藤井一郎のレビュー一覧
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ものスゴイ交渉テクニックのオンパレードと思いきや、交渉にあたる際の態度など、割りと実践的なものが多く、好印象でした。この分野は、なかなか教えてくれる人がいないので、ものすごく参考になりました。特に、筆者が、交渉とは対立でなく、立場の違う人とのコミュニケーションと位置づけているところに、ものすごく感銘を受けました。同じパイを取り合うと思うと、交渉は対立になり得るが、パイ自体を大きくしてしまえば、お互いハッピーになれるなど、ナルホドと思わせることが多く、交渉という対立の枠を超えたコミュニケーション論として、日常のあらゆる場面に応用できそうです。
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Posted by ブクログ
交渉のプロである経営者の間に立って交渉をし、シビアな条件交渉を行いつつ億単位のお金を動かすM&A仲介業。交渉術の本はたくさんあるが、本書ではそれをM&Aの現場で起こり得る議論や実例に当てはめて記載されているため、この本の内容を頭に入れておくことで、先回りして交渉の主導権を握ることが可能になると感じた。特に参考になった内容は以下。
・ビッドの場合、要求されてもないのに売り手に関する追加情報を書いて候補に開示し、他社の動きを示唆する。
・アンカリングにより、最初にハイボールを投げることで買い手に価格を引きずらせる。
・値下げ交渉はすぐに合意せず、内部での議論の末なんとか受け入れたと -
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ネタバレ<メモ>
・合意への思いが強いほど、交渉力が弱く、思いが弱いほど交渉力は強くなる。
・代替案があれば交渉力が強くなる
・時間的な余裕があると強くなる
・人間力。この人と仕事をしたいと思わせること
・信頼が醸成できる交渉はよい交渉
・交渉内容が間違いなく履行されることも重要
・相手の環境を理解すること。
・共通の利害を確認すること
・外見がよいとハロー効果により信頼性があがる。接触回数を増やす。好意を示す
・重要な利害関係を忘れていないか。
・ゼロサムではなく、合意により双方に優位になる落とし所を探る。
・自分が重視していることは伝えて問題ない。
ただし、重視していないことは伝えない方がより。 -
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主にM&Aの世界で交渉のフロントを長年経験した著者が綴る、実践的交渉道の体系を学ぶ本。
自身の経験から得た交渉を進めるにあたっての考え方の基本がわかりやすくまとまっている上、行動経済学、心理学をベースとした交渉心理術など割りと深いところにも触れられている。
元格闘家であり、MBAホルダーであり商社マン出身の著者は、情報の整理の仕方や構造化・整理、更には学問からも様々な引用(しかも実践的な)が上手で、相当勉強していることが伺える。
わかりやすくてよい。
■ポイント
交渉力の7つの源泉
①合意をしたいという温度差(惚れたほうが弱い)
②他の選択肢(結婚前は一人に絞るな)
③時間(結婚 -
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ネタバレ仕事で交渉スキルの必要性を感じて読んだ一冊目。
メモ
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・交渉とは、立場が異なる相手と、何かを決めるための、コミュニケーション
・交渉力とは、強気で交渉出来ること、即ち譲歩する必要が無い状態
・交渉の要素は次の7点
1.合意したいと思う温度差 (惚れた方が負け)
2.他の選択肢を持つこと (結婚前に一人に絞ったら選択肢が無くなる)
3.時間 (結婚を焦ったらだめ)
4.情報 (相手についての正確な情報)
5.演技力
6.客観的状況 (他の人の意見)
7.人間力(前向きで明るく、自分の言葉で話す。説得力がある。
不合理な行動を冷静に分析出来る。自分の感 -
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1、言ったことを守る
2、情報を開示する
3、相手の立場を尊重・理解し、利益を得たらお返しする
4、共通の利害について話す
5、好感を持たれる(笑顔やハロー効果の活用も)
6、権威と評判を活用する
究極的に、信頼は組織にではなく個人に対してされる。
見逃している重要な利害関係はないか?
フィックスト・パイ・バイアス
自分が何を重視していないかは伝えるべきでない。
海外では、何も言わない人は「何も考えていない」とみなされる。
チャルディーニの法則(6つ)
行動経済学の使える概念
→損失回避性
→アンカリング効果
→自信過剰
→保有効果
相手を素直に受け入れられない3つのバイアス
→フォールス・コ -
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M&Aの基礎知識が網羅的に書かれており、それほど難しくもない。
逆にこれ以上の知識は仲介会社等を通して学ぶ領域だと思ったので、
入門書であり、決定版という位置づけ。
M&A周辺の基礎知識で知らないことが学べた。その中でも、各立ち位置におけるインセンティブの働き方等は面白かった。
↓メモ
ストック型(継続的に売上が立つ)が人気
テスラも過去にアップルに売却をもちかけましたが、相手にされませんでした。
売却できる可能性が高いと判断できる会社は、相談をいただくうちの 2 割程度
売り手として、同業の会社は事業内容を熟知しているので、経営を任せるという観点では心配いらない。