小松由佳のレビュー一覧

  • シリアの家族

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    独裁政権下内戦での厳しさと苦しみ、そして
    悲しさがこれでもかと描かれていているが、
    この本には生きた人間とが刻み込まれている
    だからこそ悲しさだけではないとも言えるが
    逆に悲しさが際立っているとも感じた




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    2026年05月29日
  • シリアの家族

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    描かれている人たちのことが気になり、
    1日もかからず読み終えた。読む前、読んでいる最中、読後と扉の写真を何度も見て、そこに映る人物を想像した。
    シリアの国籍を持っているために、欧州をはじめとする豊かな国への入国が制限され、高額な費用を払い難民として命懸けで入国を目指さなければならない現実に衝撃を受けた。

    アサド政権の闇を世界に告発した、シーザーファイルが公開されたのは2014年1月、アサド大統領がモスクワに亡命したのが2024年12月。
    政権によるシリアの人々への残虐行為を10年以上も放置した国際社会の一員であることを、本書で知らされた。

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    2026年05月29日
  • シリアの家族

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    シリアで実際に何を見たのか、筆者の個人的な体験や意見も交えて書かれている。知らなかったショッキングなことも多々あった。命懸けの取材による貴重な文章と写真。ぜひ多くの人に読んで欲しい一冊。

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    2026年05月25日
  • シリアの家族

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    シリアの独裁国家下で暮らす人々を写真と共に伝える素晴らしいノンフィクションです。
    アサド政権崩壊だけではない、シリア人の夫に持つ著者だからこそ重く伝わる話が盛り沢山です。シリア人の家族や故郷への想い、女性蔑視が根強い男性主体の家族形態等、興味深い話も。
    また、独裁国家がどのように運営され、崩壊していくのか、その過程も学べます。以前読んだ本に独裁者はランニングマシーンを走ってる様なもので一回乗ったら降りられない、と書いてありましたが、ロシアに亡命したアサドもいつも死と隣り合わせで、孤独なまま政権崩壊を外から見ていたのでしょう。
    中東が混迷する昨今、この書籍から学べる事は沢山あります。

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    2026年05月23日
  • シリアの家族

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    まさに著者の命をかけた作品。
    内側にいるからこその視点でシリアが描かれている。
    日本から遠く離れたシリアでの出来事はどうしても他人事になってしまう。
    当たり前だか、現地の人々にも感情があり家族があり、かけがえのない命があることを感じた。
    恥ずかしながらシリアについての知識がなさすぎる。シリアやイスラム教について、もう少し勉強したい。

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    2026年05月16日
  • シリアの家族

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    ネタバレ

    シリアのことを全く知らなくて、そういえば高校の近代史の授業でアサド政権の独裁とか出てきた気がする程度の知識しかなかった。私の高校時代って20年くらい前なのに、そんな前から(もっと前から)ついこの前(2024年)までずっと独裁が続いていたのか!と思った。
    そして、そんなにも長く続いていた独裁が、2024年に崩壊したなんて、大ニュースなのに、私は全く気にしていなかった。

    シリア人と結婚した著者の経験として、興味深いシリアの文化や社会情勢を知ることができて面白かった。第二夫人事件も、日本人同士の結婚ではまず起きない出来事で興味深かった。それにしても、文化とはいえ、シリアの男尊女卑は、やっぱり私には

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    2026年05月15日
  • シリアの家族

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    ネタバレ

    【シリアの家族】 小松 由佳 著

     これはもう…壮絶。本年上半期の暫定第1位、文句なしのノンフィクション賞です。

     写真家の著者がシリア人と知り合い結婚。シリア難民が国外に出ようとする惨状や英国に渡るまでの壮絶なルポ(この難民たちはボートが転覆して全員死亡)、アサド政権とこれを支援するロシア軍と反政府軍との戦闘、加えてISとの戦闘、反政府軍によるアサド政権の崩壊とその後のイラン・ヒズボラ対イスラエル戦争によるイスラエルからの空爆。これらを著者自身が肌で感じたことや、シリア親族・市民の動き、経済などを克明に描いて、全巻ハラハラ・ドキドキの連続です。国際政治に翻弄される国の姿や、『夜と霧』『エ

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    2026年05月10日
  • シリアの家族

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    著者はシリア人男性との結婚によって、内戦前から内戦後に至るシリアの人びとを至近距離から取材できる立場にあった。それが本書を他にはない臨場感のあるレポートにしている。内戦下のシリアの人びとの多様なあり方になるほどと思わされることも多々あったが、何と言っても全編から滲み出る著者の取材者としての野心とタフさである。特に夫との関係性についての記述からは目が離せなかった。面白い!

