廣松渉のレビュー一覧

  • 新編輯版 ドイツ・イデオロギー
    マルクスとエンゲルスの草稿。題名どおり、当時のドイツ哲学界におけるイデオロギーを批判し、新たな理論を構築しようという意気込みに満ちた著作。「ドイツ・イデオロギー」が具体的に誰の思想を意味しているのかという点はもっと考慮されていいように思うが、理論の精緻さのみを重視し感覚的な人間を忘れているという批判...続きを読む
  • 新編輯版 ドイツ・イデオロギー
    マルクスやエンゲルスの体裁が整った著作とは違って、これはノートのような紙に思いついたこと、またはどこかで学んだことをひたすら書き連ねた本である。またエンゲルスが主に執筆した箇所をマルクスが書き加えたり、線を引いて消したり、また絵のような内容を書き加えたりしている。
    体裁が整った著書は当然だが取捨選択...続きを読む
  • 哲学入門一歩前 モノからコトへ
    本書の副題は、「モノからコトへ」でして、「モノからコトを見つける上手い方法」がないかと探索中の一冊なのでした(……という目的にはそれほど参考になりませんでしたが……)。

    本書を一言で言えば、Wikipediaの廣松 渉の解説にある、
      実体があって関係があると考える物的世界観に対し、関係があっ...続きを読む
  • 哲学入門一歩前 モノからコトヘ
    本書の副題は、「モノからコトへ」でして、「モノからコトを見つける上手い方法」がないかと探索中の一冊なのでした(……という目的にはそれほど参考になりませんでしたが……)。

    本書を一言で言えば、Wikipediaの廣松 渉の解説にある、
      実体があって関係があると考える物的世界観に対し、関係があっ...続きを読む
  • 新哲学入門
    [ 内容 ]
    哲学とはなにを解明しようとする学問なのか。
    近代哲学の行きづまり状況はいかにして打破さるべきか。
    従来の物的世界像から事的世界観への転回をはかって独自の哲学体系を構想し各方面に波紋を投じている著者が、認識、存在、実践の三つの側面から、私たちを捉えている近代的世界観の根底的批判を展開し、...続きを読む
  • 資本論の哲学
    哲学/認識論系の廣松渉の著作を数冊読んできて、ここでマルクス主義者としての彼の書物に挑戦してみた。
    先に読んだアルチュセール『マルクスのために』なんかよりはずっとわかりやすく、興味深かった。
    資本論の初版と改版との比較、マルクスをめぐる多数の論者の文章の引用とその批評など、精細をきわめる内容で、マル...続きを読む
  • 今こそマルクスを読み返す
    [ 内容 ]
    マルクスは人間や社会や歴史をどうとらえ、『資本論』で何を語り、近代資本主義の未来をどのように予見したのか?
    今やマルクス主義は本当にもう無効になってしまったのだろうか?
    20世紀世界の根幹的思想を、独自の視点と平明な言葉で掘り返し、脱近代への発展的継承を試みる。

