小松由佳のレビュー一覧
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描かれている人たちのことが気になり、
1日もかからず読み終えた。読む前、読んでいる最中、読後と扉の写真を何度も見て、そこに映る人物を想像した。
シリアの国籍を持っているために、欧州をはじめとする豊かな国への入国が制限され、高額な費用を払い難民として命懸けで入国を目指さなければならない現実に衝撃を受けた。
アサド政権の闇を世界に告発した、シーザーファイルが公開されたのは2014年1月、アサド大統領がモスクワに亡命したのが2024年12月。
政権によるシリアの人々への残虐行為を10年以上も放置した国際社会の一員であることを、本書で知らされた。 -
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シリアの独裁国家下で暮らす人々を写真と共に伝える素晴らしいノンフィクションです。
アサド政権崩壊だけではない、シリア人の夫に持つ著者だからこそ重く伝わる話が盛り沢山です。シリア人の家族や故郷への想い、女性蔑視が根強い男性主体の家族形態等、興味深い話も。
また、独裁国家がどのように運営され、崩壊していくのか、その過程も学べます。以前読んだ本に独裁者はランニングマシーンを走ってる様なもので一回乗ったら降りられない、と書いてありましたが、ロシアに亡命したアサドもいつも死と隣り合わせで、孤独なまま政権崩壊を外から見ていたのでしょう。
中東が混迷する昨今、この書籍から学べる事は沢山あります。
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ネタバレシリアのことを全く知らなくて、そういえば高校の近代史の授業でアサド政権の独裁とか出てきた気がする程度の知識しかなかった。私の高校時代って20年くらい前なのに、そんな前から(もっと前から)ついこの前(2024年)までずっと独裁が続いていたのか!と思った。
そして、そんなにも長く続いていた独裁が、2024年に崩壊したなんて、大ニュースなのに、私は全く気にしていなかった。
シリア人と結婚した著者の経験として、興味深いシリアの文化や社会情勢を知ることができて面白かった。第二夫人事件も、日本人同士の結婚ではまず起きない出来事で興味深かった。それにしても、文化とはいえ、シリアの男尊女卑は、やっぱり私には -
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ネタバレ【シリアの家族】 小松 由佳 著
これはもう…壮絶。本年上半期の暫定第1位、文句なしのノンフィクション賞です。
写真家の著者がシリア人と知り合い結婚。シリア難民が国外に出ようとする惨状や英国に渡るまでの壮絶なルポ(この難民たちはボートが転覆して全員死亡)、アサド政権とこれを支援するロシア軍と反政府軍との戦闘、加えてISとの戦闘、反政府軍によるアサド政権の崩壊とその後のイラン・ヒズボラ対イスラエル戦争によるイスラエルからの空爆。これらを著者自身が肌で感じたことや、シリア親族・市民の動き、経済などを克明に描いて、全巻ハラハラ・ドキドキの連続です。国際政治に翻弄される国の姿や、『夜と霧』『エ -
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イラク対アメリカ&イスラエルの戦争のニュースが毎日トップニュースになり、ウクライナの戦争は相変わらず継続し、ガザは戦争こそ終わった(終わった?で良いのよね)もののまだまだ悲惨な状況は継続していて・・・そんな中、これを含め戦争関連の本を何冊か並行して読んでいた。
そして、思うのは、絶対の正義があるわけではない。それぞれの視点でそれぞれの言い分や正義があり、いかにそこを折り合っていくのかがとても難しいということ。
この本は、取材を通じて知り合った一家の息子(12男)と恋に落ち結婚した著者が、日本人としての感覚をベースに、家族となったシリア人(スンナ派で、庶民の側に立つ一家)家族を通して見たシリア内 -
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ネタバレ第23回開高健ノンフィクション賞受賞作。
1935年生まれのガーセムを家長とするアブドゥルラティーフ一家は、シリア中部のオアシス都市パルミラに住む四世代、総勢70名近くからになる大家族。著者の夫はガーセムの子16 人の末っ子の12男。シリアの家族の物語は、著者の家族の物語であった。