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    2026年05月04日
  • シリアの家族

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    自分が生きているこの時代に、こんなことがあったのかと驚き、リアリティ溢れる文章が、印象的だった。テレビニュースでは報道されない、親族の写真家だからこその経験は読んでいて没入感がすごいし、戦争が終わってからも家族にとっての家や故郷に対する苦しみはまだ続いているんだと考えさせられた。

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    2026年04月19日
  • シリアの家族

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    イラク対アメリカ&イスラエルの戦争のニュースが毎日トップニュースになり、ウクライナの戦争は相変わらず継続し、ガザは戦争こそ終わった(終わった?で良いのよね)もののまだまだ悲惨な状況は継続していて・・・そんな中、これを含め戦争関連の本を何冊か並行して読んでいた。
    そして、思うのは、絶対の正義があるわけではない。それぞれの視点でそれぞれの言い分や正義があり、いかにそこを折り合っていくのかがとても難しいということ。
    この本は、取材を通じて知り合った一家の息子(12男)と恋に落ち結婚した著者が、日本人としての感覚をベースに、家族となったシリア人(スンナ派で、庶民の側に立つ一家)家族を通して見たシリア内

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    2026年04月14日
  • シリアの家族

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    ネタバレ

     第23回開高健ノンフィクション賞受賞作。

     1935年生まれのガーセムを家長とするアブドゥルラティーフ一家は、シリア中部のオアシス都市パルミラに住む四世代、総勢70名近くからになる大家族。著者の夫はガーセムの子16 人の末っ子の12男。シリアの家族の物語は、著者の家族の物語であった。

     内戦で荒廃していく故郷。秘密警察に囚われ、二度と帰ることのなかった6男サーメル、家長ガーセムはISに支配された故郷から避難民として国内を転々とし、最後はトルコへ入国。その後、一家の残りの家族も不法入国の斡旋業者のサポートのもと、谷や山、荒野を歩き、徒歩で国境を越え、シリア国境に近いトルコの街へ。しかしシリ

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    2026年03月20日
  • シリアの家族

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    説得力、迫真性が緊々と伝わるノンフィクション作品。シリアの人々の悲しみが、頁を捲る度に胸に迫りくる。光彩を放つ筆力で、戦場や人間を描く強靭な小松由佳さんに感服。素晴らしい作品に出逢えて嬉しい。
    第23回開高健ノンフィクション賞受賞作。

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    2026年03月08日
  • シリアの家族

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    日本ではあまり馴染みのない国の出来事なので、正直最後まで興味を保てるか少し不安だった。でも、宗教や文化、歴史、政治といった背景がとてもわかりやすく描かれていて、気づけば物語の中に引き込まれ、一気に読み終えていた。命懸けともいえる取材の重みが伝わってくる一冊。著者は写真家になる前に、K2に日本人女性として初登頂した経歴を持つという。その行動力と、危険な状況でも冷静に判断する強さが取材にも生きているのだと感じた。他の著作もぜひ読んでみたい。

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    2026年02月27日
  • シリアの家族

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    ネタバレ

    著者はドキュメンタリー写真家。2006年、世界第2位の高峰K2に日本人女性として初登頂した登山家でもある。

    2008年、彼女は、写真取材で、シリアのパルミラで100頭のラクダを放牧し、半遊牧的生活を送るアブドゥルラティーフ一家と知り合う。

    一家は、4世代、70人近い大世帯。毎年のように一家を訪れる中、2013年には、一家の16人兄弟姉妹の末っ子・ラドワンと恋に落ち、結婚、二人の子どもをもうける。

    シリアでは、2011年から民主化運動が拡大、アサド政権による市民への弾圧に端を発し、内戦状態に突入する。

    ラドワンは徴兵され政府軍兵士になったが、市民に弾圧を加える罪悪感から2012年に政府軍

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    2026年02月24日
  • シリアの家族

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    第23回開高健ノンフィクション賞受賞作。「人間の土地へ」の続編というか完結編。

