレアナの青春』のおいても、誰もがパレアナになれるのだ。作者のメッセージはそこにあると思いたい。
話の最後の方は若干ご都合主義的というか、ロマンチックすぎる感じもするけれど、ご愛嬌というものだろう。