【感想・ネタバレ】渡来の古代史 国のかたちをつくったのは誰かのレビュー

あらすじ

「帰化」と「渡来」の語を明確に区分、古代史に風穴をあけた泰斗による、「渡来人と渡来文化」の集大成。近年の発掘調査の成果も踏まえ、古代国家形成にかかわる渡来を東アジアという視点でダイナミックに提示する。
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。

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Posted by ブクログ

上田正昭氏が昭和40年出版した『帰化人』以後の研究成果をまとめた本である。
内容は
序章 帰化と渡来と
第一部 渡来人の諸相
 第1章 日本版中華思想
 第2章 秦氏の活躍
 第3章 漢氏の行動
 第4章 高麗氏と船氏
 第5章 百済王氏の軌跡
第二部 渡来文化の諸相
 第1章 文字の使用
 第2章 道教と役小角の宗教
 第3章 儒教と仏教
 第4章 アメノヒボコの伝承
 第5章 壁画古墳と渡来の氏族

あとがきにありますが、雨森芳洲の文章が上田正昭氏の思いです。
「誠信の交りと申す事、人々申す事に候へども、多くは字義を分明に仕えざる事これあり候。誠信と申し候は実意と申す事にて、互いに欺ず争ず、真実を以て交り候を誠とは申し候」。
この至言は、今の世にも活きる。
もっとも近い国の渡来の人びとが、日本の歴史と文化の発展にいかに深いかかわりをもったか。
本書がたんなる過去の物語ではなく、一衣帯水の隣国との友好のまじわりに、多少なりとも寄与することができれば幸いである。と。 

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2016年02月23日

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