坪内祐三のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
新書(版の本)を読むことへの強い思い入れを感じた。紹介されている本、それぞれの時代背景と、その年代に影響を受けた事柄などが表現されている。著者は私より先輩であるが、本文を読むと、記憶が重なる部分があるようだ。私は読書家ではないので多読には至らず、文庫本が主流。出版社の企画にそのまま乗ってしまった、といまになって思う。当時新書のイメージとしてはむずかしい学問を分かりやすく紹介する、逆に専門学への導入と言うイメージがあった。自分が専門としている分野でも過去の経緯からの研究過程が示されていたり、自分の知らない事を補うためには、好適であったと思う。
-
Posted by ブクログ
ニートな若者たちに告ぐ、というタイトルのコラム中の文章
「各メディアでのニートという言葉の取り上げ方の多さ。そこに私はうさんくさいものを感じるのである。本末転倒な気がするのである。何か未知なものを調べていって、その結果得られた言葉(概念)ではなく、とりあえず先にキャッチーな言葉を作って流通させてしまえば、実体はそのあとでうめられてくるだろう、という安易な感じがするのだ。」
流行り言葉に作為を感じることは自分も多々あるので、この部分はうなずきながら読んだ。
他は2004年から2008年の間に起こったことについて考察している部分が多いです。当時のことを懐かしみながら気軽に読める世相コラムといった感じです。 -
Posted by ブクログ
【ノート】
・引き続き読書ガイドだが、実はこういう「必読書◯◯選」みたいなものが昔から好きだ。中学の頃、OUTというサブカル雑誌に高千穂遙というSF作家が書いていたSFガイドが自分にとってのSF読みの始まりだった。そこで取り上げられていた本を読み進め、また、「初心者を卒業したらハヤカワ海外SFノベルズ」という一文が、高価なハードカーバー本に対する強烈な憧れをインプリントしたものだった。これは今でも拭い去ることができなくて、ハヤカワSFは文庫よりハードカバーこそが「通の証」という思い込みから逃れることができない。
・「新書365冊」に比べると本書は出版時期が2003年ということで3年早い。本書も「365」と同様、新書レーベルの創刊時の1冊。著者が自覚している通り「新書本のガイドブックのような体裁をとりながら、品切れ本や絶版本ばかりを紹介(P220)」しているので、実用性という点では「365」の方に軍配が上がる。しかし、本書では、思春期を中心とした著者の読書遍歴が、当時の状況や心境、興味の広がり方と共に語られており、しかもそれがとても正直で素直なので、好感と共感を持って読み進めていける。読書ガイドでありながら、読書をテーマにしたエッセイでもあり「365」とは少し趣旨が違う読書本だと言える、ちなみに「365」には本書が取り上げられており、「こんな本を書きたいと思っていた」と述べられている。なお、本書では人文、それも文学系統に対する比重が高く、それが今の自分の興味とは少し合わなかったのが少し残念。しかし、いつか重宝する時がくるだろう。
・清水幾多郎の「本はどう読むか」からの引用が特に印象深い。いわく、気になった本は、その時に読まなくても積ん読用に買っておくこと。また、読み方にはスピードが大事で、蕎麦と同じで一気に読んだほうがよい。「のどごしが大事」ということか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ随筆を通して、正宗白鳥の好きなもの、嫌いなもの、価値観、思考、そんなものを追える。だいたいニヒル、時々ぐっさり、結構流されやすいというのか、ごりごり頑固ではない印象。やっぱり変わり者とは確信する。
自分の作品や生き方に自信や誇りはなく、でもそれを卑下しながらもすーっと書いてるから、驚きながらも読みやすい。
特に、白鳥の目に映る文壇事情、懐関係や出版業の変遷などは知らない世界を覗けるという意味で興味深い。
現代では、出版業の意味に『文学を育てる』というところを意識しにくいが、本来は出版社の利益追求(存続のために勿論必要だが)の他に文学の育成や保護という機能や理念があるんだろうなと認識できる。
ただ、文壇関係の内容も多く、そのあたりについて馴染みのない作家と出版者などの単語が多くなってくると、退屈を感じることも。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
一人の青年の燃える向学心に数々の新書がいかに応えてくれたことか―。
富士正晴『中国の隠者』、児島襄『東京裁判』、金関寿夫『アメリカは語る』、山口昌男『文化人類学への招待』、名取洋之助『写真の読みかた』などなど、この知の宝庫に分け入り、次々と読破した若き日々…。
好きな本・凄い本・お得本から秘蔵の本まで、百冊の思い出を熱く描く。
本好きから心を込めて本好きへ贈る読書自伝。
[ 目次 ]
第1章 自らの意志で新書本を読みはじめた頃
第2章 新書がどんどん好きになっていった予備校時代
第3章 新書で読んだ読書ガイドと読書法と書斎の話
第4章 講談社現代新書のアメリカ文化物は充実していた
第5章 やがて来るニューアカ・ブームを前に
第6章 作家の書いた新書本とお勧めの伝記物
第7章 新書で近代日本の文化研究をする
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]