加藤康男のレビュー一覧

  • 慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件

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    世界的に見て近い人種といえども、島国と大陸の人では人の殺し方、考え方は大きく違うということがわかりました。この歴史を中国側が公にしたくないのはわかりますが、日本側は主張しないのか?(戦勝国には逆らえないとか?日本側の不都合?)そもそも南京大虐殺と通州事件は別物でいいのかな?

    いずれにしてもこのような国が近くに存在する事を伝え、危機感を感じるべきだと思う。

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    2023年06月03日
  • ラストエンペラーの私生活

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    「私生活」という割には、結局普段は具体的に何してたの??という疑問は残ったが、
    滅びゆく清朝の最末期の皇帝の人生や人となりを垣間見ることができた。

    知れば知るほど
    「鶏カゴに入ったら鶏になれ、犬小屋に入ったら犬になれ」
    という諺をそのまま恐ろしいほどに体現した人だったんだな、と思った。
    哀れでもあり、同情すべきでもあり、
    滑稽で嘲笑に値するものでもあり、
    怒りや軽蔑の感情をもこちらに抱かせる人物だった。
    非常に良くできているドキュメンタリーだが、この一冊だけで溥儀の人物像を固めたくないので、彼の英語教師だった人物が書いたとされる本も読んでみようと思う。

    また、この本により、
    溥儀の皇后・婉

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    2023年02月10日
  • 謎解き「張作霖爆殺事件」

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    張作霖を運んだナゾの車

    同乗した儀我少佐の談によれば、張作霖は生きていた。しかし、ナゾの車で運ばれ、その後、死に至るまでの経緯が全くの謎である。なぜ病院に行かなかったのか。どのように死んだのか。死因は何か。車が手配されたというが、誰の手配なのか。

    事故直後の張作霖

    そもそも、尾崎義春氏『陸軍を動かした人々』によれば、”爆破が不成功に終れば列車を転覆させるように仕掛けてあり、警急集合中の部隊を率いて襲撃する”予定だったようである。。儀我少佐の談に張作霖は、即死ではない。呼びかけにもこたえている。

    使用された火薬は、日本製か?

    渡辺昇一の本「決定版・日本史 (扶桑社BOOKS)」には、火

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    2016年10月26日
  • 三笠宮と東條英機暗殺計画 極秘証言から昭和史の謎に迫る

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    日本が太平洋戦争に突入し、緒戦の勢いを失いかけていた頃、国内では密かに東條英機暗殺計画が計画されていた。その一端を担っていたのが皇族であったという衝撃的な内容である。時の首相東條英機と言えば、ドイツのヒトラーやイタリアのムッソリーニと並び東洋の悪鬼として、第二次世界大戦全体での悪の代表格とされている。ヨーロッパでは既にドイツの敗北が濃厚視されていた頃、国内では内閣総理大臣だけでなく、陸軍大臣そして参謀総長までを兼任し、1人三役で昭和天皇に上奏するなど内政から戦争指導、作戦まで1人で権力を振りかざして決められる立ち位置にあった。確かに権力は集中し側から見れば「独裁者」としての東條が当時の日本を動

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    2023年10月01日
  • 慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件

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    まずこの書を読みつつたまにネットで検索してびっくりしたのは、この通州事件についてすら日本の対中政策の結果であるとか、通州事件について昨今日本の「右翼」が反中に利用していると主張するという人がいるということ。本書には多くの絶版になった本や書籍化されていない手記などが引用されている。それらの復刊や書籍化も期待したい。

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    2021年05月12日
  • ラストエンペラーの私生活

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    中国最後の王朝 清の最後の皇帝 溥儀の生涯
    映画のラストエンペラーを見たことがあるが、溥儀の印象はかなり異なる。映画では溥儀を時代に翻弄された悲しい人物のように描いているが、実際は時代に翻弄されたことは確かだが、かなり冷酷で狡猾な人物と描写されている。
    西太后はもっと残忍だったそうで、そっちもきになる 

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    2020年01月04日
  • 謎解き「張作霖爆殺事件」

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    昭和3年の張作霖爆殺事件は関東軍の謀略というのが定説である。第1章はこれまでのおさらい。第2章から、著者が入手したクレムリンの資料などを使って、独自の説を展開する。決定打には至っていないが、著者が指摘するように、爆殺の事件現場写真は不可解だ。列車は外から爆薬が仕掛けられたのではなく、内部からの爆発で損傷しているように見える。松本清張「昭和史発掘 新装版」<2>と併せ読むのがオススメ。

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    2012年03月11日