内戦で荒廃していく故郷。秘密警察に囚われ、二度と帰ることのなかった6男サーメル、家長ガーセムはISに支配された故郷から避難民として国内を転々とし、最後はトルコへ入国。その後、一家の残りの家族も不法入国の斡旋業者のサポートのもと、谷や山、荒野を歩き、徒歩で国境を越え、シリア国境に近いトルコの街へ。しかしシリ -
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ネタバレ著者はドキュメンタリー写真家。2006年、世界第2位の高峰K2に日本人女性として初登頂した登山家でもある。
2008年、彼女は、写真取材で、シリアのパルミラで100頭のラクダを放牧し、半遊牧的生活を送るアブドゥルラティーフ一家と知り合う。
一家は、4世代、70人近い大世帯。毎年のように一家を訪れる中、2013年には、一家の16人兄弟姉妹の末っ子・ラドワンと恋に落ち、結婚、二人の子どもをもうける。
シリアでは、2011年から民主化運動が拡大、アサド政権による市民への弾圧に端を発し、内戦状態に突入する。
ラドワンは徴兵され政府軍兵士になったが、市民に弾圧を加える罪悪感から2012年に政府軍 -
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第23回開高健ノンフィクション賞受賞作。「人間の土地へ」の続編というか完結編。
シリア難民はイギリスを目指す。ドーバー海峡を渡るのに、パスポートを持ってさえいれば90分35ポンドの安全な道のりのフェリーなのに、難民たちは1000ドル支払い自分達だけで対岸を目指して5時間のボートに乗る。ボートは高い確率で転覆するので、ドーバー海峡の露と消える人もいれば、ようやく着いても難民として認定されるのに1-2年かかる人もいる。子供だけでは家族を呼び寄せることは不可能なのにそれも知らない。
筆者はその後、夫家族の暮らしていたパルミラの夫の実家跡を訪ねる。日本の外務省からは心配の電話が入り、即時退去をお願 -
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ネタバレ第23回開高健ノンフィクション賞受賞作.。
ニュースではアサド政権による毒ガス兵器やロシアによる空爆、ISの残虐な支配など断片的にしか伝わってこないシリアの現状。著者は、写真家として2008年にシリアを訪れ、その後総勢70人の大家族の一員である十二男ラドワンと結婚、その後のアサド政権の弾圧による、自身の家族やシリアの人々の苦難を通じてシリアの状況を描いている。
「沙漠の薔薇」と謳われたオアシスの街パルミラで幸せに暮らしていた一家は「アラブの春」後のアサド政権による弾圧と内戦により、六男は秘密警察に逮捕され行方不明、一家も難民としてトルコに避難を余儀なくされる。
著者は2022年9月、「親族訪問 -
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とても登頂の難しいK2から帰還したあと、ヒマラヤのシスパーレ登頂を中断してから、作者は写真家として人々の生活を撮るようになった。シリアのオアシス、パルミラには度々足を運び、未来の夫となるラドワンと知りあう。
アブドゥルラティーフ一家は父と母と16人の子供たちとその子供たちによって構成され、家を建て増し、隣にも家を作って、日々ラクダを放牧したり、乳を絞ったり、料理し洗濯し掃除し、さまざまな日常の会話や噂話などをして平和に過ごしている。しかしそこに内戦が起こる。
シリアはオスマン帝国から第一次大戦後にフランス領になった。一応独立したものの、クーデターや軍事政権などの時代を経て、ろくな民主主義を -
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23歳で日本人女性初のk2登頂に成功した小松由佳さん。その翌年(2007)に、偶然にも小松さんの講演を聴く機会がありました。冷蔵庫大の氷塊が頭上に落ちてくるような命懸けの登山経験談に、彼女の好奇心の旺盛さと芯の強さを感じました。
小松さんはその後、東南アジアを旅し、風土に根ざした人の営みに魅せられ写真家に転身。2012年からシリアの内戦・難民を取材し続け、同年にシリア人男性と結婚し2児の母となります。
「アラブの春」の影響で、シリアでも民主化運動が拡大するも、アサド政権は徹底して弾圧。シリアの独裁政権は崩壊せず長く内戦が続き、700万人もの難民を生み、15万人もの民間人が虐殺されまし