光岡英稔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
(2014/7/14)
凄い本に出会ってしまった。
麻木久仁子の週刊ほんなびのpodcastで精神科医 名越康文さんが紹介してくれたのを聴いて、
名越さんが進める内田さんの本なら間違いないだろうと思って手に取った本。
タイトルだけでは何の本だか分らなかったのだけど、、、、
光岡さんというのはハワイで育って日本に来た武術家。内田さんは思想家、武術家。
ものの考え方と言うか哲学と言うか、それらを武道を軸に対談している。
生きるか死ぬかの時に型がどうのこうのじゃないだろう!というのがベースにあるように思った。
保護されてる、守られてる前提で武術やってて意味あるのかと。
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Posted by ブクログ
武道的な力とは、端的に言えば、一個の生き物としてあらゆる状況を生き延びることができる能力。自分自身が愉快に、気分良く生き続けられるために心身の能力を向上させること。
ただ、自分ひとり愉快であればよいというものではなく、社会格差のせいで苦しんでいる人がいれば、自分も楽しくなくなる。だからこそ、武道家としての自分であれば、そういう問題も何とか解決するように努力する。自分自身の心身の能力の開発を阻害するすべてのファクターを「敵」だと考えて、どうやってその敵を無力化していくのか、それを工夫する。
内田老師はそう述べた上で、現在の武道がある種無菌状態の中で競技化されているものは、晴れた日の武道=晴天型の -
Posted by ブクログ
自分が やってきたこと してきたことに執着が ある人は 新しい出会い
武運には恵まれない!
生き延びるための知恵と力を高めること
それが武術修行の目的
過ぎたことは もう過ぎたことだから考えても仕方ない。
まだ起きてないことは まだ起きてないんだから考えても仕方ない。
どちらも武道的には禁忌です。
あんなこと、しなければ よかった
こんなことが、起きたら どうしよう
取り越し苦労する人は 想定内 の未来に縛りつけられて、いかなる想定外の事態が起きても、不意を突かれてしまって
対応できない。
想定内の対応なら凡人でも できます。
想定外の ことばが ぱっと出てきたときに
ふさわしい -
Posted by ブクログ
内田氏の著書は浴びるほど読んだが、今回はとりわけ武道にフォーカスした内容で、対談相手は韓氏意拳の光岡氏。光岡氏はストリートファイトで日本の合気道とは性格を異にする面も多いが、根本は相通じているようだ。時間概念の捉え方など、素人には少々ついて行けないような単元もあったが、海外での体験談や過去の武人にまつわるお話、さらには日本が現在直面している危機など幅広い話題を扱っている。終盤のエアガンの子どものエピソードには正直ビックリした。この事態からも、日本の危機的状況が浮き彫りになっている。平和を実現する手段としての、次元の高い「荒天の武道」が今求められているのかもしれない。
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Posted by ブクログ
とても奥が深い対談本。
内田さんの『疲れすぎて眠れぬ夜のために』のなかで既に光岡英稔さんの名前が出ていた。
光岡さんは1972年生まれとお若いのに、この空間からはもはや超越されている。
私は数値や目で見えるものでは説明できないような、
感覚的、時間的な話題に対しては感受性が高いので
光岡さんが仰っているような
「輪廻とは『そうなってるね』と言われたら、『うん、そうだね』と言えるくらいのもの」
というのに腑に落ちて、この本に対して
「うん、そうだね」と言いたい。
印象的な場面をいくつか。
内田さんが「『何となくそう思う』とか・・・どうしてそう判断したのかわからないけれどそう判断したとい -
Posted by ブクログ
5/10うてなの先生が貸してくださった。
内田せんせいが光岡先生の話を聞いて「分かりません」と言うところが2カ所くらいある。
分かりませんと言えるせんせいを見習いたい。
さて、前半はあまり印象に残らなかったのだが、後半、引き込まれる。
日本は「知識基盤社会」を提唱しているが、数値化されパッケージされた知識や情報を社会活動のベースにするのは危険だと。知識や情報が重んじられ過ぎると、潜在的な感覚で「これはまずい」と感じたことがだんだんぼやかされてしまう。と内田せんせい。
この流れで、光岡先生が知識や情報は過去知だから、未来の確定にはつながらない、感覚のみが一寸先を読むものだ、という話をされる -
Posted by ブクログ
ものすごく奥深い話が続き、中々理解できない。しかし、何度も読むうちに少しずつわかってくるのでは?という期待感が持てる対談集ととった。少し武道はかじったことがあるが、本書にあるような境地はおろか、ろくすっぽな思考もなく、ただ練習?してた気がする(もっとも当時このような書があっても間違っても読みはしなかっただろう)。
今、あらためて武道経験を振り返ってみて、当時の道場の雰囲気を想像しつつ読みすすめた。武道こそ、体験の学と思うので、再開してみようか。
本書はただ、難しい。いろいろ。でも再読するだろう、という書でもある。
2回目:
言語的入力内容はすぐに消える。一方身体的に出力したことは長