【感想・ネタバレ】人声天語のレビュー

あらすじ

「天声」にはパブリックなイメージがあり、ある種の客観をよそおっている。それに対して「人声」はプライベートであり、あくまで個人的な声。だから「人声天語」とは、要するに、反射神経による思考(発言)のことである。
2003(平成15)年から、2008(平成20)年にかけて起きた様々な事象の、おかしさ、うさんくささ、不思議さを、紋切り型ではない「人声」でとらえた世相コラム集。

収録された主な出来事は――
ネット心中/自衛隊イラク派遣議論/「週刊文春」出版差し止め問題/イラク日本人人質事件/国民年金未払い問題/佐世保小六女子殺人事件/ギリシア五輪/プロ野球リーグ再編問題/靖国問題/ライブドア事件/秋田小学生殺害事件/昭和天皇「富田メモ」報道/ハンカチ王子ブーム/朝青龍問題/安倍総理辞任/時津風部屋暴行死事件/「大阪名物くいだおれ」閉店/秋葉原通り魔事件/地下鉄副都心線開通 など

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Posted by ブクログ

ネタバレ

月刊誌に連載されたコラム。
2003年から2008年まで。

ああ、そんなことあったなあと思い出せるくらいの過去。
例えばプロ野球のオリックスと近鉄が合併して、パリーグが5球団で行われようとしたこと。
朝青龍が巡業を休んでおきながらモンゴルでサッカーに興じたこと。
スーパーの店頭から納豆が消えたこと
などなど。

そして、70%以上の支持率で総理についた一年後、あらゆるメディアで批判されている安倍晋三。(そこまででしたっけ?)

ついこの間、日垣隆で過去を振り返ったけれど、別な人の目で見る過去はまた違った様相を見せる。
あらゆる方向にケンカを売る日垣隆に比べて、坪内祐三の態度は大人だ。

しかし、なんだろう、その大人な態度、分別臭さが今回鼻につく。
今の若者の薄っぺらさを嘆き、学生の質の低下を嘆き、ニートを嘆く。
ちょっとレッテル貼りが乱暴と思う。

しかし街の本屋さんや良心的な出版社が消えていくのは私も寂しいし、ものすごく残念だ。
そこは激しく同意をしておく。

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2017年10月10日

Posted by ブクログ

ニートな若者たちに告ぐ、というタイトルのコラム中の文章
「各メディアでのニートという言葉の取り上げ方の多さ。そこに私はうさんくさいものを感じるのである。本末転倒な気がするのである。何か未知なものを調べていって、その結果得られた言葉(概念)ではなく、とりあえず先にキャッチーな言葉を作って流通させてしまえば、実体はそのあとでうめられてくるだろう、という安易な感じがするのだ。」
流行り言葉に作為を感じることは自分も多々あるので、この部分はうなずきながら読んだ。
他は2004年から2008年の間に起こったことについて考察している部分が多いです。当時のことを懐かしみながら気軽に読める世相コラムといった感じです。

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2022年12月02日

Posted by ブクログ

氏を知ったのは『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代 』で、この一作で私にとって気になる作家になったのだが、やはりこのコラム集でも、切り口・眼のつけどころが鋭く、そして読みが深い。

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2012年05月19日

Posted by ブクログ

6年分の連載コラムを一冊にまとめたもの。私は、著者より五つ下の学年なので、子どもの頃、重なる経験もあるけれど(例えば街中で見た傷痍軍人)、そうでないところもあるのが興味深かったです。

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2011年08月03日

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