佐々木実のレビュー一覧

  • 竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像

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    小泉内閣で大臣を務め、現在でもその言動が話題になる竹中平蔵。格差社会の「元兇」として、ネット上ではもっぱら批判の対象として語られるが、その実像はいったいどうだったのか、以前から気になっていたため、受賞するなど評価が高い本作を読んでみた。読んでみて印象に残ったエピソードはいくつかあるが、ここでは以下の3点について取り上げたい。ひとつめは、竹中がまだ表舞台に登場する前の1984年のこと。処女作を上梓するのだが、なんとそれはじっさいは共同研究だったものを、共同研究者に無断で個人の研究成果として発表してしまったというのである。竹中はのちに国会やメディアの場でときに独善的ともいえるような主張をしばしば展

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    2024年08月16日
  • 竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像

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    ニュースのコメンテーターとして出演しているイメージだったが、もっとしたたかな人だということが分かった。
    政府や政策の裏側は表に出ないことだらけだなと…。

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    2024年02月03日
  • 今を生きる思想 宇沢弘文 新たなる資本主義の道を求めて

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    人の世には市場に任せてはいけないものがある。
    それらを社会的共通資本としてとらえる。現状とは異なる資本主義の向き合い方だ。どうしてこの考え方が主流にならなかったのか。人間の欲望とはかくも強大ってわけだ。

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    2023年06月01日
  • 今を生きる思想 宇沢弘文 新たなる資本主義の道を求めて

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    こんな人だったんだとおもろきの1冊。

    宇沢さんといえば、数学が得意で、経済学の科学化に貢献した人。でも、市場原理主義ではなくて、社会資本、公共財といったところにも、議論を広げた人という印象だった。

    が、これによると、もともと数学科だったのが、マルクスにいき、その後、アメリカで行動主義的な経済学者として業績をだしたのち、日本に帰ってからは、公害問題などに関心をもって取り組んだ人。

    つまり価値中立的ではなく、価値判断をいれるしかないということをやった人なんですね。

    これはすごいことだ。

    そして、それを定性的に語るのではなくて、定量的、経済学の一般均衡論のロジックを使って、その理論の内在的

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    2023年04月02日
  • 資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界

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    経済学という学問にこれまでどうしても興味を持てなかった。
    世の中の実に多様な側面を、「経済」という一つの視点だけで切り取り、それだけで「良い悪い」を判断している学問だという偏見を持っていたからだ。

    でも本当に優れた経済学者は、決して経済が世の中の良しあしを決定する因子ではなく、
    あくまで人間の幸せを考えたうえで、そのアプローチの一つとして経済学を認識していることを知り、そういった優れた学者たちに畏敬の念を覚えた。

    本書の主役である宇沢弘文さんは、その優れた経済学者の最たる人物であろう。
    経済学の世界の最先端であるアメリカ・シカゴ大学のスター教授の一人として、輝かしい経歴を持ちながら、人類、

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    2021年05月02日
  • 竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像

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    金融界の不良債権処理にあたっての繰延資産税金資産算入を厳格化、監査法人を指図して銀行を破綻させ、公的資金投入を実現、郵政マネーに目をつけたアメリカになびくような郵政民営化の推進、オリックス宮内社長と組んで規制改革利権に手を染めるなど、竹中氏の利にさとい戦略的な手法に切り込む。
    猛烈な野心を持ち学者と称しながら政治的、柔軟ではあるが節操がない、効率性のみを追求し、公正、平等性を無視する・・・竹中氏の真の姿が著者によって鋭くえぐり出される。 
    テレビなどで見る穏和な表情と柔らかいしゃべり方から自分が持っていた竹中像が音をたてて崩れおちた。
    「改革派」という聞こえの良さとは裏腹に多くの敵を作っている

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    2021年03月06日
  • 竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像

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    日本経済の改革の立役者か、破壊者か。構造改革の旗手、今も政治のブレーンとして活躍する竹中平蔵氏の半生を追った作品。

    郵政民営化ほか構造改革の向うに残ったのは格差社会、外資系企業の進出だけだったようにも思える。日本社会の持っていた古き良きものが、経済の効率化、新自由主義の元で失われてしまった。