    シリア難民はイギリスを目指す。ドーバー海峡を渡るのに、パスポートを持ってさえいれば90分35ポンドの安全な道のりのフェリーなのに、難民たちは1000ドル支払い自分達だけで対岸を目指して5時間のボートに乗る。ボートは高い確率で転覆するので、ドーバー海峡の露と消える人もいれば、ようやく着いても難民として認定されるのに1-2年かかる人もいる。子供だけでは家族を呼び寄せることは不可能なのにそれも知らない。

    筆者はその後、夫家族の暮らしていたパルミラの夫の実家跡を訪ねる。日本の外務省からは心配の電話が入り、即時退去をお願

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    2026年02月17日
  • 人間の土地へ

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    数年前にシリアの女性ジャーナリストが制作した映画を見て以来、シリアが気になって本を読んだりしていたので、また新たな発見があり、一気に読み終えました。
    秋田でお父さんが迎えに来てくれたところはジーンときましたし、シリアでは民主主義とはという教育がされておらず、どうすべきかをわからないという意見にはなるほどなあ、と思いました。
    アサド政権が終焉を迎えて、難民が帰還しまた平和な日々を取り戻していくことを願ってやみません。
    ただ、夫が家事育児を分担してくれないのは、私には耐えられない。

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    2026年02月17日
  • シリアの家族

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    ネタバレ

    第23回開高健ノンフィクション賞受賞作.。
    ニュースではアサド政権による毒ガス兵器やロシアによる空爆、ISの残虐な支配など断片的にしか伝わってこないシリアの現状。著者は、写真家として2008年にシリアを訪れ、その後総勢70人の大家族の一員である十二男ラドワンと結婚、その後のアサド政権の弾圧による、自身の家族やシリアの人々の苦難を通じてシリアの状況を描いている。
    「沙漠の薔薇」と謳われたオアシスの街パルミラで幸せに暮らしていた一家は「アラブの春」後のアサド政権による弾圧と内戦により、六男は秘密警察に逮捕され行方不明、一家も難民としてトルコに避難を余儀なくされる。
    著者は2022年9月、「親族訪問

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    2026年02月10日
  • 人間の土地へ

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    とても登頂の難しいK2から帰還したあと、ヒマラヤのシスパーレ登頂を中断してから、作者は写真家として人々の生活を撮るようになった。シリアのオアシス、パルミラには度々足を運び、未来の夫となるラドワンと知りあう。

    アブドゥルラティーフ一家は父と母と16人の子供たちとその子供たちによって構成され、家を建て増し、隣にも家を作って、日々ラクダを放牧したり、乳を絞ったり、料理し洗濯し掃除し、さまざまな日常の会話や噂話などをして平和に過ごしている。しかしそこに内戦が起こる。

    シリアはオスマン帝国から第一次大戦後にフランス領になった。一応独立したものの、クーデターや軍事政権などの時代を経て、ろくな民主主義を

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    2026年02月09日
  • シリアの家族

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     23歳で日本人女性初のk2登頂に成功した小松由佳さん。その翌年(2007)に、偶然にも小松さんの講演を聴く機会がありました。冷蔵庫大の氷塊が頭上に落ちてくるような命懸けの登山経験談に、彼女の好奇心の旺盛さと芯の強さを感じました。

     小松さんはその後、東南アジアを旅し、風土に根ざした人の営みに魅せられ写真家に転身。2012年からシリアの内戦・難民を取材し続け、同年にシリア人男性と結婚し2児の母となります。

     「アラブの春」の影響で、シリアでも民主化運動が拡大するも、アサド政権は徹底して弾圧。シリアの独裁政権は崩壊せず長く内戦が続き、700万人もの難民を生み、15万人もの民間人が虐殺されまし

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    2026年02月02日
  • シリアの家族

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    ネタバレ

     著者に向けた義父の温かい見守り、夫婦間に起きたことなどの身近なことと、シリアで十余年の間起きてきた大きな出来事たちとが、一冊にぎっしり詰まっている。著者の勇気といざという時に発揮される知恵に驚き、また義父の子供たち(夫の兄弟姉妹)が混乱するシリアで守った生き方に感動した。
     海外で拘束されたジャーナリストが帰国した時に巻き起った批判に対して、ダルビッシュが示したものの見方を思い出した。
     素晴らしい本でした。

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    2026年01月31日