    [ 目次 ]
    ●マル...続きを読む
  • 今こそマルクスを読み返す
    マルクスによる資本主義の分析、特に搾取の構造の解明には未だに説得力あり。これを超える理論は結局今に至るも提示できていないのだが。
  • 新編輯版 ドイツ・イデオロギー
    ドイツの哲学者、マルクス(1818-83)/エンゲルス(1820-95)の共著。1846年刊。唯物史観提唱の著。この著における「意識が生活を規定するのではなく、生活が意識を規定する」という言葉はあまりにも有名である。この著を読めば、マルクス・エンゲルスの基本理解は得られるだろう。
  • 新編輯版 ドイツ・イデオロギー
     マルクス主義の特徴である唯物史観や共産主義の構想、革命の必然性などが本書から確認できる。とはいえ、通常の書物の構成と異なり、本書はマルクスが遺した草稿の修正案が複数記載されていたり、文章の一部が欠落しているなど、読み物として体を成していない。したがって、この本にまとめられたことが、必ずしもマルクス...続きを読む
  • 今こそマルクスを読み返す
     読み初め、まずは著者の学理的な緻密な言葉遣いに驚かされる、というか出鼻をくじかれるといった方が正確か。
     マルクスに対してこびへつらうことなく、著者の理路に引き込んでいく牽引力が相当強い。とは言え、独善的にマルクスを語っているわけではなく、あくまでも学者としてひとりの人間としてマルクスと対峙してい...続きを読む
  • 新編輯版 ドイツ・イデオロギー
     「大洪水の前に:マルクスと惑星の物質代謝 (斎藤幸平著)」と「コモンの再生(内田樹著)」からの流れで本著を手に取った。
     本著138頁からの{84}a=[40]の節、「こうして、ここに、自然発生的な生産用具と、文明によって創出された生産用具との差異が際立ってくる。(中略)第一の場合、つまり自然発生...続きを読む
  • 新哲学入門
    独特の言い回しが癖になる。
    認識観は同著者の「哲学入門一歩手前」とかぶる部分が多い。
    後半の2章、存在観と実践観が少し新鮮。
    難解そうなのに、さっぱりということはない。
    ユーモアさえ感じる。
    霊魂とかに真面目に取り組んでいるからだろうな。
    最期は、哲学者は革命家たれ的なことが書かれてあり、過激だった...続きを読む
  • 今こそマルクスを読み返す
    2017年にマルクスを読み直ししてみた。
    色々な意味で「わかりやすい」。

    とはいえ「歌ってみた」「踊ってみた」みたいなネタのノリでしかない気がした。
  • 哲学入門一歩前 モノからコトへ
    入門本というにはかなり難易度が高いです。
    おそらく、見慣れない感じや、言い回しが
    やっぱり哲学的世界という感じです。

    ただ、そんな言葉が羅列する割には
    そんなに文章にドヤ顔感は
    漂ってはきていません。
    例の提示も割とわかりやすい、というか面白い例まで
    出してくれています。
    努力は伝わってくるんです...続きを読む
  • 哲学入門一歩前 モノからコトヘ
    入門本というにはかなり難易度が高いです。
    おそらく、見慣れない感じや、言い回しが
    やっぱり哲学的世界という感じです。

    ただ、そんな言葉が羅列する割には
    そんなに文章にドヤ顔感は
    漂ってはきていません。
    例の提示も割とわかりやすい、というか面白い例まで
    出してくれています。
    努力は伝わってくるんです...続きを読む
  • 哲学入門一歩前 モノからコトへ
    「モノ」の情報が~,「コト」の情報が~
    といってたら,後輩のS氏に渡されました.

    大御所なのでしょうが,
    その時代の哲学者らしく,難しい漢字にドイツ語カタカナ読みでかながふってあったりして,なかなか読んでいて悩ましい.

    それはさておき,入門一歩前ってのは入門の手前っていみと,入門して一歩前へって...続きを読む
  • 哲学入門一歩前 モノからコトヘ
    「モノ」の情報が~,「コト」の情報が~
    といってたら,後輩のS氏に渡されました.

    大御所なのでしょうが,
    その時代の哲学者らしく,難しい漢字にドイツ語カタカナ読みでかながふってあったりして,なかなか読んでいて悩ましい.

    それはさておき,入門一歩前ってのは入門の手前っていみと,入門して一歩前へって...続きを読む
  • 新哲学入門
    読み始めた頃は、無理して難しい言葉を使っているような感じがして読みにくかった。
    中盤を過ぎると何となく慣れてくる。
    ただ、章毎に書かれきていない感じがしてもやもやが残る。
  • 今こそマルクスを読み返す
    著者のマルクス論を簡潔に提示した入門書。

    著者は、西洋の実体論的発想と対置される、関係の第一次性の立場から、マルクスの思想を理解する。著者は『資本論』の内容の紹介に先立って、みずからの物象化論の概要に触れている。「物象化」とは、人と人との社会的な関係が、日常的な意識において自立的な物象の相で現象す...続きを読む