松井計のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ再確認したこと。
人はどんなに窮しても拾ってでも、タバコだけは吸うのだと。
役所は安易に主人公を生活保護対象としなかった。
主人公は職を得たかと思うとたちまち<勤め人失格>と自嘲するに至り、人の情けや冷たさに遭遇し、夜の街を歩き、寒さを空腹を耐え忍び、種々の<〇〇失格>を痛感する生活を送る。
あなたの友人・知人は、あなたがホームレスになったとき、助けてくれれだろうか?
それを追体験させてくれる秀作である。
本書は風呂の湯舟で少しずつ読み進めた。
読者は私のように湯舟に浸かりながら、簡単にホームレス生活を追体験できてしまう。ヌクヌクと・・・心苦しいがすみません。 -
Posted by ブクログ
『ハウスレス』の状態から何とか脱出した著者ですが、また新たなトラブル等が舞い込んできて、懊悩の日々が始まります。一度転落するとなかなか這い上がることの出来ない闇があることを実感させてくれます。
「お前、野垂れ死にする覚悟があるか?」
昔、何かの弾みである人にこう問いかけられたことがある。かつて一度、この本に書かれていることに近しい経験を僕はしたことがある。具体的なことは、精神的なダメージがひどいので書けないけれども、野垂れ死にする、ということはゆっくりとしかし、確実に死に向かっていくことに他ならない。
話がそれてしまったが、一度、路上生活に身を堕とした者が社会復帰をするまでにどれだけの障害 -
Posted by ブクログ
僕は以前、この人が路上生活をしているところを追ったドキュメンタリー番組を見たことがあったのがきっかけでこの本を手にしました。『人生の陥穽』というのはその辺にあるのだなということを痛感させてくれました。
僕は昔、この人の路上生活を撮影したドキュメンタリー番組を見たことがある。そして今回、本書を読む機会があった。どんな人間でも、ホームレスになってしまう可能性がある事実。そしてその陥穽が目には見えないけれども無数に自分たちの足元にあるのだと、改めて思い知りました。
そして、作者が路上生活を送る上で最も気をつけていたことはできるだけ身ぎれいにしてしておくことだということでした。そうしないと、たとえ