上田正昭のレビュー一覧

  • 日本神話

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    私のおば(父の姉)は、昭和ひとけた生まれ。私が小学生のとき、その伯母が百人一首の歌を暗唱してくれた。
    すごいと言う私に向かって、伯母はさらに、歴代天皇の名をそらんじはじめた。さらにすごいのは、第何代は何天皇というように、アトランダムでも天皇の名が言えたことだ。
    この本の著者の上田正昭氏も昭和2年生まれ。おそらく私の伯母同様、戦前教育を受けた同世代の方々は、天皇家の系統や記紀神話に関する知識を、現代の中学生が日本国憲法や選挙のしくみなどを基礎的な知識として学校で習い理解するのとおんなじように共通知識として持っていたに違いない。

    なので、そういう素養のない、私を含めた現代の戦後教育世代の多くは、

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    2016年02月28日
  • 私の日本古代史(下)―『古事記』は偽書か――継体朝から律令国家成立まで―

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    上巻に比べると、さすがに資料増えてきたおかげかはるかに良い内容になっています
    逆に言えば新鮮さがなくはありますが、古代日本史入門の手引きとしては有益な仕上がりに下巻はなっていると感じます

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    2013年07月03日
  • 私の日本古代史(上)―天皇とは何ものか――縄文から倭の五王まで―

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    著作集をすでに読んでる人からすると、簡易版に見えてしまうかもしれない。新しいアイディアも盛り込んであるようで、著者の年齢を考えると素晴らしいと思う。
    プロ・アマ関係なく勉強になる本という感じ。

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    2013年04月15日
  • 日本神話

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    目次(抜粋):
    序 日本神話の再発見
    Ⅰ 神代史のなりたち 1 口誦と記録 2 神話の舞台 3 三つの神代史
    Ⅱ 天つ神の世界 1 天地の創成 2 天つ神の誕生 3 皇祖神の源流
    Ⅲ 国つ神群像 1 天と国と 2 葦原の中つ国 3 国ゆずりの軌跡
    Ⅳ 神話の重層 1 三上来臨 2 海上遊幸

    あとがき

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    2012年10月23日
  • 大和路の旅

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    軽い奈良の歴史案内旅行記かと思いきや
    上田先生の本は分厚い歴史の地層を熱く語るとても読み応えの或る本でした。
    私達が心引かれるたくさんの要素を、一つ一つ、これからも検証していく作業が旅の如く、続いていくことを感じました。

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    2010年10月17日
  • 新版 日本神話

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    日本古代史の研究者として知られる著者が、『古事記』と『日本書紀』を中心とするいわゆる「記紀神話」について論じた本です。

    津田左右吉は『古事記』および『日本書紀』の文献批判をおこないましたが、著者は「記紀神話」をすべて政治的な作為や潤色として説明することはできないと述べます。他方で、民族学や文化人類学、あるいは比較神話学の観点からの研究の進展により、「記紀神話」の類型やその伝播の実態がしだいに明らかにされつつありますが、著者は「記紀神話」が政治的な意図にもとづいて構成されたものであることを無視することはできないといいます。こうして著者は、歴史と神話のどちらか一方の観点からのみ「記紀神話」を解釈

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    2024年04月23日
  • 日本古代史をいかに学ぶか

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    米寿を迎えた著者様の「いかに日本古代史を学んできたか」と、おのれの研究史を顧みる一冊。
    戦中・後を経験された歴史学者さんの熱量のすごさに圧倒。古代史は、他国も含めグローバルに見ていかなくちゃと、改めて思う内容でした。

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    2017年03月31日
  • 渡来の古代史 国のかたちをつくったのは誰か

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    上田正昭氏が昭和40年出版した『帰化人』以後の研究成果をまとめた本である。
    内容は
    序章 帰化と渡来と
    第一部 渡来人の諸相
     第1章 日本版中華思想
     第2章 秦氏の活躍
     第3章 漢氏の行動
     第4章 高麗氏と船氏
     第5章 百済王氏の軌跡
    第二部 渡来文化の諸相
     第1章 文字の使用
     第2章 道教と役小角の宗教
     第3章 儒教と仏教
     第4章 アメノヒボコの伝承
     第5章 壁画古墳と渡来の氏族

    あとがきにありますが、雨森芳洲の文章が上田正昭氏の思いです。
    「誠信の交りと申す事、人々申す事に候へども、多くは字義を分明に仕えざる事これあり候。誠信と申し候は実意と申す事にて、互いに欺ず争ず

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    2016年02月23日
  • 私の日本古代史(上)―天皇とは何ものか――縄文から倭の五王まで―

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    この本で、古代日本史にはいまだ数多くの論争がある事を知る
    著者の自説についてはことごとく説得力薄いために全部保留
    この程度で第一人者っていうのはかなりマズくないですか

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    2013年07月01日
  • 私の日本古代史(下)―『古事記』は偽書か――継体朝から律令国家成立まで―

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    日本における中華思想いまも

    上巻に続いていかにも学者らしい冷静な筆致で、継体朝から律令国家の成立までをバランスよく記述している。最近「聖徳太子」が実在しなかったとか、「古事記」は偽書であるなどという俗説が商売繁盛しているようだが、それらが事実無根の妄論であることもこの本を読むと納得できよう。

    世間では神代の昔から現代まで一貫して天皇制が存続したなどと考えている人も多いようだが、そもそも「天皇」という言葉が使用されるようになったのは天武朝からだし、それまでは「大王」と称されていた。王とは各地の部族の長で、それらの親玉を大王と称したが、大王が天皇に成り上がるためにはいくつもの階梯を経なければな

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    2013年02月27日
  • 私の日本古代史(上)―天皇とは何ものか――縄文から倭の五王まで―

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    「売らんかな」のキャッチフレーズには閉口

    著者の長年に亘る歴史研究の総決算というべき通史の前半部である。「天皇とは何者か」、という惹句につられて読みはじめたが、その回答などどこにも書かれていないので閉口する。
    こういう「売らんかな」のキャッチフレーズは、たいてい出版社の担当者が考えるらしいが、本編の内容とはうらはらの羊頭狗肉の代物が多いので要注意である。

    しかし「倭」とは従順の意味であると聞くと、なるほどそれで現代の本邦の人々も様々な矛盾と軋轢に真正面から対抗せず、側面から中和しようとする性向もおのずと頷ける。

    まずは大和地方に本拠を置いたヤマト政権が、次は現在の大阪・河内地方を深耕し、

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    2013年02月21日
  • 新版 日本神話

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    岩波新書(1970)で発行された書に手を加えた新版。『記』『紀』は元より神話のその多重性や地域性、政治的意図を考察。さまざまな錦糸で編まれた「神話」の「縦糸と横糸」をひとつひとつほどいていく作業をしていると思う。

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    2011年02月10日