小松由佳のレビュー一覧

  • 人間の土地へ

    Posted by ブクログ

    登山とは、登頂の可否以上に、目標に向かって精一杯努力し、進むというかていにこそ本質があり、誰とどのように、何のためにその山を目指すのかが肝心だ

    チャンスには2種類がある。自ら生み出すことができるチャンスと、偶然の巡り合わせによって与えられるチャンスと。後者は、機を逃したら2度と巡ってはこない

    遭難事故はたったひとつの要因だけでは起こらない”。大きな遭難事故の前には、大体において予兆のような小さな不協和音がある。そうしたささいな要因がいくつか重なり、状況がもはや後戻りを許さなくなった結果、致命的な事故へとつながる。

    K2に登頂し、帰還したことは、ただ単に私たちが幸運だっただけなのだ。この山

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    2024年07月29日
  • 人間の土地へ

    Posted by ブクログ

    手島という香川の島に著者の小松さんがいらして写真を撮っていかれたようです。
    台風だったこともあり、手島でおいてある本書を読みきりました。

    K2登頂はプロローグのようなもので、シリアで知り合った現夫とシリアの内戦に翻弄される人生についての記述が大部分を占めます。

    内戦による生活の変化。文化や宗教、考えの違いからの精神的な壁の困難。それらについて率直な意見が素直に綴れている本です。
    シリアの現状について知らないこともたくさんありました。他者の考えに触れることができ、考えるきっかけにもなりました。読んでよかったなと思う本でした。

    タイトルはサン・テグジュペリの『人間の土地』のオマージュです。そ

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    2021年08月09日