    竹中平蔵氏の果たした役割がどこまでかは本書だけでは分からないが、労働者派遣の見直しと農業改革、氏が顧問を務める人材派遣会社のパソナとの関係など注視していきたい。

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    2020年12月21日
  • 竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像

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    竹中平蔵について、ぼんやりとしたイメージしかなかったけれど、ほぼ時系列でその活動をまとめてみるとようやくわかる。ある種の平成金融史としても読める本。もう少しパソナとの関係も深堀してもらいたかった。自分で調べないと。

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    2020年10月30日
  • 資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界

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    経済学には詳しくないので、分からないところが多かったが、宇沢弘文という人物や宇沢弘文を通した経済学の流れが丁寧に書かれた大作でした。
    分厚い本なので躊躇しましたが、興味深いエピソードも多く、波乱万丈の生涯ということもあり、興味深く読めました。
    経済学といっても、どの時間軸で見るか?どの立場で見るか?どんな目的で使うか?などでかなり変わってくると感じました。
    宇沢弘文氏は、長期的な視点で、俯瞰した位置から、平等や正義、弱者のために使おうとしていた。
    しかし、世界は、時代は、そうではなかった。

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    2019年09月04日
  • 資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界

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    数理経済学という学問分野において、間違いなく日本を代表する存在として、多数の論文により学問の進展に多大なる影響を与えつつ、突然の沈黙により学会から距離を置き、半ば”仙人”のような風貌で晩年を送った経済学者、宇沢弘文。本書は彼の半生と数理経済学という学問の発展とその限界を炙り出す超一級の評伝である。

    経済的合理性に基づいて一切の行動を取るという仮定の存在たるホモ・エコノミクスの存在を前提とし、近代の経済学では人間行動を数学を用いたモデルにより表現することで学問としての精緻さを明晰にすることに成功した。一方、そうしたホモ・エコノミクスという存在の仮想性に目を付け、新たな理論を立ち上げたのが20世

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    2019年08月04日
  • 今を生きる思想 宇沢弘文 新たなる資本主義の道を求めて

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    宇沢弘文氏のことは全く知らなかった
    が、この本で知の巨人であると認識した。
    市場原理主義に対して何十年も前に問題に気付き、解決する方法を考えてきた人がいたことは嬉しい。
    現在、この問題に多くの人が気付いているというが、社会全体の総意になってはいないように思う。

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    2024年04月23日
  • 今を生きる思想 宇沢弘文 新たなる資本主義の道を求めて

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    とある講演会で、国土交通省の方が宇沢弘文『自動車の社会的費用』を紹介していたので、気になって入門本を読んでみました。
    生い立ち以降は、経済学の教養ないと理解が難しいです。少なくとも私は無理でした(笑)見えないものを定量化するのは難しいと思うので宇沢さんはすごいなあと思ったのとカーボンクレジット(この仕組みも私はイマイチ理解できてないけど)とかの議論でも活躍する姿を見たかったなぁ思いました。

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    2023年08月28日
  • 竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像

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    少し古い本なので、当時の状況を忘れているところがあったが、政治の世界にうまく入り込み、自分の懐を肥やすやり方はさすがだ。
    続編に期待。

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    2023年03月26日
  • 今を生きる思想 宇沢弘文 新たなる資本主義の道を求めて

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    親族の戦死体験、数学にのめり込んだ学生時代、経済学への転向、米国での成功と失望による帰国、公害問題への取り組みと、まるで大河ドラマを観ているかのような、1人の人間の生涯を描いたドラマチックな新書でした。

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    2023年02月10日
  • 今を生きる思想 宇沢弘文 新たなる資本主義の道を求めて

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    新古典派経済学の批判者としての宇沢の、簡潔な一般向けの評伝。ケインズ以降、1970年代ごろまでの、手軽な経済学史としても読むことができる。

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    2022年11月05日
  • 竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像

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    2022.8.
    近頃、竹中平蔵が突然、オリックスとパソナの役員を辞める、という動きがあった。

    首を洗って待っとけ!
    検察は竹中を絶対に逮捕しろ!
    たまには、まともな仕事しろ!

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    2022年08月12日
  • 竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像

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    ここに出てくる人物の反論も聞いてみたいところです。
    この内容が真実であるならば、竹中平蔵さんは一体何がしたかったのだろうか。どれだけ日本のことを思い考えてくれていたのだろうかと思ってしまいます。

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    2021年08月13日